米OpenAIは2月28日(日本時間)、生成AIチャットの「ChatGPT」に搭載するAIモデルとして「GPT-4.5」を発表した。同社の「o1」や「o3-mini」などの長く考えて性能を向上する方式は取っておらず、教師なし学習により「GPT-4o」よりも高性能になったという。月額200ドルのProユーザーは同日から利用可能。PlusやTeam、Enterpriseなどの有料プランユーザーには1週間ほどで提供する。
GPT-4.5では、学習時の計算リソースとデータ拡張、アーキテクチャと最適化の革新により、長く考えず方式でなくても性能を向上させることができたという。その結果、幅広い知識と深い世界理解を備えたモデルとなり、ハルシネーション(幻覚、それらしいうそ)の低減や幅広いトピックにおける信頼性も向上したとしている。
GPT-4.5を発表したライブ配信では、o1との比較もライブで実施。o1が返答するのに時間をかけるのに対し、GPT-4.5はすぐに返事を返した。登壇した同社の研究者は回答の内容について「o1も役立つ。多くの情報を出力していて、(質問の)話題を初めて学ぶなら知りたいことがたくさんある」としつつ、「GPT-4.5の答えは流れがずっと自然。アイデアを通じて私の思考をガイドしてくれる」と評した。
各種ベンチマークテストでは、全てのスコアでGPT-4oを超えた一方で、o3-miniには一歩及ばないという結果に。これについて同社の研究者は「o3-miniは答える前に考えることができる。GPT-4.5は答える前に考えることができなくても、このような高いスコアを獲得できるのは非常に印象的」と話した。そんな中でもコーディング性能を測るベンチマーク2種のうちの片方(SWE-Lancer Diamond)では、o3-miniの10.8%を超える32.6%の性能を見せている。
また、OpenAIは今回のGPT-4.5を「研究プレビュー」と位置付けている。OpenAIもこのモデルを実験している段階であり「教師なし学習で出現する能力をユーザーと一緒に探索したい」とした。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2502/28/news150.html