15日に本格的な開幕を控える北米国際自動車ショー(通称デトロイトショー)でプレス発表会が米ゼネラル・モーターズ(GM)を皮切りに始まった。自動車メーカーは通常、年初の世界最大の家電見本市CESで自動運転などの近未来技術、長期のサービス戦略を発表し、その翌週のデトロイトショーでは北米市場向けの大型車やスポーツ車のコンセプトモデルなど直近の戦略を発表する。だが、EV・自動運転化の波がショーの雰囲気を変えつつある。
GMの発表会会場には「伝説のトラック好きの方々向け受付」のサインが上がっている。中核ブランド「シボレー・トラック」の発売100周年を記念し、過去の広告のハイライト映像が流れる。メディアだけでなく多くのトラックファンが招待された。本来ならトラック一色に染まりそうな状況だ。
だが、GMはあえてプレゼンの中で昨年のEV販売が好調だったことを強調した。発表会後に取材に応じたGMのメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)は「トラックにも、自動運転EVや燃料電池にも投資していく」と力強く宣言した。
もちろんデトロイトショーで披露される車種の中心は例年通りピックアップトラックや多目的スポーツ車(SUV)だ。市場の売れ筋は大型車ばかりで、しかも原油価格は低い水準にとどまっている。
だが、一方で米フォード・モーターなど、GMのように電動化、自動運転へのメッセージの比重を増やす企業が今年は目立ちそうだ。GMを含む大手各社はEVやプラグインハイブリッド車(PHV)の投入を増やす電動化戦略を次々に打ち出しており、製品の品ぞろえ戦略が変わり始めているためだ。「大型車の祭典」であるデトロイトショーですら変化の兆しが見える。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25667900U8A110C1000000/