http://www.nikkei.com/article/DGXLASDC02H0C_S7A600C1TJ1000/
2017/6/2 20:50
【ベントンビル(米アーカンソー州)=平野麻理子】米小売り最大手のウォルマート・ストアーズは1日、ネット通販で注文を受けた商品を店舗の従業員が帰宅する途中で配達する実験を始めたと発表した。従業員の参加は任意で配達すれば報酬を受け取れる。従業員が配達を担うことで、配送にかかるコスト削減と時間の短縮につなげる。
今回開発したアプリでは、勤務先の店舗と従業員の自宅の間にあるネット通販の配達先をマッチングする。極端な遠回りは求めず、荷物を配達しながら家に帰ることができる仕組みだ。配達する商品の数は最大10個まで毎回選べる。
現在はニュージャージー州2店とアーカンソー州の1店舗でアプリを用いて実験しており、効果を見極めて全米に拡大する。ウォルマートのネット部門を統括するマーク・ロア氏は「ドライバーが荷物を取りに来る必要がなく、時間とコストの圧縮につながる」と、外部に配達を委託する場合との違いを強調した。
アマゾン・ドット・コムなどの台頭を受け、ウォルマートはネット通販に力を入れている。全米に張り巡らされた店舗網を生かし、ネットと実店舗の資源を融合する取り組みを加速させる。