2017年に暗号資産が高騰し、億を超える大金を手にする人が急増しました。私はそうした17年以降の富裕層を「シン富裕層」と呼んでいます。年代は40代を中心に50代と30代が続き、20代も少し入ってきます。資産額のボリュームゾーンは、10億~20億円前後といったところでしょうか。
海外移住を希望するそのようなシン富裕層も多く、理由の一つに日本の暗号資産に対する税率が他国に比べて高いという点が挙げられます。暗号資産は株式などと取り扱いが異なり、売却益が雑所得の扱いになり、金額が大きくなると、所得税と住民税の合計で最高税率の55%になってしまいます。そこで節税メリットが大きい国へ移住しようと考えるのです。
先日、30代半ばの元医師の方が私のところに相談に来ました。「私の全財産はこの中に入っているんですよ」と小さなUSBメモリを見せるのです。仕事の傍らで投資した暗号資産が瞬く間に高騰して、20億円規模の資産になったのだとか。上記資産を国内で売却すると雑所得の扱いになるため、彼は仕事をリタイアして、節税ができる国への移住を考えたそうです。
ほかには法人所有の暗号資産が決算時に毎年課税されるため、ブロックチェーンの有力ベンチャー企業が軒並みシンガポールに移転するといったことも話題になりました(法人課税は24年度の税制改正大綱で改善されました)。
次に19年末ごろから、シン富裕層の間でドバイ移住の人気に火がつきました。ドバイは、外国人の投資永住権がなかったため、そこで利用されてきたのが「法人設立ビザ」です。当時は経済特区の「フリーゾーン」での法人設立なら外資100%での設立が認められ、現地での雇用義務も課せられません(※)。本人1人で法人を設立し、日本向けのコンサル業をリモートで完結させることも可能です。
(※)現在はフリーゾーンでなくても事業内容によって100%外資の法人設立が認められている。
法人設立の後に2年間の居住ビザを取得できれば、所得税、贈与税、相続税などがゼロの恩恵が受けられます。課税されるのは消費税に相当する「VAT」の5%と、法人の年間所得が37万5000ディルハム(約1500万円)を超える場合の法人税の9%のみ。法人設立ビザを維持する居住条件は、6カ月に1回、ドバイに入国することで、守れば現時点では何回でも更新が可能です。
法人設立からビザがおりるまで2~3カ月と短い期間で済み、配偶者と子女の家族ビザの申請もできます。
以下ソース
https://news.yahoo.co.jp/articles/cbc5256b3e911487c087d39fa627046b5d25bd60?page=1