<対象とする危機の範囲> 札幌市危機管理基本指針より @ 自然災害起因(天災):地震、暴風雨、洪水や土砂災害、大雪による雪害等 放射性同位元素等の漏洩事故や航空機事故、 大規模な道路上の事故等の災害 A 事件・事故等(人災):危険物等の漏洩、爆発等の事故や感染症の発生 B 武力攻撃等
1.公共施設などの防災機能の向上 2.災害時のレジリエンス(防災力・復元力) 3.BCPや災害対策マニュアル等の策定・改訂 4.防災・災害対策・事業継続・危機管理の分野における指導 5.防災訓練の支援・訓練の新設や改訂 6.備蓄物資・備蓄リストの新設・改訂 7.災害時の経営陣をはじめとする法務的な対応 8.洪水時における地下施設・要配慮者利用施設への対策 9.心肺蘇生(CPR)の理解促進や基礎訓練の指導・助言 10.北海道胆振東部地震の被災者支援チャット 11.無料耐震診断(木造住宅)や耐震工事に係る費用補助 12.ブロック塀看板等の安全確認 13.建物等の損傷が著しい地域での危険度判定 14.災害時要援護者支援対策 15.避難場所運営マニュアル、ハザードマップ 16.石油類等危険物貯蔵施設等の応急活動 17.毒物・劇物取扱施設、放射線使用施設等の応急活動 18.札幌駅・大通駅周辺地区における滞在者等の安全確保 19.帰宅困難者対策の指導・オフィスでの一時避難における対策 20.武力攻撃事態の類型ごとの特徴と対策
<北海道の天候の概況> 北海道は太平洋、日本海、オホーツク海の特性の異なる三つの海に囲まれていることや、 大雪山系や日高山脈などの地形により、地域によって大きく異なる気候特性を持っています。 北極や大陸からの寒気の影響を強く受ける冬には、日本海側で曇りや雪の日が多く、 太平洋側では晴れの日が多くなります。 オホーツク海側はその中間的な特徴を持っています。 夏には本州と同様に太平洋高気圧に覆われる時期もありますが、太平洋側の 海岸部では霧の日が多いのも特徴です。
●春(3〜5月) 『雪深い景色から花咲く野原へ。一足飛びに変化する季節』 2008年5月1日の天気図には、西から東へ進む低気圧や高気圧が記されています。 春は、これらが交互に北海道付近を通過するため、天気は数日の周期で変わります。 春のはじめ頃は、積雪がまだ多い状態です。 低気圧の通過前には、 南からの暖かい空気が入って雨となり、一気に雪解けが進むことや、 通過時や通過後には、猛吹雪となって災害をもたらすこともあります。
季節が進むにつれ、移動性の高気圧に覆われやすくなって気温も上昇します。 北海道でもようやく桜やチューリップなどが咲き誇るようになりますが、 低気圧の通過前後には、フェーン現象で30℃以上になったかと思えば、 北からの寒気で一気に気温が下がって、季節はずれの雪となることもあります。 また、オホーツク海高気圧が現れると、冷たく湿った気流の影響で寒い日が10日以上続くこともあります。 このように春は、季節が移ろい行く中で景色や天候が大きく変化すると共に、 日々の気象の変化もまた大きな季節です。
●夏(6〜8月) 『梅雨のない さわやかな北海道の夏?』 2009年7月25日の天気図では、暖かい空気をもたらす太平洋高気圧が本州方面に張り出しており、 オホーツク海には冷たい空気をもたらすオホーツク海高気圧があります。 太平洋高気圧が、北海道まで強く張り出す年は高温傾向となり、 オホーツク海高気圧などが多く現れる年には、冷夏となることが多くなります。 太平洋側では、太平洋高気圧からの暖かく湿った空気が、冷たい海水(親潮) に冷やされて発生した海霧に覆われる日が多いことも、夏の特徴です。
また、天気図には二つの高気圧の境界を示す停滞前線が横たわっています。 この停滞前線が北海道にもかかって、集中豪雨が発生するなど、盛夏期の前に くもりや雨の日が多くなる年もあります。 しかしながら、一般的に北海道に梅雨がないと言われているのは、 このような天候が毎年決まった時期に一定の期間、現れるわけではないためです。
<近年の天候> 本州が梅雨に相当する時期の、近年の大よその天候です。 仙台や東京では、梅雨の期間にくもりや雨の日が際立って多くなっていることが分かります。 一方、札幌では7月頃にやや曇りや雨の日が増えますが期間は短く、 また、雨の降りやすい時期が毎年必ず現れていないことも分かります。 北海道では、盛夏期の前に曇・雨天が多くなる年はあるのですが、 明瞭ではない上に、毎年決まった頃に決まった期間現れないために「梅雨はない」と言われているのです。
●秋(9〜11月) 『気温の変化が最も大きく、突風災害の多い季節』 北海道の秋は、春と同様に西から東へ進む低気圧や高気圧が交互に通過する季節です。 日本海側やオホーツク海側では、春に次いで晴れる日が多い季節ですが、 9月は台風や秋雨前線の影響などで、降水量が最も多い月です。 また、2006年11月7日には佐呂間町で竜巻による大きな被害が発生するなど、 秋は台風や突風などによる災害の多い季節でもあります。
秋から冬に向かって気温は急速に下がり、季節のはじまりと終わりの気温差は 四季の中で最も大きくなります。 季節が進むにつれ、初冠雪、初雪、初霜などの知らせが届きます。 一般的に平年より気温が高い年は、これらの現象は遅れがちになりますが、 低気圧や台風の通過後に一時的な強い寒気が入って、平年より早まることもあります。
●冬(12〜2月) 『雪と氷の世界も、太平洋側は晴れ日数が最も多い季節』 2011年1月21日の天気図には、大陸に勢力の強いシベリア高気圧が、カムチャツカ半島付近には 発達したアリューシャン低気圧があって、北海道付近の等圧線は縦縞模様となっています。 これが冬の特徴的な天気図で『西高東低の冬型の気圧配置』と呼ぶこともあります。 冬型の気圧配置は、日本海側に大量の雪をもたらします。 また、比較的長く続くことから、冬の北海道は、日本海側では雪の降る日が多く、 山岳の風下側となるオホーツク海側や太平洋側では晴れる日が多くなります。
ところが、北海道で一日に最も多く雪が降った記録は、帯広の102センチ(1970年3月16日)です。 このときは、北海道付近を低気圧が通過していました。 北海道付近を低気圧が発達しながら通過する時には、広い範囲で暴風雪や大雪となり 大きな被害が発生することがあります。 これらのほか、冬型の気圧配置が緩み始めた時に日本海側で小さな低気圧が発生し、 局地的に暴風雪や大雪となることがあります。 また、北海道の冬の天候には、オホーツク海を覆う流氷による影響が現れるのも特徴です。
道央圏(石狩・後志・空知)の冬型積雪の特徴 北北西の風で雪が多くなる地域 石狩中部・南部、後志北部、羊蹄山麓 北西の風で雪が多くなる地域 石狩地方、北空知・南空知、後志北部、羊蹄山麓 西北西の風で雪が多くなる地域 北空知・南空知、石狩北部、羊蹄山麓 西風で雪が多くなる地域 空知地方、石狩北部、羊蹄山麓
また、平成31年(2019年)2月21日21時22分頃に、 胆振地方中東部でM5.8の地震が発生しました。 北海道厚真町(あつまちょう)で震度6弱、 北海道安平町(あびらちょう)、むかわ町(むかわちょう)で震度5強を 観測したほか、北海道から東北地方にかけて震度5弱〜1を観測しました。
検証委員会の中間報告で明らかになった、ブラックアウトの原因とは 北海道で最大震度7の地震が起こったのは、2018年9月6日3時7分。 この地震にともない、北海道エリアにおいて、3時25分、日本で初めてとなる エリア全域におよぶ大規模停電(ブラックアウト)が発生してしまいました。 “ブラックアウト”とは、大手電力会社の管轄する地域のすべてで停電が起こる現象 (全域停電)のことを意味します。大きな自然災害にともなって大規模停電が発生すること はこれまでにもありましたが、今回の北海道のケースでは、北海道全域で停電が起こりました。 なお、海外においては、ある地域全域での停電ではないものの、非常に規模の大きな停電についても、 ブラックアウトと呼ばれることがあります。
「停電」のメカニズム そもそも、何が停電を引き起こすのでしょうか。これには「電気の性質」が関係します。 北海道のブラックアウトの背景を知るには、まず、この電気の性質を知る必要があります。 電気は、電気をつくる量(供給)と電気の消費量(需要)が常に一致していないと、 電気の品質(周波数)が乱れてしまいます。 供給が需要を上回る場合は周波数が上がり、その逆の場合は周波数が下がります。 これがぶれてしまうと、電気の供給を正常におこなうことができなくなり、 安全装置の発動によって発電所が停止してしまい、場合によっては大停電におちいってしまいます。 ここでポイントとなるのは、需要と供給は『常に』一致していなくてはならないという点です。 北海道でも、通常は、50Hz(ヘルツ)という周波数の水準が維持されていました。 しかし大地震の後、需要に対する供給がバランスを崩し、電気が足りなくなって周波数が下がったことから、 大停電が実際に起きてしまったのです。
今回の地震発生直後からブラックアウトにいたるまでに何が起きたのか? 地震発生直後からブラックアウトにいたるまでの17分間には、何があったのでしょうか。 検証委員会で、そのメカニズムが解明されました。 検証委員会で明らかになったのは、さまざまな原因が複雑にからみあって、ブラックアウトが発生したということです。 地震発生の直後、当時北海道で動いていた、もっとも大きな発電所である「苫東厚真火力発電所」 が停止したことは、大きなニュースになりました。 では、苫東厚真火力発電所が停止したから、ブラックアウトになったのかというと、 それだけではありません。 実は、この17分の間に、水力発電所や、風力発電所も大量に停止してしまっているのです。 大まかに言うと、以下のような順番で発電所が停止してしまいました。
@ 苫東厚真火力発電所(2号機・4号機)の停止(116万kW) A 風力発電所の停止(17万kW) B 水力発電所の停止(43万kW) C 苫東厚真火力発電所(1号機)の停止(30万kW) D ブラックアウトの発生 このように、供給力がだんだん失われていき、最後にはブラックアウトが起きてしまったのです。 苫東厚真火力発電所が止まってしまったのは、地震の震源地と近かったために、 機器の一部が壊れたことが原因でした。 一方、水力発電所は、その発電所とつながる複数の送電線がすべて切れてしまったことが、 電気を供給できなくなる原因となりました。 さらに風力発電は、前述した周波数が低下してしまったために停止してしまいました。 このように、それぞれの発電所は、それぞれ異なる理由で停止してしまっていたのです。 そこで、検証委員会から提言された再発防止策には、こうしたさまざまな発電所に対する 対策が盛り込まれました。
ブラックアウトからの復旧はうまくいったのか? 今回の検証委員会でもうひとつの論点となったのは、ブラックアウトが発生してから 復旧するまでの対応が適切だったかということです。 委員会による検証の結果、北海道電力は事前に定めていた手順にしたがって 復旧作業をおこなっており、手順については、「おおむね妥当な対応がおこなわれた」 という評価が示されました。 実際、地震発生後には最大約295万戸が停電していましたが、 発生後から約2日でそのうちの約99%が停電から復旧しており、 今年、ほかの自然災害事例で発生した停電が解消するまでにかかった時間と比較すると、 かなりの早さで復旧作業が進んだことがわかります。
復旧から需給安定化まで このように、北海道電力の努力もあり、供給力は早い段階で回復しましたが、 それでもなお9月8日(土)の時点では、地震前日の電力の最大需要(383万kW)と比較すると、 約1割の供給が不足している状態となっていました。 平日は工場などが稼働するため休日よりも大きな需要が発生することが見込まれ、 このまま平日を迎えると需要と供給のバランスがふたたび崩れ、大規模な停電にいたる危険性がありました。
巨大地震などの自然災害によって電気・ガス・水道といったライフラインが損壊した際、 もっとも復旧が速いのは電力とされる。 それでも、過去の大規模災害を振り返ると、人命救助の緊急対応で重要視される 「72時間の壁」を越えて電力供給がストップする事態は十分に想定される。 ・東日本大震災(平成23年3月11日)〜ほぼ1週間 ・熊本地震(平成28年4月14日)〜5日 ・北海道胆振(いぶり)東部地震(平成30年9月6日)〜2日 上記はそれぞれの巨大地震で停電が発生した後、通電再開までに要した日数だ(カッコ内は地震発生日)。 このうち北海道胆振東部地震のケースは発送電システム停止よる北海道全域での一斉停電、 いわゆる“ブラックアウト”の発生から通電が再開するまでの日数。 震源地に近い、厚真町、鵡川(むかわ)町、安平町の3自治体では、電柱倒壊などの 甚大な被害発生により、停電の完全解消まで約1ヵ月近くを要した。
「72時間」に未対応の市町村が半数以上 巨大災害発生時における自立型電源の役割、意味は重い。 たとえば、救助・復旧など、地域の被災現場の“総指揮”をとり、国や関係機関などとの 連絡・調整などにあたる災害対策本部が設置される自治体庁舎がブラックアウトに 陥った場合、業務継続性が危ぶまれ、相当な混乱が起きかねないことは容易に想像できる。 そのため国は災害対策基本法に基づく防災基本計画のなかで、防災中枢機能を 果たす自治体庁舎や指定避難場所、災害拠点病院などの施設などについて 「代替エネルギーシステムの活用を含め自家発電設備等の整備を図り、 十分な期間の発電が可能となる」ような準備を各自治体に呼びかけている。
「十分な期間の発電」について、内閣府(防災担当)の「大規模災害発生時における 地方公共団体の業務継続手引き」(平成28年2月)はふたつの具体的な時間・期間を提示している。 ひとつは、外部からの供給なしで非常用電源を稼働させる時間として 「人命救助の観点から重要な『72時間』」。 もうひとつは、災害対応に支障がでないよう「停電の長期化に備え、『1週間程度』」といった期間だ。 しかし現状は、総務省消防庁の調査によると、非常用電源設置済みの自治体1,597団体のうち、 半数以上の970団体で稼働可能時間が72時間未満にとどまっている(平成30年6月1日現在の状況)。
「避難所のスマホ充電」に高い住民ニーズ 避難所においては、スマートフォン(以下、スマホ)や携帯電話の充電に対する 住民ニーズが高まっているのも近年の特徴だ。 国が一般市民を対象に避難所環境ニーズをアンケート調査したところ、 飲料水、食料、トイレといった生命維持や衛生環境にかかわる項目に次いで、 冷暖房やスマホなどの充電といった非常用電源にかかわる項目についての関心が上位に入っている その背景には、家族や知人、職場などとスマホなどで安否確認などの緊急連絡を取り合うほか、 災害・復旧などの状況も従来のテレビ・ラジオ・防災無線ではなく、 スマホでインターネットから情報収集する人が多くなっていることがありそうだ。 突然の災害という逼迫した事態だからこそ、スマホなどは個人の“情報インフラ”として 不可欠なものなっているのだ。 それだけに、停電が長引いても避難所においてスマホなどの充電ができるかどうかは、 住民の安全・安心を守るうえで重要な意味がありそうだ。 「平時も使える」が鍵 意外な場所でも災害に備えた非常用電源の設置ニーズが高い。「道の駅」だ。 東日本大震災では、ホテルなどの宿泊施設を出て観光地などにいた県外の被災者や 近隣に避難所がないなど孤立した被災者が「道の駅」に緊急避難するケースが 多かったとされる。救助や復旧のための緊急車両基地として「道の駅」の駐車場など が活用されたケースも多くあった。 そのため、東日本大震災以降、防災拠点としての「道の駅」の機能や設備の整備が 進められているところだ。
では「道の駅」における非常用電源の設置状況などはどうか。 全体像をイメージするデータとして、平成28年8月に総務省東北管区行政評価局が 総務省青森行政評価事務所及び同山形事務所と共同で、宮城、青森、山形の 3県内にある「道の駅」全57駅と、岩手、秋田、福島県内で災害時に防災機能を 発揮した13駅の合計70駅による防災機能向上の取組状況についての調査がある。 この調査によると、非常用電源の設置状況は、宮城など3県内57駅のうち、 45.6%(26駅)と半数に届いていないという結果だった。 一方で非常用電源の設置について「必要だ」との声が90%を超えた。
さまざまな防災拠点における非常用電源の設置状況に課題が残されている原因のひとつに、 燃料の保存と自家発電機のメンテナンスの負担の問題があるとされる。 自家発電機の燃料は軽油や重油がメインだが、劣化の問題があり、 定期的に入れ替える必要があるほか、発電機は年1回の点検が義務づけられている。 こうした負担を軽減するため、たとえば平時においては電力のピークカット電源として、 あるいは電気自動車(EV)の電力供給ステーションとして稼働しつつ、 非常時には自立型電源として機能するシステムも民間で開発されており、 工場やオフィスビル、商業施設などで普及が進んでいる。
発災直後に起きうる状況 発災直後は、次のような状況が高確率で現実化します。 @ 停電(電気が止まる) A 断水(水道が止まる) B 都市ガスの供給停止 C 物流が止まりお店から商品がなくなる D ガソリンや灯油などの燃料が入手困難に E 住居などの建物の破損や倒壊 F 交通網の麻痺 G 震災の場合は地盤の液状化で泥(泥水)が路上に出てくる
@ 停電(電気が止まる) 震災直後は停電が発生し、場合によっては復旧まで数日を要し、復旧しても節電を 余儀なくされる状況がしばらく続くことになります。 特にオール電化住宅などでは電気が復旧するまでの間、IH方式の調理器具なども使えなくなります。 A 断水(水道が止まる) 上水道の送水設備の停止や敷設された水道管の破損などにより、水道が使えなくなります。 キッチンやバスルームなどで水が出なくなり、水洗トイレや洗濯機も使用不可能となります。
B 都市ガスの供給停止 都市ガスを利用している家庭や事業所・店舗などではガスを使った調理器具や 給湯機器・暖房設備などが使えなくなります。 大きな災害時は、まずガスの元栓を忘れずに閉めましょう。 C 物流が止まりお店から商品がなくなる 過去の震災事例でも100%発生している状況です。 地震の発生直後から人々が店舗に殺到し、飲料水や食料・各種消耗品などが 短時間で売り切れになります。買い占めなども起きます。 そして、その後は数日〜1週間程度は商品の補充も困難となります。
D ガソリンや灯油などの燃料が入手困難に ガソリンスタンドへのガソリンの定期供給が一時的に途絶えるため、スタンドへ の沿道ではガソリンを求める車で行列ができます。 石油ストーブの燃料となる灯油もガソリンスタンドで供給されることが多いですが、 こちらも在庫限りの状況となります。 E 住居などの建物の破損や倒壊 各地で建物の破損・全半壊・倒壊などの状況が発生します。 特に、住宅の裏が崖や山である場所などでは、地震の影響で崩れた土砂によって住宅が 飲み込まれるケースが発生します。 2019年の台風15号では暴風により千葉県内の送電線の大型の鉄塔が2基、倒壊する事態となりました。
F 交通網の麻痺 道路の陥没や地割れ、崖崩れなどによって通行不能となる道路がいくつも生じます。 停電により信号機なども停止します。 鉄道路線も、線路の歪みや曲がり・軌道上の敷石の流失や設備破損により場合に よっては長期間の運行停止となります。 空の便も空港設備や滑走路の破損などによって運行停止となります。 G 震災の場合は地盤の液状化で泥(泥水)が路上に出てくる 震災と呼べる規模の地震が起きた際は、沿岸部の埋立地や河川沿いの低地・地下水の 豊富な地質の周辺では地盤の液状化が発生し、土や砂を多く含む泥水が地表に噴出します。 噴出が収まった後には水分を多く含む泥が堆積し、復旧作業や通行の障害となることが多くあります。
個人や家庭レベルで可能な備えは必ず実施 上記のような状況になったとしても、個人や家庭で事前にやれる対策はいくつもあり、 また個人レベルでは対応不可能はものも当然あります。 順不同となりますが、次の順番に解説します。 A. そもそも個人では対応不可能なもの:F〜G B. 条件付きである程度の備えが可能なもの:D〜E C. 個人や家庭で備えが可能なもの:@〜C
A. そもそも個人では対応不可能なもの F 交通網の麻痺 G 地盤の液状化で泥(泥水)が路上に出てくる これらは、もはや個人レベルでできることはありません。 国や自治体などの対応を待つしかありません。
B. 条件付きである程度の備えが可能なもの D ガソリンや灯油などの燃料が入手困難に E 住居などの建物の破損や倒壊 ●ガソリンは基本、個人で備蓄はしない 燃料類の中でも特にガソリンは引火性と揮発性が高いため、個人での保管・運用は困難です。 ガソリン携行缶などが販売されていますが、扱いになれていない一般個人が使うには 火災に繋がる恐れがあり極めて危険です。 ガソリンの入手は必ずガソリンスタンドで。入手できない場合は車の利用はいったん 中止して、ガソリンが入手できるまで待機しつつ無理のない範囲での徒歩や自転車など の別の手段を使うようにしましょう。
C. 個人や家庭で備えが可能なもの 以降は個人や家庭レベルで対応が十分可能であり、いかに備えておくかで 発災直後の生活の質が大きく変わる部分です。 @ 停電(電気が止まる) 停電対策については、個人でも対応できる選択肢がいろいろあります。 ・日頃から備蓄用の電池を購入しておく(充電式が望ましい) ・スマホ用にモバイルバッテリーを用意し、日常使いして使い慣れておく ・ある程度の家電を動かす想定で、ポータブル電源を用意しておく 充電式の電池は日常生活においても何かと便利です。単1〜単4などいくつか サイズがありますが、サイズが大きいほど容量も大きくなります。 単3形式がもっとも多く見られますが、これを2〜4本束ねて単1サイズにして 使えるスペーサーも用意しておくと便利です。
モバイルバッテリーに関しては、すでに活用中の方も多いと思います。 低容量のものであれば百円ショップでも入手可能ですが、スマホを2回程度は 満充電できるように、10000mAh以上でコンパクトなものを用意しておきましょう。 ポータブル電源があれば、停電時でもある程度の家電を動かすことができます。 夏ならサーキュレーターを2日、冬なら電気毛布を2晩。 ただし家電なら何でも動かせるわけではなく、消費電力の大きなものは使えません。 消費電力が十数Wh〜数十Wh程度のものが目安です。 ただ電力は比較的早期に復旧することも多いので、そのあたりも考慮して 必要なものを無理の無い範囲で選定しましょう。
A 断水(水道が止まる) 断水時に備えて事前にできることは、お風呂の残り湯はなるべく常に張っておくことと、 ミネラルウォーターの備蓄をおこなうことです。 飲料水に関しては、およその目安として家族4人構成であれば1日に10L必要となります。 1週間で70〜100Lが目安です。意外と大量ですが、現実的に備えるにはこの量が必要です。 消費期限が切れても生活用水として使えるため、ローテーション消費をしながら備えておきましょう。
また、アウトドア用の携帯用の浄水器があれば、イザというときは河川の水などを 濾過して利用することができます。 何より不自由するのが水洗トイレを使えなくなることです。簡易トイレを必ず用意しておきましょう。 お風呂の残り湯を使って流したいところですが、マンションやアパートなどの集合住宅では、 地震によって排水管が破損した状態で汚水を流すと、それが階下のお宅に溢れて二次被害に つながる恐れがあります。
まずは排水管の無事が確認できるまでは排泄物はすべて簡易トイレで処理をして、 自宅の敷地内やベランダなどに大きめのポリ容器などをおいて保管します。 ゴミの回収が復活したら、燃やすゴミとして出します。 簡易トイレの使用時の最大の障害は、編集部スタッフの体験にもとづけば 「簡易トイレで用を足すという状況に対する精神的なハードル」です。 これは何も無い平時に一度、練習しておきましょう。 (そのうち練習する、ではなく、早めにやっておきましょう!)
B 都市ガスの供給停止 都市ガスの供給停止に備えて事前にできることは、カセットコンロの準備とカセットガスボンベの備蓄です。 カセットガスボンベの備蓄量の目安は、気温によって違ってきます。 カセットガス製品の大手メーカーである岩谷産業さんの資料によれば、 食事・温かい飲み物・殺菌洗浄用のお湯をそれぞれ1日3回沸かすための必要なカセットガスボンベの量は、 (1) 気温10℃で大人2人の場合、1週間で9.1本 (2) 気温25℃で大人2人の場合、1週間で6.3本 とのことです。1.5倍程度の余裕を見込んで、大人2人であれば1週間あたり9〜15本を目安に備えておくといいでしょう。
また、カセットガスボンベの消費期限は約7年。 日常の鍋料理などの際に、ローテーション消費していくのがオススメです。 また、ちょっとした湯沸かしや調理時に便利なのが百円ショップでも売っている「固形燃料」です。 固形燃料が1つあれば、お米1合を美味しく炊き上げることができます。 1日1〜2回、一度に2合のお米を固形燃料で炊く場合は1日4個。 1週間で28個あれば不自由しません。
C 物流が止まりお店から商品がなくなる これは必ず起きます。100%起きます これまでの震災後の報道映像でも、スーパーやコンビニ、ドラッグストアの店頭で 行列を作っている人々を見たと思います。 しかも震災後はいつもより多くの人々がお店に殺到し、必要以上の量を購入したり買い占めも起きます。 備蓄品は、何も無い平時に必ず用意してください。震災発生後はむしろ、 お店に買いに行かないで済む状態にしておきましょう。 また備蓄品の保管場所は、できる限り家の中の高い場所(戸建てなら最上階)で、 ドアや窓の近くにします。 万が一自宅が倒壊した場合でも外部から取り出せる可能性の高い場所に、 なるべく丈夫なケースなどに収納しておきます。
最低限、これだけは用意しておくべき備蓄品 今回厳選したものは次の11カテゴリーです。それぞれを詳しくご紹介します。 @ LEDヘッドライトやランタン A 飲料水と水汲み容器 B 簡易トイレ・トイレットペーパー・防臭袋 C ウェットティッシュ・除菌用アルコール・ゴミ袋 D 食料:保存食と備蓄可能な野菜類 E ポータブルラジオ F カセットコンロ・カセットガスボンベ G モバイルバッテリー・ポータブル電源 H 軍手や使い捨てのビニール手袋 I 毛布類やその代わりになるもの J 新生児や要介護者がいる場合は紙オムツ、女性の場合は衛生用品 K 救急セットと常備薬
@ LEDヘッドライトやランタン 震災当日の夜は街全体が停電し、月明かりでも無い限りは真っ暗になります。 暗闇での行動は危険ですし、不安も増えます。 移動時や何らかの捜索・作業時には手で持つ懐中電灯タイプよりも頭にかぶるタイプの 「ヘッドライト」を。両手が使えるので作業効率や安全性が確保できます。 スマホにもライト機能はありますが、使えば当然スマホのバッテリーを消費しますし、 手持ちだと万が一、何かにつまづいて転んだ際に怪我をしたりスマホを壊したりする恐れが。 灯りは専用のものを用意しましょう。
A 飲料水と水汲み容器 前述しましたが、飲料水はなるべく十分に備蓄しておきましょう。 ミネラルウォーターの箱買いが便利です。 また、5Lや10Lサイズの水用ポリタンクやウォーターバッグなどの容器を用意しておくと、 給水車が来た時にまとまった量の水を運べます。
B 簡易トイレ・トイレットペーパー・防臭袋 食料よりもむしろ、こちらのほうが優先度が高いと言っても過言ではありません。 特にトイレットペーパーは震災直後に買い占めが起きてしまいます。 簡易トイレは購入して安心するのではなく、平時に必ず練習を。>>72 「防臭袋」があれば汚物のニオイを漏らさずに済むため、余分に用意しておくと便利です。 備蓄食品としてサバ缶などの魚介類の缶詰めを食べた後の空き缶は、 放置しておくと腐敗し悪臭の元になりますが、防臭袋に入れてしまえばそれも解決できます。 C ウェットティッシュ・除菌用アルコール・ゴミ袋 断水時はシャワーを浴びることができないどころか、手を洗うことすら難しくなります。 そうした場合にウェットティッシュと除菌用アルコールがあれば、身体の汚れ落としや食器など の対応を含め、衛生状態の維持にかなり役立ちます。多めに備えておいて損はありません。 もちろん、ゴミ袋も忘れてはいけません。汚れものやゴミを入れるだけでなく、 物資を運んだり保存したり、靴が破れたり無くしたときに足先に巻き付けて 簡易的なスリッパ代わりにしたり。「開き」にして衣服の下に入れれば多少の防寒用にもなります。
D 食料:保存食と備蓄可能な野菜類 まずは長期保存可で非加熱で食べられるものを。総合栄養食などがいいでしょう。 ガスなどが使えれば調理ができるので別途、無洗米や乾麺タイプのパスタ(マカロニ) などを用意しておけば主食も温かなものを用意できます。 しかしそれだけでは不十分。被災生活では食事がオニギリやパンなどの炭水化物に 偏りがちになるので、缶詰めの肉・魚・フルーツ、乾燥野菜、瓶詰めのピクルスや ザワークラウトなどを用意しておけば、そのぶん栄養バランスを維持できます。 餓死を防ぐのではなく、いつもの食生活に近いバランスの取れた食事を被災時に いかに実現するかは重要な視点です。
E ポータブルラジオ 停電時の情報収集に役立つのがラジオ。乾電池でも動くポータブルなものがいいでしょう。 スマホのラジオアプリもありますが、やはりスマホのバッテリーはできる限り温存したい のでラジオは専用のものをオススメします。 AMラジオよりはFM、特に「ワイドFM」対応のものを。AMラジオは鉄筋の建物の中などでは 電波の入りが悪くなることがあります。 その点、ワイドFM(FM補完放送)対応のラジオであれば、AM放送が受信できる場所で あれば災害や電波障害に強いFMの周波数を使い、AMラジオの番組を受信することができます。
F カセットコンロ・カセットガスボンベ これが使えると、被災生活の質がかなり違います。温かいものが食べられる・飲める状況は、 生活に安堵感をもたらしてくれるものです。 使える水に余裕がある場合は、お湯を沸かしてタオルなどを湿らして身体を拭くこともできます。 カセットコンロは日常においても鍋物などで普段づかいできる便利グッズですから、 すでにお持ちの方も多いはず。カセットガスボンベの備蓄だけすれば良い状況であれば、 ぜひボンベの用意を。 カセットガスボンベの備蓄量の目安は、大人2人であれば1週間あたり9〜15本程度です。
G モバイルバッテリー・ポータブル電源 大きな地震のたびに所望する人が多く、店頭から無くなるのも早いのがバッテリー類です。 スマホを1回程度充電できる容量のものであれば百円ショップでも販売されていますが、 やはり2〜3回は充電可能な容量のものがいいでしょう。複数個を持っていれば、それだけ安心感も増えます。 例えば「iPhone X」であれば、バッテリー容量は「2,716mAh」。 用意しておくモバイルバッテリーは最低限、10,000mAh程度のものがオススメです。 (なお、スマホは常時持っている前提です)
H 軍手や使い捨てのビニール手袋 自宅や生活拠点で地震によって破損したモノやガレキを片付けたり、 調理した鍋を運んだりするときにあると便利なのが軍手。 また被災生活での調理時にには手を自由に洗えない場面の多いため、 使い捨てのビニール手袋があると様々な場面でメリットがあります。
I 毛布類やその代わりになるもの 季節にもよりますが、夏場でも夜中〜明け方は気温が下がります。 家族が多いと多少かさばりますが、やはり1人1枚あると安心です。 緊急時の体温維持に使えるアルミ蒸着シート(サバイバル・シート)は、 被災生活における就寝用途には向いていません。 汗をかいてもシートの内側にとどまって蒸発していかないため、 気温推移によっては身体を冷やして風邪をひく可能性もあります。
J 新生児や要介護者がいる場合は紙オムツ、女性の場合は衛生用品 こちらも震災直後はトイレットペーパーと並んで、大量買いや買い占めなど ですぐに店頭から姿を消すものです。 普段から備蓄用を含めて用意しておき、常にストックがある状態でローテーション消費 する生活パターンにしておけば、いざというときでも慌てずに済みます。
K 救急セットと常備薬 不意の怪我や持病がある場合などにも備えは必要です。停電時の夕刻以降は視界も悪く、 転倒などによって負傷する場合もあります。 持病がある場合、すぐに病院や薬局に行くことができない状況になることも想定できますので、 日常的に服用している薬がある場合は多少余裕を持って備えておくと安心できます。 花粉症などのアレルギーをお持ちのかたや胃腸が弱い場合などで服用薬がドラッグストアなど で入手できる場合は、備蓄品に追加しておきましょう。
台風余波…停電生活3日目 ガソリンや食品に行列 ダウンロード&関連動画>> VIDEO &feature=emb_title 千葉県内の道路の例 ガソリンスタンドの給油を待つ車の列です。 台風15号の影響で停電してから3日。 千葉県では40万戸以上が停電したままでライフラインが寸断された状態が続いています。 (記者)「君津市にあるコンビニエンスストアです。停電で営業できない状態です」。 千葉県内の休業はローソンが94店舗、ファミリーマートが72店舗、セブンーイレブンは10店舗以上に及んでいます。 一方、君津市の隣にある木更津市のスーパー。 きのうの夜、ようやく停電から復旧しました。 レジ前には開店を待ち望んだ客の長い行列ができていました。 (客1人目)「君津市はまだ停電していて、ここは店が開いているということで飛んできた」。 (客2人目)「カップラーメンとおいなりさんを買った。お水も大きいのが欲しかったが小さいのしかなかった。 ありがたい。閉まっているお店もあるので」。 電力は復旧したものの、店内にはカラの棚が目立ちます。 (アオイストアー畑沢店の担当者)「こちらは冷凍食品のコーナーだがすべてカラの状態。 こちらはアイス。暑いので充実させていた。在庫で抱えていたものはすべて溶けているので、廃棄です」。 乳製品など食料品の多くを廃棄処分にせざるを得ませんでした。 来店する客はいても、今は、要望に応えられない状態だといいます。 (アオイストアー畑沢店の担当者)「客からは氷がほしいと。家庭でクーラーボックスで 冷やすのかと思うが、その氷も手に入らない」強いられる不自由な生活。 東京電力によると停電の復旧のメドはまだ立っていないということです。
もしも真冬に停電が起きたらどうなる? もしも真冬に1週間も電気が使えない状態となったら、北海道では死活問題ですよね。 北海道は広いため住む地域によって気温に違いはあるものの、 最も人口の多い札幌市を見てみると、2015年は11月から4月まで最低気温はマイナスでした。 2月に至ってはマイナスが2桁台です。 人間は条件がそろえば外気温が0℃〜11℃程度の屋内でも命を落とすことがあります。 札幌の場合、1月〜2月は最高気温が10℃に満たないため、暖房器具が正常に働かなければ 自宅にいたとしても凍死のリスクがあるのです。 日本では、凍死する人の数が熱中症で亡くなる人の数を上回っています。
ブラックアウトが真冬の北海道で発生した場合、 たくさんの人が命を落とすことは想像に難くありません。 北海道で使用する暖房器具はガスや石油式で、燃料を電気に依存していないものも多いです。 しかし、燃料が電気でなくても、電気がないとスイッチが入らないタイプもたくさんあります。 まずは今一度使用しているストーブを確認し、一部分でも電気を使用しなければ動かない タイプであれば、別途防寒アイテムの購入を検討しましょう。
電気を使わない防寒グッズには何がある? 電気を使用しない防寒グッズには、毛布があります。 毛布は複数枚重ねて使用すると空気の層ができて、さらに保温性が上がります。 羽毛布団と併用するときは毛布を外側にし、綿布団との併用では毛布を内側にすると効果的です。 また、カイロも電気を必要としない防寒グッズです。 しかし、便利ではあるものの使い捨てタイプのものがほとんどであり、 また温められる範囲が狭いので効率的に使う必要があります。 手っ取り早く体を温めるには、首の後ろと肩、背中の上部周辺にカイロを貼りましょう。 首には太い血管が、背中には僧帽筋という大きな筋肉があるので、 ここを集中的に温めることで体全体が温まりやすいからです。 さらに、足も冷えると体全体が寒気に襲われるため、靴下を重ね履きしても冷えている場合は カイロを使用すると良いでしょう。足に特化したタイプのものも売られています。
腹部もまた温めておきたい部分です。 体が冷えると腹痛を伴う下痢などの症状が出ることもあり、下痢になると体の水分が失われ衰弱していきます。 もしもお湯が沸かせる状況であれば、カイロではなくまずゆたんぽの利用が良いでしょう。 ゆたんぽは、お湯を交換すれば何度でも使用できます。 災害に備えるのであれば、容量の大きなものを選ぶことが重要です。 お湯を入れたてのころが温かさのピークであり、それ以上に温度が上がることはありません。 できるだけ使用時間を延ばすためには、冷えた場所に放置しないことが鉄則です。 一時的に使わないときには布団の中に入れるなど、ゆたんぽ自体が冷たくならないように工夫しましょう。
オール電化で冬の北海道に停電になった時の備えについて。〜マンション編〜 マンションの特性としては、 ・24時間換気 ・暖房設備が弱い ・エレベーターが必須(特に高層階) ・水道を電気で組み上げている ・タワーパーキングの場合は車が使用不可になる ということが挙げられます。
特性1.24時間換気 意外と曲者なのがこの24時間換気システム。 通常通りに動いていれば何の問題もありませんが、ひとたび停止してしまうと、 結露の原因になってしまいます。気密性が高いのは良いのですが、 水分の逃げ場がないので、蓄熱暖房以外では結露しまくってしまいます。 それを避けるには窓を開けての換気しかありませんが、夏ならともかく 冬の厳冬期であれば全く話になりません。
特性2.暖房設備が弱い 基本的には蓄熱式の暖房設備が標準装備だと思いますが、 これはマンションならではの装備になっています。気密性が高いからゆえと 火事防止のための設備です。 そのために、火を使えない場合がほとんどなので、暖房設備が弱いというのが特性です。 間に居室があるために、戸建てよりも冷たい空気に晒されないのも大きな特徴ですが、 一旦冷えてしまったり、下の階の人がいなくなってしまうと寒いということにもなってしまいます。
特性3.エレベーターが必須 2階ならまだしも、それ以上となるとエレベーターを使いたいのが人情です(笑) トレーニングとして上り下りするというのも非常時には必要な考え方ですが、 食材や水を持って上り下りするのはもはや苦行です。 とはいっても食材はないと生きていけませんので備えをしっかりしておくことが 非常に重要なポイントになるということですね。
特性4.水道を電気で組み上げている そこそこのマンションで違いはありますが、基本的には電気で水道を引き上げて 使用しているケースが多いですね。 一部ではタンクに貯めてあるものから使っていくものもあるでしょうが、 それも長くは持ちません。 水不足になってしまったら本当に大変です。 飲み水の備蓄はあっても生活用水への備えは中々できないもの。 タンクはあっても困らないかもしれません。
特性5.タワーパーキングの場合は車が使用不可になる タワーパーキングは狭い土地を活用できて車を収納するには最適ですが、 電気が来ない場合は無用の長物となってしまいます。 現に僕のところでも車に行けばスマホなど充電したり、テレビで情報を取ったり もできたのですが、空中に浮いているものは手出しができません。 買い出しに行くにも非常に困りますね。 近場のコンビニはすぐに品切れになるし、少し遠いところへ行くにもやはり自家用車 がないと用事を足せません。
真冬に暖房が止まると、室温は1日で何℃低下する? 今年9月に発生した北海道の大地震による大停電のあと「もしこれが暖房の必要な 冬だったらどうなっていたんだろう?」と不安と危機感を覚え、 どんな備えができるのかぜひとも鈴木さんにお話を!と意気込んでいた私たち。 ところが鈴木さんいわく、「道内全域ではないにしろ、北海道ではこれまでに、 寒い時期の数日間の停電が何度も起きているんですよ。 例えば最近だと2012年に、暴風雪で鉄塔が倒れたり電柱が折れたりして、 登別や室蘭を中心に、最大3日間の停電が発生しました」。
更に続けて「冬場に暖房が使えなくなる可能性があるのは、停電時だけではないですよ」 2004年1月には北見市で、豪雪による交通マヒで灯油の配達が3日間できないという 事態になったこともあるといいます。 それを受けて同年、道総研は新木造住宅技術研究協議会(新住協)旭川支部との共同研究 (「道北の地域特性に配慮した循環型住宅の技術開発」)の中で、 一定の断熱・気密性能がある住宅で冬場に暖房が止まったとき、 室温がどのくらいの時間でどこまで下がるかの検証が行われました。
下のグラフがその結果です。 床面積128.76u、熱損失係数(Q値)が1.5〜1.0(W/u・K)程度の 木造2階建てのモデルハウスにおける実験のデータ(資料提供:道総研) 外気温が24時間0℃を下回っている日でも、室温は夜間に5℃ほど下がるだけで、 最低でも12℃以上を保っていることがグラフからわかります。 もし翌日晴れて、日中に窓から太陽の光を採り込めれば、室温はむしろ少し回復します。 「いつもどおりの室温、というわけにはいきませんが、普段よりも厚着をして暖かく していれば、暖房がなくてもしのげる程度の室温は維持できるはずです」と鈴木さんはいいます。 この実験からわかるのは、断熱・気密性能に優れ、日中の太陽の光を上手に活用できる 設計の住まいは、「真冬に暖房が使えない状況になっても、室内が凍えるほど寒くはならない」 ということ。 普段の暮らしの中での省エネ・省コストを意識してつくられた家は、 非常時にも心強い家ともいえるのです。
都市防災が専門の専修大学の佐藤慶一教授の試算によりますと住宅が全壊や半壊し 自宅に住めなくなる人は、1都3県でおよそ595万人に上るということです。 こうした人たちが次の住まいを確保できるのか、佐藤教授は、国や1都3県の被害想定、 賃貸住宅のデータなどのほか、インターネットで住民5000人以上に行った 被災後の住まいに関する意向調査をもとに、発災からおよそ1か月後を想定し シミュレーションしました。
それによりますと、自宅が全半壊したおよそ595万人のうち、全国各地の親戚や知人の住宅 に移ることができる人はおよそ140万人でした。 また、自力で賃貸住宅を見つけられる人はおよそ101万人、賃貸住宅を仮設住宅として 自治体が借り上げる「みなし仮設」や、プレハブの仮設住宅に入居できる人はおよそ91万人、 自宅を修理して再び住む人がおよそ74万人でした。 この結果、住まいが確保できるのは合わせておよそ407万人で、 残る188万人は次の住まいを見つけられない“住宅難民”になるおそれがあることが分かりました。 この要因について佐藤教授は、首都圏では、建設用地が限られるなど、提供できる 仮設住宅の数が足りなくなる一方で、東京出身者が多く、地方へ移り住む動きが鈍いことなどを挙げています。
住宅が見つからない場合には、避難所生活が長期化する、車の中などで生活する、 壊れた家に住み続けることを余儀なくされ、東日本大震災や熊本地震では、 体調を崩すなどして災害関連死につながった事例もあります。 佐藤教授は、「想定される住宅難民の数は、災害のリスクが高い場所に人が過密して 住んでいるということを具体的に表した数字だ。仮設住宅に入れないことを前提に 広域的な避難先をあらかじめ決めておくなど、事前の備えが必要だ」と話しています。
分析の手法は “住宅難民”の詳細 佐藤教授は、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3県を対象に、シミュレーションを行いました。 想定は発災からおよそ1か月後。 佐藤教授はライフラインが復旧して次の住まいを探し始める段階だとしています。 佐藤教授は、まず、首都直下地震の国や自治体の被害想定のほか、国勢調査をもとに、 全壊や半壊の被害を受けて住宅に住めなくなる人数、およそ595万人を算出しました。
そのうえで、プレハブの仮設住宅を建設する予定の土地の面積や、 賃貸住宅の空き部屋のデータから、被災後に入居できる仮設住宅の数などを試算しました。 さらに、1都3県に住む20歳以上の男女5800人に対して、インターネットによるアンケートを実施し、 自宅に住めなくなった場合に、次の住まいに求める立地や間取りの条件といった意向を聞きました。 シミュレーションはこれらのデータをもとに行われ、仮設住宅などに入れず次の住まいが 見つけられない“住宅難民”は、188万人にも上るおそれがあることが分かりました。
東京 大田区が最も多く14万人以上、足立区と江戸川区で11万人以上と、 木造住宅が密集し深刻な火災による被害が想定されている3つの区では10万人を超えました。 東京23区では、人口や木造住宅の少ない千代田区と中央区を除く21の区で、 1万人以上の“住宅難民”が発生する結果となりました。 佐藤教授は、「木造住宅が密集している地域で特に多い。23区やその近郊で次の住まいを 探すのはかなり難しく、多くの人が地方に疎開せざるをえない状況になると思われる」 と指摘していました。
東京 大田区が最も多く14万人以上、足立区と江戸川区で11万人以上と、 木造住宅が密集し深刻な火災による被害が想定されている3つの区では10万人を超えました。 東京23区では、人口や木造住宅の少ない千代田区と中央区を除く21の区で、 1万人以上の“住宅難民”が発生する結果となりました。 佐藤教授は、「木造住宅が密集している地域で特に多い。23区やその近郊で次の住まいを 探すのはかなり難しく、多くの人が地方に疎開せざるをえない状況になると思われる」 と指摘していました。
3つの課題 災害の後に住む場所が見つからない、“住宅難民”。 その先には「避難所生活の長期化」、「在宅被災者の増加」、「震災疎開が進まない」 課題があるといいます。 ▽避難所生活の長期化 佐藤教授がまず指摘するのは、「避難所生活が長期化」する課題です。 避難所では、不特定多数の人が集団生活を送るため感染症が広がりやすく、 衛生環境の悪化につながるほか、スペースが限られて寝返りを打つのも難しくなると 「エコノミークラス症候群」になるおそれがあります。 実際に東日本大震災や熊本地震など、過去の災害では亡くなってしまうケースも相次ぎました。
▽在宅被災者の増加 次は、壊れた住宅に住み続ける「在宅被災者」が増加する課題です。 仮設住宅などと違って、自治体による実態の把握が難しく必要な支援を受けにくくなります。 また、壊れた家に住み続けることでストレスも増え、被災者の体調悪化につながる こともあるということです。
▽震災疎開が進まない 続いて、次の住まいを求めて地方に疎開する「震災疎開」が進まないという課題です。 佐藤教授が行ったインターネット調査では、都内の住宅の世帯主のうちの7割以上が 東京出身だったということです。 地方に頼れる親戚や知人がいれば移り住みやすくなりますが、身寄りがない中で、 仕事環境も変えて知らない土地に行くことには抵抗がある人も多く、 大勢の“住宅難民”が首都圏に滞留するおそれがあるといいます。 佐藤教授は、「住宅難民になることを想定し、地方の人とコミュニケーションを図っていざ という時の関係性を構築するなど事前に疎開先を見つけておくことも必要だ」と話しています。
▽“住宅難民”事前の対策で減少 そもそも住宅が焼けたり、壊れたりしなければ、“住宅難民”の数は減ります。 佐藤教授は、「住宅の耐震化や感震ブレーカーの設置を事前に進めることで、 被害を大幅に減らすことができる。対策は必須だ」と話していました。 “住宅難民”にならないためには? 佐藤教授は、「自分がこうした状況に陥ることをイメージして、今から備えておくことが重要だ」 と指摘しています。 先月、佐藤教授は、東京・世田谷区の住民20人ほどを集め、首都直下地震で自宅に 住めなくなった場合に備え何をしておくべきか考えるワークショップを開きました。 佐藤教授のシミュレーションでは、首都直下地震が起きた場合、世田谷区では、 人口の3分の1にあたるおよそ27万人が自宅が全半壊して住めなくなり、 このうち9万3000人が住宅難民になるとされています。
これを聞いた参加者からは、「地方に親戚がいないとどこに行けばいいのか分からない」とか、 「突然知らない地域に移り住むことで、子どもが精神的に不安定にならないか心配だ」 といった声が上がっていました。 車いすでの生活を送っている女性は、「身の回りのことを手伝ってくれるヘルパーや地域の人 たちがいないと日常生活すら送れない。知り合いがいない土地に行くのは難しく不安しかない」 と話していました。 そのうえでワークショップでは今からできる備えを話し合いました。 参加者からは、「地方へ疎開することになっても抵抗なく行けるようにしておくことが大切だ」 とか「自治体が行っている地方との交流事業に参加するなど、今から疎開場所を決めて、 つながりを持っておくことが大事だと思う」といった意見が出ていました。
それでもあなたは帰りますか? 帰宅困難者「群衆雪崩」の危険 東日本大震災で社会問題になった帰宅困難者。実はこの帰宅困難者に命の危険が及ぶ ケースがあることがわかってきた。専門家は帰宅困難を「ただ家に帰るのが難しい問題」ではなく、 人が折り重なって倒れる「群衆雪崩」の危険があると警鐘を鳴らしている。 首都直下地震では、最大800万人にものぼると予測される帰宅困難者。 それでも、あなたは家に帰りますか?
道経済部によると、震災発生後の11年度以降、道外企業がリスク分散を理由に 道内に本社や工場などの拠点を新設したり、道内の拠点を増やした件数は年間16〜27件で推移。 18年度までの累計は178件に達した。 19年度も18年度までと同水準で、累計180件を超えるのは確実だ。
熱供給システムはターボ冷凍機や地熱を活用して冷水や温水を作り、 導管を通じて施設内に冷暖房や給湯用として供給する。同センターからは 近隣の札幌市役所本庁舎にもエネルギーを供給。現状、システムは昼夜2交代制で 1人が常駐して管理している。 20年4月からは監視機能を札幌駅南口のエネルギーセンターに移すことで無人化する計画だ。 創世スクエアは18年10月に開業した。エネルギーセンターは最大1400キロワットの出力をもつ。 18年9月6日に発生した全道停電の際は、非常電源が起動し避難所として開放された。