欧州連合(EU)は9日、域外からの観光など不要不急の渡航を認めるリストから日本など6カ国を除外したと発表した。各国での新型コロナウイルスの感染拡大を受けた措置。EU加盟国では既にドイツが日本からの渡航を制限しているが、ほかの加盟国も制限する可能性が出てきた。
EUがリストから除外したのは日本、アルバニア、アルメニア、アゼルバイジャン、ブルネイ、セルビア。ウルグアイはリストに加えられた。日本は1月にリストから外れたが、夏休みシーズン前の6月に再びリストに入っていた。
出入国の認可は加盟国の権限のため、リストに従うかどうかは加盟国が判断する。例えば新型コロナのワクチンを接種した人に限って、隔離期間やPCR検査の義務なしに入国を認める加盟国もあるとみられる。
ドイツ政府は5日、日本からの観光客などの渡航を制限した。渡航できるのは、重要な渡航理由があると認められた場合か、ワクチン接種を完了している場合に限る。
新型コロナ感染が広がる「ハイリスク地域」にも指定し、入国前の登録なども義務付けた。ドイツは6月に日本からの渡航制限を解除していたが、日本で感染者数が増えたことで再導入した。
新型コロナの世界的な感染拡大を受け、EU加盟国は昨年3月、域外からの渡航を原則禁止した。昨年7月以降、経済再開のために渡航制限の段階的な解除を始めた。
EUは加盟国と協議し、渡航を認める国のリストを作成した。相手国の感染状況をもとに2週間ごとにリストを見直していて、現時点では、カナダやオーストラリア、韓国など10カ国強がリストに入る。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR09EQI0Z00C21A9000000/