ビジネスクラスが今や、新たなファーストクラスという位置付けになってきた。航空会社は多くの機種とルートでファーストクラスをビジネスクラスに置き換えている。ファーストクラスほどスペースは広くないが値が張らず、より多くの座席を埋められるため、航空会社にはより多くの利益がもたらされる。
各社のビジネスクラスには、今後の空の旅を変える革新的な改良が、テクノロジーと人間工学の側面において進められている。焦点となっているのは快適さを最大化するためのスペースと最新技術の有効活用だ。
将来のビジネスクラスを予感させる座席はすでにある。2016年の国際家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」で公開され、19年以降にデビューを予定している、BEエアロスペース製の座席「ウォーターフロント」だ。パナソニックも協力している。24インチの高画質4Kモニターを備え、乗客が自分のスマホか機内に用意されたタブレット端末で操作できるエンターテインメント・システムが目玉。さらにはスマホで座席リクライニングや照明の調節、食事・飲み物の注文などもできる。乗客の好む設定は保存されるため、同じ航空会社なら別の便でも一から設定をし直す必要がない。
ビジネスクラスは進化を続けていくようだ。航空数社の最新事情は以下の通り。
■ヴァージン・オーストラリア
ヴァージン・オーストラリアの新しいビジネスクラスは座席以外にも着目。気の利いた小物収納スペース、前後にスライドするテーブル、ノートパソコンなどのコードが見えないようなコンセントの配置などが特徴。
■カタール航空
カタールの新ビジネスクラス「Qスイーツ」は座席の向きを変え、少人数グループの会議や食事も可能なプライベート空間を作ることも可能。
■デルタ航空
デルタのビジネスクラス「デルタ・ワン」の将来のビジネス席「スイーツ」には、開閉可能なドアや、タブレット端末などの収納に便利な2段の棚が付いた。(ブルームバーグ Eric Rosen)
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/170705/mcb1707050500001-n1.htm