この10年で、全国で1万人近くの人命を奪った熱中症。屋外での対策が注目されがちだが、救急搬送者を発生場所別に見ると「住居」が最多の約4割を占めた。新型コロナウイルスの感染拡大で自宅で過ごす人が増えることも予想され、適切なエアコンの使用など、室内の対策が予防の鍵を握る。
消防庁によると、2021年5~9月の熱中症搬送者4万7877人のうち、発生場所は住居(庭など敷地内を含む)が最多で、39・4%(1万8882人)を占めた。以下、道路▽道路工事現場、工場、作業所などの仕事場▽競技場、野外コンサート会場などの屋外▽劇場、飲食店、駅などの屋内-と続いた=グラフ。
住居の割合は17年=37%、18年=40・3%、19年=38・6%、20年=43・4%と例年4割程度を占める。22年6月27日~7月3日の速報値でも、1万4353人の搬送者のうち44・2%に上った。
また神戸市によると、21年の市内搬送者529人のうち、34%の発生場所が屋内だった。市はホームページで「エアコンの設定温度に頼りすぎず、室内の温度や湿度を測ろう」と啓発。室温の目安は28度で、太陽光をカーテンなどで遮断したり、エアコンと一緒に扇風機を使ったりすることも効果的という。エアコンの設定温度を28度にしても、室温はさらに高い場合があり、注意を要する。
全国規模では7年ぶりとなる節電要請が今月1日から始まり、冷房控えも懸念される。
日本救急医学会は6月末の会見で「屋内での熱中症発症が非常に多く、死者のうち高齢者の割合が増加している」と指摘。病気や認知症、経済的な理由でエアコンを使っていない高齢者らを見守る必要があるとして「熱中症は予防できる。在宅の独居高齢者らに連絡を取り、いかに守るかが大切だ」と呼びかけている。(上田勇紀)
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202207/0015501241.shtml
消防庁によると、2021年5~9月の熱中症搬送者4万7877人のうち、発生場所は住居(庭など敷地内を含む)が最多で、39・4%(1万8882人)を占めた。以下、道路▽道路工事現場、工場、作業所などの仕事場▽競技場、野外コンサート会場などの屋外▽劇場、飲食店、駅などの屋内-と続いた=グラフ。
住居の割合は17年=37%、18年=40・3%、19年=38・6%、20年=43・4%と例年4割程度を占める。22年6月27日~7月3日の速報値でも、1万4353人の搬送者のうち44・2%に上った。
また神戸市によると、21年の市内搬送者529人のうち、34%の発生場所が屋内だった。市はホームページで「エアコンの設定温度に頼りすぎず、室内の温度や湿度を測ろう」と啓発。室温の目安は28度で、太陽光をカーテンなどで遮断したり、エアコンと一緒に扇風機を使ったりすることも効果的という。エアコンの設定温度を28度にしても、室温はさらに高い場合があり、注意を要する。
全国規模では7年ぶりとなる節電要請が今月1日から始まり、冷房控えも懸念される。
日本救急医学会は6月末の会見で「屋内での熱中症発症が非常に多く、死者のうち高齢者の割合が増加している」と指摘。病気や認知症、経済的な理由でエアコンを使っていない高齢者らを見守る必要があるとして「熱中症は予防できる。在宅の独居高齢者らに連絡を取り、いかに守るかが大切だ」と呼びかけている。(上田勇紀)
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202207/0015501241.shtml