いずれにしろ、4つの太陽の時代とは、
右上が第1の太陽、左上が第2の太陽、左下が第3の太陽、そして右下が第4の太陽です。
中央の円が第5の太陽、つまり現代となります。
第1の太陽はジャガーによって表象され、神のつくった巨人たちは農耕を知らず、
洞窟に住み、野生の植物や果実を食べていましたが、ジャガーに喰われてしまいました。
第2の太陽の時代は嵐のために滅びましたが、神は風に吹き飛ばされないよう人間を四足の猿に変えました。
第3の太陽の時代は火山の噴火と溶岩で滅亡しましたが、神によって鳥に変えられた人間は難を逃れました。
そして第4の太陽の時代は大洪水で終末を迎えますが、神は人間を魚に変えて滅亡から救出します。
その大洪水を飲み込んだのがトゥラルテクートリというわけです。
さて、「暦石」の命名の根拠の一つとなるのは、4つの太陽の外側の円周に彫られた20の絵文字と13の数字です。
なぜなら、これが260日暦をあらわすとされるからです。
絵文字は左上からワニ、風、家、トカゲ、ヘビ、死、シカ、ウサギ、水、イヌ、サル、草、葦、トラ、ワシ、コンドル、動き、火打ち石、雨、花をあらわしています。
1年260日暦は誕生日とか儀式の占いにもちいられました。ワニは吉、風は凶でした。
数字も吉は3,7,10,11,12,13であり、凶は4,5,6,8,9でした。
2は吉凶の中間、1はさまざまに変化する運とされたのです。
アステカには365日暦もあり、また暦元の日を定め一直線で時を数える暦法もありました。
これらの暦法についてはいずれマヤ暦をとりあげる時に言及することにします。
スペイン人はアステカの神殿を破壊し、その上にカトリックの教会を建設しました。
この「暦石」もその過程で発見されました。
アステカ文明の遺物がメキシコの誇りとなっているのも皮肉な運命です。
吉なのか凶なのか!?
こよみの学校?第97回『アステカの「暦石 ―5つの時代の太陽』|暦生活
http://www.543life.com/campus97.html