
2016年に北京で開かれた世界ロボット大会(AP)
【ワシントン=鳳山太成】複数の米メディアは12日、中国政府がハイテク産業育成策「中国製造2025」の見直しを検討していると報じた。中国企業が将来の先端技術を独占する色彩を薄め、外国企業の参加を認めるなどの修正案をつくっているという。トランプ米政権は同政策の撤回を要求しており、受け入れるかどうかは不透明だ。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)によると、中国は19年初めにも新たな政策を公表する見通し。品目ごとに国産比率の数値目標を設けていたが、これを取り下げることを検討しているという。米ブルームバーグ通信は達成目標時期を現行の25年から35年に10年間先送りする可能性があると伝えた。19年2月末を期限とする米国との協議をにらみ、対立激化を避ける狙いがあるとみられる。
中国製造2025はロボットや次世代情報技術など10分野に補助金などを重点的に投じて国産技術を育てる政策で、習近平(シー・ジンピン)国家主席肝煎りの国家戦略だ。修正が表面的な内容にとどまる可能性もあり、米政権の理解を得られるかは見通せない。
ロス米商務長官は12日の米CNBCテレビ番組で、中国製造2025に米国が強く反発してきた経緯に触れ「中国は(発表した15年以降)大した政策ではないように見せようとしてきた」と指摘した。
トランプ米政権はこれまでの対中協議で、補助金の即時停止など計画撤回を中国に強く求めてきた。米中両国は1日の首脳会談で、知的財産権保護や非関税障壁など中国の構造改革を巡り協議することで合意した。90日以内に結論が出なければ、米国は中国への追加関税を引き上げるとしている。
2018/12/13 8:18 (2018/12/13 11:04更新)
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38868950T11C18A2MM0000/