>>1 法人税が国際競争力に影響するかは、それが企業の製品価格に転嫁されるかどうかで決まる。
【法人税ナシの場合】
売上−仕入−人件費=利益=配当可能額。
【法人税アリの場合】
売上−仕入−人件費=利益であり、
利益−法人税=配当可能額。
ここで企業が法人税を負担するには3つの選択肢がある。
(1)売上と人件費はそのままで、利益を減らす。
(2)売上と利益はそのままで、人件費を減らす。
(3)人件費と利益はそのままで、売上を増やす。
(1)のとき、配当可能額が減るので、法人税は投資家が負担する。
しかし、企業は投資家への配当を維持したいと考えるかもしれない。そのための手段が(2)と(3)である。
(2)のとき、人件費が減るので、法人税は労働者の賃金低下によって負担される。
(3)のとき、売上を増やすため、企業は製品価格を上げるので、法人税は消費者によって負担される。
法人税が国際競争力に影響するというのは、企業が(3)の選択肢をとると仮定した場合に成立する。
つまり企業が法人税負担を消費者に転嫁した場合、製品価格が高くなることで、外国企業との価格競争が不利になるということだ。
ちなみに消費税は輸出品にはかからないし、仕入で支払った消費税は返ってくるので、国際競争力には影響しないと考えられる。(共産党などは、輸出企業への消費税還付は輸出補助金だ、などと言っているが……)