どこも品切れ! そんな悲鳴が上がっているのが、サイゼリヤの「アロスティチーニ」だ。ラム(羊肉)の串焼きで、イタリア中部アブルッツォ州の名物料理だが、昨年12月18日にグランドメニューに載って以来、客が殺到。予想以上の反響の大きさに、現在、原料が確保できず一時販売を休止しているのだ。原料が確保でき次第、期間や地域を限定して販売を再開するとのこと。
「小さい」「硬い」「〇〇(羊肉料理の有名店)で食べたものとは段違い」なんて声もあるが、「羊齧協会」代表の菊池一弘さんは、「そういうごくわずかな羊肉マニアは知識をひけらかしているだけ。これまで取り扱いに至らなかった、取り扱っても期間限定や地域限定だった、大手レストランや量販店が羊を認めてくれたのは本当にうれしい」と話す。
羊肉の魅力を発信している羊齧協会は、前身団体を含めると活動歴20年以上。菊池さんによると、羊肉ブームは過去にも数度あった。しかし、羊肉の知識に乏しいままイマイチな処理や調理で羊肉を出す店が多く、「羊肉は臭い」と敬遠する人が続出。最盛期の2004年には東京だけでジンギスカン店が200店舗に拡大したが、数年で半減。輸入量も減った。
「今は違います。ブームではなく、素材のひとつとして受け入れられている。特に注目しているのは、羊を扱う量販店が増え、羊料理が家庭に入ってきていること。そしてサイゼリヤをはじめ、食の流行とは関係なく羊肉の商品が開発されていること。現在、日本で食べられる羊肉はオーストラリア、ニュージーランド、ウェールズ、アイスランド、フランス、アメリカ、アルゼンチン、国産の8カ国です。それぞれ味が違い、値段も違う。アルゼンチン産は比較的リーズナブルなので、もっと手軽に食べられる店が今後増えてくると思います」(菊池さん)
ところで菊池さんは、サイゼリヤ6軒目でようやくアロスティチーニを食べられたそうで、「この値段(2串399円)でこの品質はすごい。しかも工場で調理済みのものを厨房で温めるなどして出しているのだから相当レベルが高い」。
なお、サイゼリヤのアロスティチーニは、添えられているスパイスも人気。これが「羊齧協会」主催のグルメフードイベント「羊フェスタ」で2014年以降、限定販売されてきた「羊名人」と似ていると話題だ。「カルディコーヒーファーム」などで購入可能(40グラム=298円)。羊名人は中華風、アロスティチーニはイタリア料理という違いはあるが、サイゼリヤで食べられないなら、自分で作ってみる手もある。
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