ソニー「プレステ」が月額850円の「PS Plus」で年3千億円も売上を上げていた
文=沼澤典史/清談社 2020.01.09
06年にサービスを開始したPSNは、19年3月時点の利用者数が9400万人にのぼる。
登録自体は無料だが、月額850円(19年8月から。それ以前は514円)でオンライン対戦やチャット機能が楽しめる有料サービスのPS Plusが3600万人の会員を獲得しており、単純計算で年間3672億円の売り上げが見込まれるほどだ。
PSNには、PS Plus以外にも、選んだタイトルが遊び放題になる「PlayStation Now」をはじめ、音楽、ビデオ、テレビ配信などのさまざまな継続課金サービスが用意されている。世界最大のゲームのサブスクサービスと言っても過言ではないだろう。
ソニーのサブスクが好調な理由
では、なぜソニーのサブスクサービスはこれほどの会員数を獲得できたのか。吉田氏は次のように指摘する。
「PS Plusに入らないとオンライン対戦が楽しめないことが、もっとも大きな要因でしょう。また、人気タイトルを追加料金なし、回数や時間の制限もなく遊べる『フリープレイ』サービスは、毎月タダでソフトがもらえるようなもの。
会員ならゲームのアイテムが割安で買えることなどもあり、ユーザーにとっては会員にならない理由がないのです」(吉田氏)
まさに、ユーザー心理をうまく突いた戦略が奏功したといえそうだ。また、ディスクレスの普及も大きいという。
「ゲームソフトを現物のディスクで所有したいと思っているのは、もはや一部のマニアだけです。ダウンロード版のほうが入手が簡単ですし、手っ取り早い。
ゲーム関係がすべてネットで完結しているユーザーは、いわゆる“課金”に対するハードルも低いため、サブスクサービスにもお金を出すのでしょう」(同)
https://biz-journal.jp/2020/01/post_133804.html