でもちょっと頼りないお姉ちゃんの世話を焼くのも満更でもない雪穂
両想いってことなの?
参考画像が無いとよくわからんな
なんか16才になってお姉ちゃんより背が伸びた雪穂が思い浮かんだ
穂乃果「雪穂ばっかりずるいー!」
雪穂「お姉ちゃんはピーマン食べないから背が伸びないんだよ」
穂乃果「関係ないよー!」
雪穂「まあまあ…お姉ちゃんはそのままでいいじゃん。可愛いし」
穂乃果「そんなこと言われても嬉しくないんだから!」
雪穂「はいはい」ナデナデ
穂乃果「…えへへ♪」
ヤンデレ気味の雪穂もいいよね
穂乃果「ただいまー」
雪穂「おかえりお姉ちゃん♪ご飯できてるよ!」
穂乃果「ごめーん、海未ちゃん家でたべてきちゃっ……!!!」
雪穂「へぇ…海未さんの家に行ったんだ……」
みたいな
でも雪穂が怒ったらお姉ちゃんが泣いちゃって結局仲直りが良いな
./: : : : : :l: : : : / |:.: l: : : : : : : : : : : : : l ヽ:.:| ヘ: : : : l: : : : ::::::|
/: /: : : : |: : : :/ ̄ヽ_|:. ll: : : : : : : l: : : : :.l _l :|__ヘ !: : : : :::::l
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./:./ |: :/: : : :l_l _____コ;;-.. ヽ!----ll-ヘ_/>_二ニ___ .:.:.:丿:.:.:.:.:l:./
/:/ l /: : : : : | _ィl广´ ^`ヘへ / jl广 ̄^^弋ュ  ̄|:.:.:.:.:.:.:.:1K
,':./ l : : : : : : | /l'´ j⌒Y ゙` '´ , j⌒Y ゙廴 |:.:.:.:.:.::.:.:1 ll
!:/ ,': : : : : : l lサ {^雪仆 {^雪仆 从 |:.:.:.:.:.:::.:.:1ヘl
.| | l: : : : : l人 \ 乂_ン 弋_ン ノ" ∧:.:.:.::::::.:.1 ヘl
|:| !:.:.:.:.:.:.:.:l:.|ヘ ‐‐ -- " l l:.:.:::::::.:.:1 ll
|| l::.:.:.:.:.:./:.| ヽ , Y:.:.:::.:.:.:1 ll
.| l::.:.:.:.:.:/l:.| 、ヽ ///// //// l_.ノ Y:.:.::::.:.:.| ノ
l l:.::.:.:.:./l:.:| /ヘ / ー ヽ //\ Y.:.::::.:.:.|
|::::.:.:.:.l |:.|´ ヽ U / ヽ /|/ ゙‐ |:.:.:::.:.:.|
|::::.:.:.:.l´|:. ヽ { | / ( |.:.:::.:.:.|
∧::::.:.:.l ヘl ヽ `、 ノ / ` |.:.:::.:.||
/^l:::::.:.:| ヽ | `ヽ、  ̄ ̄" / | |.:.:::.:.|ヽ
/l ヘ::::.:.ヘ ヽ l ヽヽ 、 ∠ / / l::/::/l 入
/ ヽ ゙::::.:.:.` ` ` Y `‐‐‐イ / l ノ/ ノ / ヽ
家族愛と恋愛の区別も出来ないのか?
雪穂は前者だろうに
んなこと言ったらラブライブ板の全ての百合ネタが友情を恋愛と取り違えたものだよ
むしろ>>35-36が突然恋愛とか百合とか言い出して困惑だわ
お姉ちゃん大好きな雪穂ってだけでどうしたらそんな発想になるのか チュン(・8・)チュン
穂乃果「…ほ。雪穂、朝だよー」
雪穂「ん…お姉ちゃん…?」
穂乃果「ほら、起きて。朝ごはん、すぐできるからね」
雪穂「え…お姉ちゃんが、もう起きてるなんて…」
穂乃果「顔洗っておいでよ。早くね!」
タタタ…
雪穂(…ホントに朝食ができてる)
穂乃果「今日はオムライスだよー♪」
雪穂「お、お姉ちゃんが作ったの!?」
穂乃果「そうだよ。…ちゃんと味見したから大丈夫。冷めないうちにどーぞ♪」
雪穂「…いただきます」カチャ
雪穂(きれいに巻いてる…中身もちゃんとしてる。手のこんだオムライスだ)パク
雪穂(…おいしい)モグモグ
穂乃果「あ、雪穂。ケチャップついてる」クス
雪穂「え」
穂乃果「待って。そのまま…」チュ
雪穂「ひゃ!?///」
穂乃果「ふふ…おいしい♪」
雪穂(なんか…変だ。お姉ちゃんが…お姉ちゃんみたい)ドキドキ
ジャー カチャカチャ
雪穂「お姉ちゃん…食器洗いなんて後でもいいのに。朝練あるんでしょ?」
穂乃果「少しでもできる時にやっときたいの。遅刻はしないから大丈夫」
雪穂(…おかしい。急に人が変わったみたいにしっかりしたお姉ちゃんになってる…見た目は変わらないのに)
ガララ
穂乃果「雪穂。雨降りそうだから傘忘れないでね」
雪穂「わかってるよ。早く行きなよ」
穂乃果「雪穂…」ギュ
雪穂「わ…ど、どうしたの?」ドキ
穂乃果「…」ギュー
雪穂「お姉ちゃん…?」ドキドキ
穂乃果「ゆっきぃ…エヘヘ」ムギュ
雪穂「んぅ…やめてよー。暑苦しい…」
雪穂「…ん?」
穂乃果「雪穂ぉ…」ムニャムニャ
雪穂(お姉ちゃん寝てる…あれ、私も寝てた?)
雪穂(…なんだ、夢か…そうだよね。アハハ…はぁ)
穂乃果「…」スー
雪穂「こら、お姉ちゃん。いつまで寝てるのー?」
穂乃果「あと…50分…」
雪穂(…うん。いつものお姉ちゃんだ)
雪穂「そんなに寝てたら遅刻するよ。早く起きなさーい!」
雪穂(しっかりしてても、してなくても…お姉ちゃんはお姉ちゃんだから…好きなんだけどね)
雪穂「起きなさいと…チューしちゃうぞ」
チュッ
ガララ
穂乃果「ただいまー」
雪穂「おかえり…ずいぶん遅かったね」
穂乃果「絵里ちゃんちでグラタン食べてきたの。おいしかったー♪」
雪穂「え」
イタダキマース
雪穂「お姉ちゃん…いいよ無理して食べなくても」
穂乃果「無理なんてしてないよ。美味しいよ。グラタン…」ハフハフ
雪穂(お姉ちゃんが食べたいっていうから作ったのに…なんで人ん家で食べてくるのよ)イラッ
雪穂(しかも絵里さんの食べた後で私のなんて…勝ち目ないじゃん)
穂乃果「でも絵里ちゃんちとメニューが被るなんて運命感じちゃうな♪」
雪穂「あっそ…」
穂乃果「そういえばもうすぐ絵里ちゃんの…いたっ」
穂乃果「な、何するの雪穂…」
雪穂「食べ終わったら自分で片付けてよね」ガタッ
穂乃果「あ、雪穂!」
穂乃果(…怒らせちゃったかな)シュン
雪穂(なによ…絵里ちゃん絵里ちゃんって。そんなに絵里さんがよかったら帰ってこなければいいのに)
雪穂(…むかつく)ムギュ
ポーン コロン
(ハイパージャンボ寝そべり穂乃果を投げた)
穂乃果「お母さん。これ借りていい?」
母「え?…穂乃果、編み物なんてできるの?」
穂乃果「できないから本借りるの」
雪穂(お姉ちゃんが…編み物?)
『もうすぐ絵里ちゃんの…』
雪穂(…そういうことか。でもお姉ちゃんだし…どうせすぐ飽きるでしょ)
(二日後)
穂乃果「行ってきまーす!」バタバタ
雪穂(お姉ちゃん、昨日は夜遅くまで何か編んでたみたいだけど…)
雪穂(なにこれ、ヘタクソ…何作ってんのかわかんないし。こんなんで間に合うの?)
雪穂(…ま、関係ないけど。絵里さんだってこんなのいらないでしょ…)
(その夜)
雪穂(ノド渇いた…)
雪穂「…あれ、お姉ちゃんまだ起きてるの?」
穂乃果「…え? あ、ごめん…何?」
雪穂「早く寝たほうがいいよ…」
穂乃果「うん。…もうちょっとだけ」
雪穂(あんな物のために無理して…バカだなぁ)ファー
チュン(・8・)チュン
穂乃果「…」Zzz
雪穂「お姉ちゃん。朝だよー」
雪穂(あーあ、結局途中で寝ちゃったのか。もう間に合わないね)
雪穂(絵里さんへのプレゼントどうするの?…まあ私には関係ないけど)
(さらに二日後)
穂乃果「できた!やっとできたよ雪穂ー♪手編みのニット帽!」
雪穂「へーよかったねー」
雪穂(二日遅れで渡すのかな? まあ誤差の範囲か)
穂乃果「どうかな?…初めてにしては上手くできたと思わない?」
雪穂(確かにヘタクソの割には、途中の見た感じよりマシになってる…気がする)
雪穂「ふーん…まあ、お姉ちゃんにしては頑張ったんじゃない」
穂乃果「えへへ。ありがと♪…もらってくれる?」
雪穂「…は?」
穂乃果「雪穂のために編んだの♪」
雪穂「な、何言ってんの。間に合わなかったからって押しつけないでよ…」
穂乃果「え?…何が?」
雪穂「絵里さんのプレゼントはどうしたのよ」
穂乃果「絵里ちゃん?…あー、絵里ちゃんの誕生日はもう過ぎたし、プレゼントはちゃんとあげたよ」
雪穂「え…じゃあ、これ…」
穂乃果「最初に編んだのは雪穂にあげるって決めてたんだー♪…はい、どーぞ」ムギュ
雪穂「わ…ちょっと」
穂乃果「ね、あったかいでしょ?」ニコニコ
雪穂「お姉ちゃん…ありがと」ギュ
穂乃果「えへへ。次は何作ろっか?…雪穂は何がいい?」
雪穂「なんでも…使ってあげるから、もっと上手に編んでよね」プイ
穂乃果「よーし。頑張る!」
スマソ
気にしないで普通に総合スレとして使って
SSっぽい部分は保守の“ほ”のちょっと長いやつくらいに思ってくれれば
この2枚目ってSID?
他にも雪穂のイラストあるなら買いたい
個人的にはどっちもいいなと思うけど割とツンデレ説を推す人多い感じ
1期1話の印象が強かったせいかな
出番そんなに多くないし描かれてない日常の部分にいろいろ可能性感じていいと思う
穂乃果「イチゴ味とーった♪」
雪穂「あっ、もう…私にも選ばせてよ!」
穂乃果「え、雪穂もイチゴがよかった?」
雪穂「いや、プレーンでいいけどさ…」
穂乃果「じゃあ半分ずつ飲もうよ」
雪穂「えー? こんな少ないの半分ずつなんて飲んだ気しないじゃん」
穂乃果「雪穂が先飲んでいいから」
雪穂「…いや、お姉ちゃんが先に飲みなよ」
穂乃果「そう? じゃあいただきます♪」
雪穂「それより髪、乾かさないと風邪ひくよー」
穂乃果「んー。雪穂やって♪」
雪穂「はいはい…まったく」
パチ フォーン…
穂乃果「そういえば、もうすぐ凛ちゃんの誕生日なんだよね」
雪穂(またか…まあ、凛さんには花陽さんがいるし大丈夫だと思うけど)
穂乃果「ね、何あげたらいいと思う?」
雪穂「私に訊かれても…凛さんの好きな物とかでいいんじゃない?」
穂乃果「凛ちゃんの好きなもの…花陽ちゃん!」
雪穂「いや、そういうことじゃなくてさ…」
穂乃果「じゃあ…真姫ちゃん?」
雪穂「だから人じゃなくて…ほかにあるでしょ」
穂乃果「あとは…ラーメン!」
雪穂「あー。じゃあ一緒にラーメン食べに行く…とか?」
穂乃果「いいね!いつ行く?」
雪穂「は?」
穂乃果「雪穂から誘ってくれるなんて♪」
雪穂「って、私とじゃないよ!今何の話してたっけ!?」
穂乃果「えー。行こうよー」
雪穂「まあ…いいけど」
穂乃果「なんか今日蒸し暑くない!?」
雪穂「確かに…もうすぐ11月って割には随分あったかいね」
穂乃果「早まったかなぁ…」
雪穂「そんなことないよ。夏だって時々ラーメン食べたくなったりするじゃん」
穂乃果「そうだよね…せっかくのデートだし」ギュ
雪穂「…まあね///」
ガララ ラッシャセー
穂乃果「炒飯食べようかな♪」
雪穂「ラーメン食べに来たんじゃなかったの?」
穂乃果「んー。じゃあラーメンと炒飯と餃子ひとつずつ注文して二人で分けよう!」
雪穂「まあいいけどさ…」
イタダキマース
穂乃果「ラーメンおいし♪」ズーッ
雪穂「炒飯食べないの?」パク
穂乃果「食べるからとっといてね」
雪穂「はいはい」モグモグ
穂乃果「そういえば凛ちゃんてさ」
雪穂「ん、なに?」
穂乃果「確か猫が好きなんだよね。猫アレルギーだけど」
雪穂「えぇ…大変だね」
穂乃果「本物の猫ってわけにいかないし、なんか猫のグッズとかにしようかなって」
雪穂「なるほどね。いいんじゃない」
ガララ ピシャ
穂乃果「おいしかったねー♪」
雪穂「うん。…で、今から買い物行く?」
穂乃果「行こ。二人で選んだほうがいい物見つかりそうだし」
雪穂(私は凛さんより、お姉ちゃんに何か買ってあげたいけどね)
雪穂「お姉ちゃん」ギュ
穂乃果「…今日寒くないよ」
雪穂「いいの」
穂乃果「わあ、可愛い♪…これにしようかな?」
雪穂「いいね。これから寒くなるし、ちょうどいいんじゃない?」
穂乃果「わんこのもあるんだね。こっちも可愛いー♪」
雪穂「そうだね。…でも二つも買えるの?」
穂乃果「凛ちゃんのだからなぁ…やっぱり猫だよね」
アリガトウゴザイマシター
穂乃果「あれ、雪穂も何か買ったの?」
雪穂「わんっ♪」
穂乃果「あ、それ買ったんだ!?」
雪穂「へへ。お姉ちゃんにあげるよ」
穂乃果「え?…でも私、誕生日じゃないよ?」
雪穂「いいからいいから。そのかわり私の誕生日にも何かちょうだい」
穂乃果「雪穂…もう、それだったら私も買って雪穂とおそろいにしたかったのに」
雪穂「そんなにお金ないでしょ?」
穂乃果「むーっ…」
雪穂「まあ、まあ…私の誕生日まで待つからさ」
穂乃果「雪穂…ありがとね」
雪穂「ふふ。惚れ直した?」
穂乃果「うん。大好き♪」ギュ
雪穂「私も好きだよ。お姉ちゃん…」ギュー
穂乃果「あ…そろそろ行こっか///」
雪穂「そ、そうだね…///」
雪穂(誰かに見られたら誤解されそう…お姉ちゃんはちょっと有名人だし、外では気をつけなきゃ)
(高坂家)
穂乃果「えへへ。あったかーい♪」
雪穂「いや、今日もともとあったかいし…暑くない?」
穂乃果「わんわん♪」ムギュー
雪穂「お、お姉ちゃん…暑いってばー」
まあ他に書き込む人いないしもうそれでいいんじゃない
穂乃果「ハッピーバースデー!凛ちゃん♪」
凛「わあ、ありがとう穂乃果ちゃん…可愛い猫さんだぁー♪」
穂乃果「えへへ。凛ちゃんにはやっぱり猫かなって…気に入ってくれたら嬉しいな」
凛「えいっ」ムギュ
穂乃果「わ」
凛「穂乃果ちゃん可愛いにゃー♪」ナデナデ
穂乃果「私じゃなくて凛ちゃんへのプレゼントだよ」
凛「そうだけど、穂乃果ちゃん可愛いから似合うんだもん♪」
穂乃果「凛ちゃんのほうが似合うよー」
凛「じゃあ…このまま、穂乃果ちゃんも一緒に凛がもらっちゃっていい?」ギュ
穂乃果「凛ちゃん…うん。いいよ///」
雪穂(ちょ、何言ってるのお姉ちゃん…いいわけないでしょ!)
凛「凛の誕生日…忘れられない日にしてあげる」グイ
雪穂(何しようとしてるの!? そんなの私が許さないから!)
穂乃果「凛ちゃん…」ドキドキ
雪穂(お姉ちゃんも少しは抵抗しなさいよ!こらーっ!)
雪穂「お姉ちゃん!!」ガバッ
穂乃果「わ…ゆ、雪穂?」
雪穂「凛さん!お姉ちゃんは返してもらうからね!」
穂乃果「凛ちゃん?…何言ってるの雪穂」
雪穂「え?…あ、あれ?」
穂乃果「雪穂、寝ぼけてる?」
雪穂(私の部屋…なんだ、夢か…ハハハ)
穂乃果「なんか夢でも見てたのー?」
雪穂「な、なんでもないよ…///」
雪穂(あの凛さんにかぎって…そんなのないと思うけど)
雪穂「ねえ…お姉ちゃんの好きな人って誰?」
穂乃果「え!?…どうしたの急に」
雪穂「いいから答えてよー」
穂乃果「そんなの…目の前にいるじゃん」
雪穂「え」
穂乃果「…雪穂だよ」ギュ
雪穂「…」ムギュ
穂乃果「いたたた!なんでつねるのー!」
雪穂「夢じゃない…」
穂乃果「当たり前でしょ!…ばか」チュ
雪穂「お姉ちゃん…ごめんね///」ギュー
バタバタ ガチャ
穂乃果「雪穂ー!」
雪穂「ちょ、お姉ちゃん…いきなり入ってこないでよ!」
穂乃果「あ…ごめん」シュン
雪穂「…で、何か用?」
穂乃果「そうだった!大変だよ雪穂!」
雪穂「何が大変なの」
穂乃果「今年、うちでハロウィーンをやってないの!」
雪穂「へー。それは残念だったね。また来年」
穂乃果「…と思うでしょ? でも!まだ終わってないんだよねー」
雪穂「何が?」
穂乃果「ふっふっふ…雪穂、君は知っているか?“死者の日”を」
雪穂「あー、メキシコのお盆にあたる行事でしょ」
穂乃果「なーんだ、知ってたのか…」
雪穂「それがどうかしたの」
穂乃果「死者の日は11月2日!メキシコでは派手にお祝いするんだよ!お祭りだよ!だってパーティー終わらない!」
雪穂「さっきも言ったけど死者の日ってお盆みたいなもんだから。仮装してお菓子もらう日じゃないからね?」
穂乃果「でもカトリックの行事なんでしょ?お盆よりはハロウィーンに近いでしょ?お菓子のガイコツとか飾るんだよ!」
雪穂「で?お姉ちゃんはリアルな頭蓋骨の形のお菓子をガリガリかじりたいの?」
穂乃果「う…それはちょっとイヤかも…」
雪穂「しょうがないなぁ…ほら、これあげる」
穂乃果「お花…?」
雪穂「マリーゴールド。メキシコで死者の日に祭壇に供える花だよ。マリアの象徴なんだって」
穂乃果「そうなんだ…キレイだね!」
雪穂「お姉ちゃんの色だね」
穂乃果「うん!ありがと雪穂。大事にするよー♪」
穂乃果「窓際に置こうか…それともお店に飾ろうかな?…えへへ♪」
雪穂(お姉ちゃんは一年中お祭りみたいだけどね)クス
雪穂って本当に冷めてる娘に見えて
お姉ちゃん愛に溢れてるいい娘だねー
うちにおいでよお願いだから
穂乃果「雪穂!今日は文化の日だよっ」
雪穂「そうだね」
穂乃果「文化といえば何だろう? 私は真剣に考えてみたんだよ」
雪穂「ふーん」
穂乃果「その答えは!」バーン
タタタッ
穂乃果「ちょっと雪穂!ついて来てよー!」
雪穂「はいはい…何なの?」
穂乃果「文化といえばコレでしょ?」
雪穂「包丁?…それで何するつもり?」
穂乃果「お料理に決まってるじゃん!…というわけで今日は私が食事を作ります♪」
雪穂(大丈夫かなぁ…)
穂乃果「まずはダシをとるよ!お湯をわかして…」ジャー
カチカチ シュボッ
穂乃果「鶏ガラ…はないから、かつおぶしと煮干しでも入れとこ」ポイッ
穂乃果「あと、しいたけの足!これもいいダシが出るんだよね♪」トン
雪穂「昆布もあるよ」ガサ
穂乃果「じゃあそれも使おう」パキ
穂乃果「別の大きめの鍋でお湯をわかして…」
穂乃果「野菜はキャベツ、たまねぎ、にんじん、もやし、しいたけ」トントントン
穂乃果「あれ、お肉がないや…ちくわと魚肉ソーセージでも入れとこ」パリッ
雪穂(適当すぎる…)
穂乃果「ダシの鍋を火からおろして…フライパンにごま油をひいて野菜を炒める」ジュー
穂乃果「雪穂。麺ゆでるから時間はかっといて!」
雪穂「何の麺?」
穂乃果「それはもちろん…ああっ!?」
雪穂「…なによ」
穂乃果「麺がないよ!?」
雪穂「ないね」
穂乃果「どうしよう…」
雪穂「うどんならあるけど」
穂乃果「うどんか…じゃあいいや。うどんで」
雪穂(これ、何ができるんだろう…)
穂乃果「ダシに炒めた具材を加えて、調味料で味付け!」ドバー
雪穂「ちょ、ちょっと待ってお姉ちゃん!」
穂乃果「なに?」
雪穂「しょうゆって先に入れちゃっていいんだっけ?…ほかの調味料は?」
穂乃果「塩、こしょう」
雪穂「だったらそっちが先じゃない?」
穂乃果「あれ、野菜を炒めるところで塩こしょうだっけ?」
雪穂「私に訊かれても…」
穂乃果「まあいいか。もう入れちゃったし…」パラパラ
穂乃果「最後にうどんを入れてちょっと煮込めば…完成!」グツグツ
雪穂「…で、これ何?」
穂乃果「えっと…ちゃんぽん風うどん?」
雪穂(肉とか魚介類が全然入ってないけど…)
イタダキマース
雪穂「…」ツルツル
穂乃果「どう?」
雪穂「(作る過程のいい加減さの割には)おいしい」
穂乃果「でっしょー!私って天才♪」
雪穂「…」モグモグ
穂乃果「もっとほめてよー!」
雪穂「お姉ちゃん料理上手だね。私のお嫁さんにならない?」
穂乃果「えへへ。しょうがないなー♪」ギュ
雪穂「お姉ちゃんも早く食べなよ」
雪穂(…まあ、お姉ちゃんが楽しそうだからいいか)
穂乃果「雪穂!大変だよ!」
雪穂「またか…今度は何なの?」
穂乃果「昨日は縁結びの日だったみたい…」
雪穂「縁結び?…神田明神で何かあったっけ?」
穂乃果「知らない」
雪穂「あっそ…」
穂乃果「どーしよー?昨日なんにもしてないよ!」
雪穂「いや、する必要ないでしょ…何お姉ちゃん、好きな人でもいるわけ?」
穂乃果「好きな人?…いるけど」
雪穂「え…誰!?」ガタッ
穂乃果「お母さん♪」
雪穂「…いや、そういうんじゃなくてさ…」
穂乃果「雪穂のことも大好きだよ♪」ギュ
雪穂「ふーん///」
穂乃果「あと、ことりちゃんに海未ちゃんでしょ。絵里ちゃん真姫ちゃん花陽ちゃん…」
雪穂「はいはい。もういいって」
穂乃果「えー? じゃあ雪穂は?誰が好き?」
雪穂「そんなの…言わなくてもわかるでしょ」
穂乃果「やっぱりお母さん?」
雪穂「はぁ…まったく」グイ
穂乃果「わ」
チュッ
雪穂「お姉ちゃんが一番好きだよ」
穂乃果「雪穂…えへへ///」
穂乃果「あとね、今日はお見合い記念日なんだって」
雪穂「は?…なにそれ、誰の話?」
穂乃果「わかんないけど、そうみたいなの」
雪穂「(さっぱりわからない…)お姉ちゃんお見合いしたいの?」
穂乃果「ううん。別に…したくないよ」
雪穂「ならいいけどさ…」
穂乃果「でもお見合いってどんなことするのかな?」
雪穂「知らないよ」
穂乃果「相手と二人でじっくりお話して、お互いのことを根掘り葉掘り聞き出すのかな?」
雪穂「イヤな言い方だなぁ…」
穂乃果「ご趣味は?とか、髪切った?とか、電報きてまーす。とかいうの♪」
雪穂「いや、それ違うよね?」
穂乃果「最近すっかり寒くなりました」
雪穂「そうですね」
穂乃果「ちょっと雪穂と私でやってみよっか」
雪穂「何を?」
穂乃果「お見合い♪」
雪穂「えぇ…してどうするのよ。お姉ちゃん、私と結婚してくれるの?」
穂乃果「うん。いいよー♪」ギュー
雪穂「お姉ちゃん…///」
穂乃果「じゃあ始めよう。なんか質問してよ」
雪穂「えっと…子供は何人欲しい?」
穂乃果「ちょ、いきなりすぎない!?」
雪穂「いいから答えなさい」
穂乃果「んー。二人、かなぁ」
雪穂「どうして?」
穂乃果「私も雪穂がいて幸せだから、一人より二人がいいかなって♪」
雪穂「そ、そう?///」
穂乃果「雪穂に似て優しい子と、私に似て賢い子♪見た目は雪穂と私の特徴を合わせた感じでー」
雪穂「…かしこい?」
穂乃果「なによ。私が賢くないっていうの?」プクー
雪穂「い、いや別に…っていうか、お姉ちゃんと私の子供なの?///」
穂乃果「もちろん♪だって雪穂と私のお見合いだもん」
雪穂(…そうだった)
穂乃果「えへへ。じゃあ今度は私から雪穂に質問だよっ」
雪穂「なんでもどーぞ」
穂乃果「子供ができても、雪穂は私のことを一番大事にしてくれますか?」
雪穂「そんなの…当たり前だよ」
穂乃果「雪穂…嬉しいけど、ダメだよ。子供を優先してくれなくちゃ」
雪穂「そんなこと言われても…本当に子供がいるわけじゃないから実感わかないよ」
穂乃果「そっか…そうだよね」
雪穂「うん。やっぱりお姉ちゃんが一番大事だもん」
穂乃果「えへへ…やっぱり雪穂だーい好きっ♪」ギュー
雪穂(結局お姉ちゃん、何がしたかったんだろ?)
穂乃果「はい、次は雪穂が質問してね!」
雪穂「じゃあ、えーとね…」
穂乃果「雪穂!」ガラッ
雪穂「お姉ちゃん…今日は何が大変なの?」
穂乃果「…エスパー!?」
雪穂「いや、誰でもわかるから…」
穂乃果「そんなことより!今日は“いい歯の日”だよっ!」
雪穂「あー、それはわかりやすいね…11・8で“いいは”なんだ」
穂乃果「というわけで歯ブラシを買いに行こう!」
雪穂「はいはい…」
ガーッ ラッシャーセー
雪穂「歯ブラシ買うんだったらコンビニとかドラッグストアで良くない?」
穂乃果「えへへ。まあまあ…」
雪穂(好きなパンが割引の日だからスーパーに来たのかな…)
穂乃果「ね、おそろいにしようよ♪」
雪穂「うん。…あ、これがいい。オレンジのやつ」
穂乃果「じゃあ私は色違いの…ピンクにしよっと♪」
穂乃果「なんか…恋人同士みたいだね」チラ
雪穂「…そうかも///」ギュ
穂乃果「えーと次は…」
雪穂「ちょっと待ってお姉ちゃん」
穂乃果「どうしたの?」
雪穂「歯みがき選ぶんだよね?…でも特定の商品を推すとステマっぽくなるから…」
穂乃果「すてま?」
雪穂「そう」
穂乃果「…って、なに?」
雪穂「そこ?…面倒だから説明は省くけど…」
雪穂(いつものやつを買った。お姉ちゃんと一緒に使うけど高い割に量が少ない)
穂乃果「スクールアイドルは歯が命!」キラッ
雪穂「ほぼ答え言っちゃってるよね…」
穂乃果「そして!今日は刃物の日でもあるのだった」
雪穂「あー、今度は“いい刃”ってわけか。じゃあやっぱり…」
穂乃果「今日も私が食事を作るよ!」
雪穂(それでスーパーに来たのか)
雪穂「で、今日は何を作るの?」
穂乃果「えーとね…今日はレントゲンの日なんだ」
雪穂「レントゲンって…料理に関係なくない?」
穂乃果「レンとゲンだから、れんこんといんげんを買うよ♪」
雪穂「なるほど」
穂乃果「んー。どれも半額シールついてないや」
雪穂「ここ野菜高いよね」
雪穂(特売品になってないからなぁ)
穂乃果「近所の八百屋さんに行こっか」
雪穂「そうだね。(八百屋も大して安くはないと思うけど…)」
雪穂(食材は結局スーパーでは買わなかった。お姉ちゃんが食べたいみたいで16個入りのプチシュークリームを買ったけど)
穂乃果「おいしい♪」モグモグ
雪穂「お行儀悪いよ(歩きながら食べちゃってる…)」
穂乃果「一緒に食べようよー。はい雪穂、あーん♪」
雪穂(…まあいいか)パク
「あら、穂乃果ちゃんいらっしゃい!」
雪穂(お姉ちゃんがスーパーの袋持ってるのにわざわざ八百屋さんに野菜買いに来たから、お店の人は喜んでるみたい)
「また来てねー♪」
雪穂(あのスーパーよりだいぶ良心価格。たまねぎも買った)
穂乃果「お肉屋さんの割引券くれたよ♪」
雪穂(そんなのあるんだ…なんで八百屋さんがくれたんだろ)
穂乃果「次はお肉だ♪」
雪穂「おー」
ガララ
ほのゆき「ただいまー」
穂乃果「いんげんは炒める前にゆでるといいんだよね」
雪穂(いんげん、細くても意外と火が通りにくい)
穂乃果「はい、衣つけといて」
雪穂(れんこんはひき肉とかチーズとベーコンとかはさんで揚げる)
雪穂「…こんなもんかな」パタパタ
穂乃果「揚げ物は油が冷たいうちに入れちゃう」
ほのゆき「…」
雪穂「時間かかるよ」
穂乃果「その間に炒め物できるし」
雪穂(いんげんをゆでた鍋を下ろしてフライパンの出番だ)
ジュー ガシャシャ
ほのゆき「できた!」
雪穂(お姉ちゃんが料理上手になっていく…私も手伝ったけど)
母「おいしい。そのままお弁当のおかずにしたいくらいね」
穂乃果「揚げたて食べてよー」
母「食べてるわよ」モグモグ
雪穂(スライスしたれんこんだけカリッと揚げて味つけしてもおいしい)
雪穂「これ、なんていう料理?」
穂乃果「お肉といんげん炒めたやつ」
雪穂(ほかに言いようがないのか…おいしいけど)
キュキュッ カチャ
穂乃果「もっとっうーごーいてったーしーかーめーたーいちーかーらー♪」
雪穂(使った食器や調理器具も二人で洗って…)
穂乃果「雪穂!今日は“いいお肌の日”と、ボイラーデーだって」
雪穂「ってことは…」
穂乃果「一緒にお風呂入ろう♪」
雪穂「えー?(やっぱりそうなるよね)」
穂乃果「いいじゃーん。一緒に入ってよ雪穂ー」スリスリ
雪穂「しょうがないなー///」
雪穂(ちょっと恥ずかしいけど…悪くないな)
穂乃果「雪穂ー♪」ムギュ
雪穂「ちょ、やめてよお姉ちゃん///」ドキドキ
雪穂(…いや、すごくいい!)
雪穂「お姉ちゃん」
穂乃果「わ!?…びっくりしたぁ…ど、どうしたの雪穂?」
雪穂「今日は何が大変なの?」
穂乃果「え、わざわざそれ訊きに来たの?」
雪穂「うん」
穂乃果「いや、別に大変じゃないけど…」
雪穂「それ…オルゴール?」
穂乃果「うん。今日は“いい音の日”なんだって」
雪穂「いい音ノ木?」
穂乃果「まあ音ノ木坂もいいけどね…」
雪穂「お姉ちゃん音ノ木坂大好きだもんね」
穂乃果「雪穂も来てくれるんでしょ? 音ノ木坂」
雪穂「うん。とりあえず廃校なくなったみたいだし…それだったらお姉ちゃんと一緒がいいし」
穂乃果「えへへ。私も雪穂と一緒に行けるの楽しみにしてるから♪」ギュ
雪穂「うん。私も楽しみ///」
雪穂「…あれ、お姉ちゃん。なんか手、荒れてない?」
穂乃果「そう?…最近家事とかするようになったからかな?」
雪穂「ちゃんとケアしないとダメだよ。ちょっと来て」
穂乃果「え?大丈夫だよこんなの。別にケガしてるわけじゃないし」
雪穂「いいから」
パタン
雪穂「じっとしててね」
穂乃果「ハンドクリーム?」
雪穂「そう。今日はハンドクリームの日なんだって」
穂乃果「へー。っていうか自分で塗れるよ」
雪穂「私が塗ったほうがいいの。愛情がこもってるんだから」
穂乃果「雪穂…ありがと♪」ギュー
雪穂「あ、もう…クリームがついちゃうよ」
穂乃果「だーい好きっ♪」チュ
雪穂「じっとしててってばー///」
あの、なんかもう本気で交ざりたいんですが
どうすればいいんですか城門様?
雪穂「お姉ちゃん」
穂乃果「雪穂!?…迎えに来てくれたの?」
雪穂「今日は何が大変なの?」
穂乃果「え…まさかそれ訊くために、わざわざ音ノ木坂まで?」
雪穂「何となく早めに聞いといたほうがいいかなと思って」
穂乃果「えーと…今日は“皮膚の日”なんだ」
雪穂「ひふ?」
穂乃果「そう。11月12日はヒフの日だから…」
フミコ「穂乃果ちゃん」
ヒデコ「お待たせ。行こっか」
穂乃果「ヒデコとフミコと三人で遊びに行くの」
雪穂「えぇ…ミカさんは?」
穂乃果「私の代わりに連れてっていいよ♪」
雪穂「な、なにそれ?…あ、ちょっと!お姉ちゃーん!」
雪穂「行っちゃった…」シュン
ミカ「あんな理由でハブられた…」シクシク
雪穂「ミカさん…うちに来ます?」
ミカ「和菓子食べ放題?」
雪穂「ちょっとくらいならサービスしますよ。そのかわり…」
(穂むら)
ミカ「ありがとうございましたー♪」
雪穂「すみません。店番してもらっちゃって…」
ミカ「いいよー。一度やってみたかったんだよね♪」
雪穂「わからないことがあったら何でも訊いてください。奥にいるので」
ミカ「はーい♪」
雪穂(ミカさんのおかげで勉強も捗る♪)
ガララ
ミカ「いらっしゃ…あ」
穂乃果「ただいまー!…あれ?…なんでミカが店番してるの?」
雪穂「お姉ちゃん!」ドタバタ
穂乃果「ただいま」
雪穂「遅いよ!もう晩ごはんの時間!」
穂乃果「ミカも一緒に食べてく?」
ミカ「いや、和菓子食べ過ぎちゃって…走って帰るよ」
穂乃果「気をつけてねー」
雪穂「ありがとうございました」ペコ
ミカ「ごちそうさま。またね♪」
ピシャ
雪穂「…楽しかった?」
穂乃果「うん。たまにはヒデコたちと遊ぶのもいいね♪」
雪穂「お姉ちゃんはどっちが好きなの?」
穂乃果「えぇ!?…いや、ミカも含めて三人とも同じくらい好きだよ。比べられないよ」
雪穂「ふーん…」
穂乃果「でも雪穂が一番好きだよ♪」ギュ
雪穂「そ、そう?///」
穂乃果「おなかすいたー。ごはん、ごはん♪」
雪穂「手、洗わなきゃダメだよ」
穂乃果「わかってるよー」
雪穂(…うん。やっぱりお姉ちゃんがいい♪)
関甲城門さんの書くミカってかなりアクティブでいいよな
泣きほのの方では自分もスクールアイドルやりたくて加わってるし
ガララ
穂乃果「ただいまー」
雪穂「お姉ちゃんおかえり!…あ」
真姫「…お邪魔します」
雪穂「あ、はい。こんばんは…」
穂乃果「はい雪穂、おみやげ。まだあったかいよ♪」
雪穂「ありがと…焼きいも?」
穂乃果「石焼き芋屋さんがいたから買ってきたの。今日は“いい石の日”だよっ」
雪穂「へー」モグモグ
真姫「それはわかったけど、私と何の関係があるのよ?」
穂乃果「真姫ちゃんの苗字は西木野でしょ?」
真姫「ええ。…あ、そういうこと」
雪穂「?」モグモグ
穂乃果「ローマ字で書くとNishikinoだから、ishi(石)が入ってるの。名前もMakiだから、余ったiが二つでiiishi(いい石)まで含まれてるし…」
雪穂「なんかパズルみたいだね」
真姫「そんな理由で私を連れてきたの?…くだらない」ハァ
穂乃果「理由なんて何でもいいの。たまには一緒にごはん食べようよー♪」スリスリ
雪穂(…何よ、デレデレしちゃって…)ムスッ
真姫「ヴェぇ…わ、わかったわよ。頼まれた物も持ってきたわ」
穂乃果「ありがとー真姫ちゃん♪」
真姫「北海道産の天然紅鮭よ!」
ほのゆき「おぉー!」
雪穂「で、何作るの?」
穂乃果「石狩鍋!」
真姫「できるの?」
穂乃果「お母さんのプロデュース!」
ほの母「穂乃果と雪穂も手伝いなさいよ」
ほのゆき「はーい」
ほの母「ごめんなさいね。穂乃果が無理言って…」
真姫「いえ…」
ほの母「うちの和菓子でよかったら、好きなの持ってって」
真姫「あ、ありがとうございます♪」
グツグツ
穂乃果「やっぱり冬はお鍋だよねぇー♪」
雪穂「まだ11月だよ」
穂乃果「11月でも寒いから冬なの。ほら」ムギュ
雪穂「ひゃ!?…お、お姉ちゃん…手冷たいよ」
穂乃果「なにー? 雪穂のくせに冷たいとは何事かっ」
雪穂「名前に雪ってついてるだけで私は雪じゃないし」
真姫(本当に仲いいわね…)クス
穂乃果「おいしかったー♪ また来てね!」
真姫「今度は鮭だけ連れて来なさいよ」
穂乃果「えー!真姫ちゃんも来てよー」
真姫「はいはい。じゃあね」
雪穂「ごちそうさまでした」ペコ
穂乃果「さて、お鍋であったまったところで…」ギュ
雪穂「わ…なに、お姉ちゃん?」
穂乃果「今度はお風呂であったまろー♪」
雪穂「えぇ!?私はまだいいよ…」
穂乃果「いいから一緒に入ろうよー♪」
雪穂「しょうがないなー///」
穂乃果「ねね、これ読んでるおじさんも一緒に入ろうよー♪」
俺「しょうがないなー///」
雪穂「お姉ちゃん。おかえり」
穂乃果「雪穂。ただいま」
雪穂「料理でもするの?」
穂乃果「うん。今日は蓮根の日なんだって」
雪穂「またレンコンか…」
穂乃果「れんこーん♪れんこーん♪」
雪穂「それLet It Goだよね…」
穂乃果「そうだよ。蓮根って穴があいてるでしょ。穴といえばアナと雪の女王でしょ?」
雪穂「なるほど…(と言っていいのか)」
穂乃果「で、雪といえば雪穂でしょ」
雪穂「私?」
穂乃果「雪穂と私も姉妹だから…今日は私たちの日!」ギュ
雪穂「強引すぎるけど…それで?」
穂乃果「だから今日は雪穂とずーっと一緒にいたいなーって。エヘヘ」
雪穂「お姉ちゃん…要するに料理を手伝えってこと?」
穂乃果「それもある」
雪穂「…まったく」クス
穂乃果「雪、降るかなぁ?」
雪穂「降らないよ東京では。まだ十一月だし…今日、ただの蓮根の日だし」
穂乃果「そうだった…」
雪穂「とりあえず私で我慢しなよ」ギュ
穂乃果「雪穂…えへへ。この雪はあったかいから大好き♪」ギュー
雪穂「…///」
穂乃果「雪穂は何食べたい?」
雪穂「何って蓮根でしょ?」
穂乃果「そうだけど何作ろうかなって」
雪穂「お姉ちゃんが作ってくれるなら何でも」
穂乃果「何でもいいって言うの禁止!」プクー
雪穂「じゃあお姉ちゃんがいい」チュ
穂乃果「も、もう…ちゃんと答えてよー///」
雪穂(こんな時間に目が覚めちゃった…ノド渇いたな)
雪穂(冷蔵庫にジュースか何か入ってたっけ?)
穂乃果「雪穂!」ギュ
雪穂「わぁ!?…お、お姉ちゃん…びっくりさせないでよ」ドキドキ
穂乃果「大変だよ雪穂!」
雪穂「はいはい…今度は何が大変なの?」
穂乃果「昨日は雪見だいふくの日だったんだよ!」
雪穂「へー。…昨日は雪見だいふく食べてない!今から買いに行くよ!…とか言うんじゃないでしょうね?」
穂乃果「フフフ…甘いな雪穂」
雪穂「そりゃ雪見だいふくは甘いでしょ」
穂乃果「そうじゃなくって…」
雪穂「うちの豆大福や苺大福も甘いけどね」
穂乃果「お餅やわらか、中身ぎっしり、甘すぎない!穂むらの豆大福と苺大福♪」
雪穂「草餅もあるよー」
穂乃果「って、ちゃっかり宣伝してる場合じゃないよ!」
雪穂「なによ」
穂乃果「じゃーん!」ガラッ
雪穂「あ、雪見だいふく」
穂乃果「昨日のうちに買っておいたんだよ。…食べるの忘れてたけど」
雪穂「わざわざ買ったのに忘れてたの?」
穂乃果「お風呂あがりに雪穂と一緒に食べようと思ってたの!…でも昨日は」
雪穂「あー、髪乾かしてるときお姉ちゃん眠そうだったよね。そのあとすぐ寝ちゃって」
穂乃果「そう。だから雪見だいふくどころじゃなかったんだよー」シクシク
雪穂「あはは、ドンマイ」ナデナデ
穂乃果「だから今、一緒に食べよう♪」
雪穂「こんな時間に?…寒いよ?」
穂乃果「夜が明けるまでは昨日だよ!早く食べなきゃ」
雪穂「そんなこだわる必要ないと思うけど…まあいいか。私も好きだし」
穂乃果「二個入ってるから、私たちのためにあるような物だよね♪」
雪穂「そうだね。…ふふっ」
穂乃果「はい雪穂。あーん♪」
雪穂「えぇ!?…そういうのいいって///」
穂乃果「いいじゃん。誰も見てないよ」
イチャイチャ
母(…二個だから、いつも私にはくれないのよね)シクシク
ほら、俺も買ったから1個ずつ食べよっ?きぃちゃん♪
…ん、なんか急に寒気がガクガクブルブル
ほの父「………」ゴゴゴゴゴ…ドドドドドド
ガララ
穂乃果「ただいまー」
雪穂「お姉ちゃんおかえり。今日はもう練習終わったの?」
穂乃果「うん。運動量の多い練習は午前中に済ませて、お昼食べた後は歌の練習だけ」
雪穂「そっか」
穂乃果「雪穂ー♪」ギュー
雪穂「わ…お姉ちゃん、手冷たいよ」
穂乃果「もうすっかり寒くなったからねー。お昼でも結構冷えるよね」スリスリ
雪穂「やめてよー///」
穂乃果「えへへ。今日は“いい夫婦の日”なんだよー」
雪穂「知ってるよ。でもお父さんとお母さんはともかく、私たちにはあんまり関係なくない?」
穂乃果「そんなことないよ。この間は雪穂と私でお見合いしたんだから、今日は夫婦になってみよう♪」
雪穂「えぇ…そんなこと言われても…具体的にどうするの?」
穂乃果「んー。苗字はもともと同じだし、住んでる家も一緒だし…」
雪穂「当たり前だよ。家族なんだから…」
穂乃果「そうだ。お母さんにきいてみよう♪」
穂乃果「お母さーん」
母「なによ穂乃果。もうお腹空いたの?」
穂乃果「ちがうよー。ねえねえ、夫婦ってどんなことするの?」
母「え、私たちのこと?…そうねえ、うちはお店やってるから仕事を役割分担することかしら」
雪穂「お父さんが職人で、お母さんが店番だね」
穂乃果「それって夫婦じゃなくてもできるじゃん。もっと夫婦ならではみたいなのないの?」
母「そんなこと言われても…あとは子供の世話くらいね」
穂乃果「…だって」
母「ほら、お菓子あげるから向こう行ってなさい」
ほのゆき「はーい」
穂乃果「子供の世話って言ったって…私たちに子供なんていないし」
雪穂「まだ子供がいない夫婦だったら…」
穂乃果「えっ」
雪穂「…///」ヒソヒソ
穂乃果「な、なに言ってるの…雪穂のエッチ///」
雪穂「いや、だって子供がいないと子供の世話はできないし。お姉ちゃん、子供二人欲しいって言ってたよね?」
穂乃果「言ったけど…雪穂、まだ中学生でしょ。そういうのは学校を卒業して、ちゃんとお仕事して…子供を育てられるようになってから!」
雪穂「わかってるよ…浮気しないでよね」ギュ
穂乃果「しないよ///…それより今日は“ペットたちに感謝する日”でもあるんだって」
雪穂「ペットねえ…」
穂乃果「子供はまだ無理だけど、ペットのお世話ならできるでしょ?」
雪穂「でも、うち食べ物の店だしペットは…」
穂乃果「そこでコレだよ!…わんわん♪」
雪穂「あ、(凛さんの誕生日の前に)私がお姉ちゃんに買ってあげたやつ」
穂乃果「えへへ。いっぱい可愛がってね、ご主人さまっ♪」スリスリ
雪穂(これはこれでありかも///)
ガララ
穂乃果「ただいまー」
雪穂「おかえり。遅くまで練習お疲れさま」
穂乃果「ありがとー。すっかり暗くなっちゃったね…」
雪穂「秋葉原なんかと違って、この辺りは結構暗いよね」
穂乃果「おなかすいたぁー」
雪穂「で、今日は何が大変なの?」
穂乃果「え?…いや別に大変じゃないけど…確か今日は“かつおぶしの日”だよ」
雪穂「また料理?」
穂乃果「んー。でもかつおぶしだけじゃ…ダシをとるくらいかな? 和風の何か?」
雪穂「おにぎりや海苔弁当にも入ってるね」
穂乃果「あとはお好み焼きとか、たこやきにかけたり…そうだ!」
雪穂「なに?」
穂乃果「たこやき!たこやき食べたい♪」
雪穂「え、でも今から作るならタコ買ってこないと…」
穂乃果「たこやき買いに行ったほうが早いよ。行こっ♪」ギュ
雪穂「え、今から!?…ごはんの前にいいのかな…」
穂乃果「雪穂とデート♪」グイグイ
雪穂「わ、わかったよ…しょうがないなー///」
ガラガラピシャ
穂乃果「今行こー早く行こー。タコでもいーいからー♪」
雪穂「おこられるよ…」クス
穂乃果「寒い夜に熱々のたこやき!いいよねぇー」クネクネ
雪穂「お姉ちゃんがタコみたいな動きを…」
穂乃果「絵里ちゃんの指導のおかげで、こんなに柔らかくなりました!」クネクネ
雪穂「恥ずかしいからやめてよー」
穂乃果「暗いし誰も見てないって。エヘヘ」ギュー
雪穂「そうかなぁ…」
穂乃果「キスしちゃってもバレないよ♪」
雪穂「…していいの?///」
そりゃキスするだろ
チューチュータコかいな?って歌あるし
しかし穂乃果のタコダンスが見たい
穂乃果「雪穂!今日はサンクスギビングデーだよ!」
雪穂「アメリカとかカナダのなんかイベントの日だっけ?」
穂乃果「えーとね…確か七面鳥を食べる日」
雪穂「それだけ?…ほかには?」
穂乃果「知らない」
雪穂「あっそ…」
穂乃果「七面鳥って食べてみたくない!?」
雪穂「まあ少しは…でも美味しい物はほかにもいろいろあるし、別に普通のチキンとかでいいよ」
穂乃果「なによー。自ら新しい物に挑戦しないなんて、雪穂のチキン!」
雪穂「いや、別に新しくないでしょ…サンクスギビングデーの起源なんて穂むら創業より古いんじゃないの?」
穂乃果「そんな昔から七面鳥を食べる日だったわけじゃないもん!…たぶん」
雪穂「ふーん…土用の丑みたいにステマ的な方法で強引にうなぎを食べる日にしたとか?」
穂乃果「そこまでは知らないけど…ああもう、雪穂が変なこと言うから」
雪穂「なによ」
穂乃果「うなぎ食べたくなっちゃったよ!」
雪穂「知らないよ…七面鳥はどこいったの」
穂乃果「七面鳥はハードル高すぎるんだよ。神田で七面鳥食べられるお店なんて知らないし」
雪穂「まあね。高くてもうなぎのほうが馴染み深いよね」
穂乃果「でもうなぎは高い!」
雪穂「ちょっとうなぎ買ってくるー。なんて言えるレベルじゃないよね。中学生のおこづかいじゃ…」
穂乃果「高校生でも変わらないよ…よし、今日は帰りに鶏肉を買いに行こう」
雪穂「やっぱりチキンなんだ…うなぎと七面鳥はあきらめたの?」
穂乃果「鶏肉って、蒲焼きのタレみたいな味付けが合うでしょ?」
雪穂「ああ、照り焼きみたいな感じ?」
穂乃果「そうそう。やきとりのタレとかね。だからそういう味付けにして、山椒をふりかけてごはんにのせると、ちょっとうなぎっぽいんだよ!味と香りが」
雪穂「見た目と食感は全然似てないけど…」
穂乃果「そこはしょうがないよ。今日はチキンで決まり♪」
雪穂「何でもいいけど、まだ外暗いよ…雨降ってて寒いし、眠い…」ファー
穂乃果「そうだねぇ…この雨じゃ外で練習できないし、二度寝しちゃおっかなぁ」
雪穂「こっちおいでよ。お姉ちゃん」
穂乃果「うん。えへへ…雪穂ー♪」ギュー
雪穂(あったかい…♪)
ほのゆき「…」Zzz
絶滅危惧種だからね…
大人のおこづかいでもそうそう買えないよ
穂乃果「雪穂!ゆーきーほー」ユサユサ
雪穂「ん…なに、お姉ちゃん…」
穂乃果「ねえねえ、今日は何の日だか知ってる?」
雪穂「日曜でしょ…まだ夜中じゃん…」ファー
穂乃果「そうじゃなくってー」
雪穂「あー。はいはい…いい肉の日ね。お肉買いに行くの?」
穂乃果「お肉はもう買ったよ。昨日のうちに。…ね、お弁当作ってデートしようよ♪」
雪穂「う、うん…いいけど。どこ行く?」
穂乃果「それより服だよ服!デートに着ていく服、一緒に選んでよ」
雪穂(ああ…なるほど。いい服の日でもあるのか)
穂乃果「ね、雪穂はどれがいい? 私が着ていく服」
雪穂「じゃあ…これ」ムギュ
穂乃果「わんわん♪…って、これじゃデートじゃなくて犬のお散歩だよ!」
雪穂「でも可愛いよ。似合うし」ナデナデ
穂乃果「えへへー♪…でもデートだから違うのにしてよー」
雪穂「んー。あと私がお姉ちゃんに着せたいのは…これかな」
穂乃果「あ、これなら可愛いよね。水の中でも安心…ってこれ水着じゃん!」
雪穂「うん。じゃあそれで」
穂乃果「着ていく服って言ってるでしょ!水着じゃお外を歩けないよ」プクー
雪穂「上に何か着れば大丈夫だよ」
穂乃果「だからそっちを選んでよー!」
雪穂「あとは…やっぱこれかな」
穂乃果「ライブの衣装…いや、確かに可愛いし好きだけど、目立ちすぎ…」
雪穂「可愛くて目立たないなら…これ」
穂乃果「音ノ木坂の制服…いつもと同じじゃん」
雪穂「あ、そうだ…お姉ちゃん、中学の制服着てみてよ」
穂乃果「えぇ!?…な、何その怪しいプレイ…雪穂の趣味?」ジトー
雪穂「いや、しばらく見てないなーと思って。お姉ちゃん可愛いし今でも中学生に見えるよ」
穂乃果「ほめてないー!」プンプン
雪穂「…ほら、やっぱり可愛い♪」
穂乃果(結局着せられた…)
雪穂「なんかもう、このまま一緒に学校行きたい感じ?」
穂乃果「それだったら来年、雪穂が音ノ木坂に来たら一緒に行けるじゃん」
雪穂「まあそうなんだけど…あ、じゃあ音ノ木坂行かない?」
穂乃果「行かない?って…今日?」
雪穂「そ。デート♪ そしたら室内プールもあるから水着も着られるし」
穂乃果「着ていく服は?」
雪穂「それ」
穂乃果「って、なんで中学の制服で音ノ木坂に行くの…雪穂はいいけど、私完全に怪しい人じゃん!」
雪穂「だってお姉ちゃんとは同じクラスになれないし…ちょっとくらい、同じ制服で同じ教室に居たいんだよ」
穂乃果「雪穂…」
(音ノ木坂・二年教室)
雪穂「おはよう。高坂さん」
穂乃果「雪穂も高坂でしょ」
雪穂「ねえ。ちょっと話があるんだけど…いい?」ギュ
穂乃果「う、うん」ドキ
雪穂「私、前から高坂さん…穂乃果ちゃんのこと好きなんだ」
穂乃果「雪穂…さん」
海未(教室に忘れ物をしてしまいました。私としたことが…)
雪穂「穂乃果ちゃん。私の彼女になってくれないかな?」
穂乃果「う、うん。いいよ」
雪穂「ほんと!?…へへ。やった♪…よろしくね穂乃果」チュ
穂乃果「…///」
海未「」
海未わろた
しかしやたら水着を着せたがるイケナイ雪穂には
おじさんが競泳水着を着せてあげるから
膝の上においで?
雪穂「お姉ちゃん。まだ起きてたの?」
穂乃果「雪穂こそ」
雪穂「私は受験生だし勉強くらいするよ。お姉ちゃんと違って朝練もないし」
穂乃果「そっかぁ…」
雪穂「何してるの?鏡の前で…ニキビでもできた?」
穂乃果「ちがうよー。かっこいいポーズの練習!」
雪穂「…明日にすれば?」
穂乃果「可愛く見える笑顔の練習♪」
雪穂「お姉ちゃんはそのままでも充分可愛いよ」
穂乃果「雪穂ー♪」ギュー
雪穂「ふふ…で、今日は何が大変なの?」
穂乃果「別に大変じゃないけど…もう十二月になっちゃったんだなぁって」
雪穂「そうだね。今年も残り一ヶ月か…」
穂乃果「えへへ。来年は雪穂と一緒だね♪」
雪穂「ああ、私が音ノ木坂に入るってこと?…それはまだ四ヶ月以上も先だよ」
穂乃果「そうだけど、楽しみなんだもん♪」
雪穂「お姉ちゃん…私も楽しみだけどね」
穂乃果「見て見て、来年の手帳に書き込んじゃった♪」
雪穂「気が早いなぁ…」
穂乃果「雪穂の受験の日に、雪穂の合格発表の日でしょ。あと雪穂の入学式!」
雪穂「って私の予定ばっかりじゃん…それお姉ちゃんの手帳だよね?」
穂乃果「うん。雪穂のことは最優先♪」
雪穂「まあ、無事に入学式を迎えられるように頑張るよ」
穂乃果「まだ勉強するの?」
雪穂「眠くなるまでね」
穂乃果「じゃあ私も起きてる」
雪穂「いや、お姉ちゃんは朝練あるでしょ…もう寝たほうがいいよ」
穂乃果「だって雪穂と一緒に寝たいし…」
雪穂「じゃあ、こっちで勉強してお姉ちゃんのベッドで寝るから。先に寝ちゃっていいよ」
穂乃果「うん…でも、やっぱりもう少しだけ起きてる。邪魔しないから…そばにいてもいい?」
雪穂「お姉ちゃん…いいよ」ギュ
穂乃果「ありがと雪穂♪」チュ
雪穂(…勉強に集中できるかな///)
雪穂「お姉ちゃん…また夜更かししてるの?」
穂乃果「あ、雪穂」モグモグ
雪穂「…おなかすいたの?」
穂乃果「非常食ー」モグモグ
雪穂「いや、別に非常事態じゃないよね?」
穂乃果「懐中電灯や水とかと一緒に入れておいたカロリーメイトの賞味期限が近いから食べちゃった」
雪穂「なにも今食べなくても…」
穂乃果「雪穂にもあげるよ。はい」
雪穂「まあいいか…ありがと」パク
穂乃果「こんな夜中に食べると太るよー?」
雪穂「お姉ちゃんがすすめたんじゃん!」
穂乃果「アハハ。冗談だよー」
雪穂「まったく…どうせ今日は防災の日とかいって急に思い出したんだろうけど」
穂乃果「さすが雪穂、鋭い!…昨日“防災用品点検の日”だったみたい。年に四回あるんだって」
雪穂「へー」モグモグ
穂乃果「雪穂も、もっと関心もたないとダメだよー」
雪穂「そっちはお姉ちゃんに任せるよ。私はなんかあったらお姉ちゃんを真っ先に持ち出さないといけないし」
穂乃果「私は物じゃないよ!」プクー
雪穂「それくらい何よりも大事ってこと」ギュ
穂乃果「雪穂…えへへ。私も雪穂が一番大切♪」
雪穂「本当かなぁ?」
穂乃果「ホントだよー。…雪穂は今日も勉強?」
雪穂「うん。お姉ちゃんの部屋でやったほうがリラックスできるから」
穂乃果「そっか。ファイトだよっ♪」
雪穂「お姉ちゃんは早く寝るんだよっ」
穂乃果「えー。まだ眠くないよ…そうだ、歯みがいてこなくちゃ」
雪穂「そーだね」
穂乃果「雪穂も!」ギュ
雪穂「…はいはい」
雪穂(防災か…とりあえず明日、お姉ちゃん連れて神田明神でも行こうかな)
ツンツンしてるけど実は大好きっていうパターンが本当好き
雪穂「えぇ!?…またなの?」
穂乃果「ごめん雪穂…明日!明日こそはデートしよっ」
雪穂「はぁ…わかったよ。明日ね」
雪穂(最近μ'sはいろいろ忙しいみたいで、お姉ちゃんのスケジュールを押さえるのも結構大変だったりする)
雪穂「…で、今日は何があるの?」
穂乃果「えっとね、一昨日が12月3日でヒフミの日だったでしょ?」
雪穂「でしょって…そんなの初めて聞いたけど」
穂乃果「三人にはライブとかあるたびにいつもお世話になってるから、みんなでヒデコたちにお礼をしようってことになって…」
雪穂「…なるほどね」
雪穂(まあ納得いく理由ではあるんだけど、当日にやってよ…忙しくてできなかったのか)
穂乃果「ヒデコたちに内緒で準備すすめるの苦労したよー」
雪穂「へー。それでどんなことするの?」
穂乃果「それは言えないなぁ…いくら雪穂でも」フッ
雪穂「…あっそ。おやすみ」
穂乃果「あーん、雪穂ー!意地悪しないで聞いてよー!」
雪穂「いや、お姉ちゃんが言えないっていうから…」
穂乃果「実はね…」ヒソヒソ
雪穂「ふーん。ライブね」
穂乃果「ネタバラしちゃダメだよ!」
雪穂「言わないよ(…むしろお姉ちゃんのほうがうっかり言っちゃいそうな気がする)」
雪穂「…で、その大事なライブが今日あるのにお姉ちゃんはなんでこんな時間に起きてるの?」
穂乃果「いやぁ、なんかワクワクして眠れなくなっちゃって…」
雪穂「まあ、お姉ちゃんらしいけど…でもダメだよ寝なきゃ。朝は私が起こしてあげるからさ」
穂乃果「うん…そうだよね」
雪穂「ほら、おいでお姉ちゃん」
穂乃果「えへへ。雪穂ー♪」モゾモゾ
雪穂「ふふ…おやすみ。お姉ちゃん」チュ
穂乃果「おやすみ。雪穂♪」ギュー
雪穂「…ちゃん。お姉ちゃんってば」ユサユサ
穂乃果「んぅ…」
雪穂「お姉ちゃん起きて。大変だよ」プニッ
穂乃果「そうだねぇ…大変だ…」ムニャムニャ
雪穂「お姉ちゃん…起きないと…」ムギュ
穂乃果「!?…ふゎ…ゆ、雪穂!?///」
雪穂「おはよ。お姉ちゃん」
穂乃果「な、何してるの雪穂…大変じゃなくて変態だよ!」
雪穂「お姉ちゃんを起こそうとしただけだよ」
穂乃果「変な起こし方やめてよ…それにまだ夜中じゃん…」
雪穂「いや、大事なこと忘れてたからさ…」
穂乃果「昨日何か忘れ物でもした?」
雪穂「そうじゃなくて…昨日は“姉の日”だったんだよ」
穂乃果「姉の日?」
雪穂「そう。でも私、お姉ちゃんに何もしてあげてないなーと思って」
穂乃果「昨日はデートしてくれたじゃない」
雪穂「それは土曜の予定が一日ズレただけでしょ」
穂乃果「そうだけど…姉の日って母の日とか父の日みたいなもん?」
雪穂「たぶんそうなんじゃない?…私もよく知らないけど」
穂乃果「で、雪穂は何してくれるの?」
雪穂「姉の日は昨日だからもう終わったよ」
穂乃果「じゃあなんで私を起こしたのよ!」プンプン
雪穂「ごめん、ごめん。冗談だよ。じゃあ今日は私がお姉ちゃんの朝ごはんも晩ごはんもお昼のお弁当も作ってあげる」
穂乃果「嬉しいけど大丈夫?…雪穂だってヒマじゃないでしょ」
雪穂「まあ、たまにはね。最近お姉ちゃんがいろいろ作ってくれてるしさ」
穂乃果「ありがと雪穂。期待しちゃうからね?」
雪穂「任せてよ。じゃあ、お姉ちゃんは朝練あるし寝てていいよ」
雪穂(まずはお弁当のメニューから考えよう…今日は…)
穂乃果「…」スー
雪穂(お姉ちゃん…もう寝てる)クス
チュン(・8・)チュン
穂乃果(…うぅ、今日も冷えるなぁ)プルプル
穂乃果「雪穂ー?」
雪穂「あ、おはようお姉ちゃん。お弁当作ったよ」
穂乃果「わー、ありがと♪」
雪穂「今日って神戸開港記念日なんだって」
穂乃果「そうなの?…なんかお弁当と関係あるの?」
雪穂「神戸といえば!」
穂乃果「神戸牛!?」
雪穂「いや、うちに神戸牛なんかないし」
穂乃果「そうだよね…」ガクッ
雪穂「神戸といえばパンかなぁって」
穂乃果「神戸のパン?」
雪穂「いや、神戸のじゃないけど」
穂乃果「じゃあやっぱり関係ないじゃん…」
雪穂「とりあえずお歳暮でハムやソーセージの詰め合わせが届いてたから、ウインナーを使ってみた。朝はこれ食べて」
穂乃果「ホットドッグみたいな感じ?」
雪穂「サンドイッチみたいにゆで卵つぶしたのと野菜とかと一緒にパンにはさんだよ」
穂乃果「わー、美味しそう♪」
穂乃果「…もしかして、これが神戸のだったり?」
雪穂「いや、ハムとソーセージは大阪って書いてある」
穂乃果「神戸じゃないんだ…まあいいけど」
穂乃果(お弁当は何かな?晩ごはんも…楽しみだなぁ♪)
穂乃果「行ってきまーす!」
雪穂「お姉ちゃん。忘れ物」
穂乃果「え?お弁当ならちゃんと入れたよ?」
雪穂「じゃなくて…行ってらっしゃい」チュ
穂乃果「わ…雪穂///」
穂乃果(えへへ…なんか今日は雪穂が私のお嫁さんって感じ?)
穂乃果(よーし。今日も練習頑張ろう!)
よし、今日は俺の日だから雪穂の手作り弁当が食えるな
夜勤が楽しみだっワクワク!!
>>126
もう少し書ける時間ができたらスレタイ変えて立て直そうかと思ってる 穂乃果「雪穂!今日は」
雪穂「はいはい。漢字の日ね」
穂乃果「まだ何も言ってないよ!」
雪穂「言うつもりだったんじゃないの?」
穂乃果「違うよー。天気がいいから遊びに行こうって言おうと思ったのに」プクー
雪穂「デート?」
穂乃果「うん。ね、行こうよ雪穂♪」ギュ
雪穂「…いいけど」
穂乃果「漢字っていえば、雪穂と私は穂の字が一緒だね♪」
雪穂「穂むらの穂だからね」
穂乃果「こうやって、真ん中に“穂”を書いて…ほら」
雪穂「雪穂乃果?」
穂乃果「ゆきほのか…はっ!?私は雪穂のだったのか!」
雪穂「そうだよ」
穂乃果「って、あっさり断言した!?」
雪穂「いや、だってお姉ちゃんは私のでしょ」ギュ
穂乃果「雪穂…うん///」
(音ノ木坂)
穂乃果「雪穂!今日はバッテリーの日だよ」
雪穂「へー。…それで?」
穂乃果「キャッチボールをしよう!」
雪穂「グラブがないよ」
穂乃果「キャッチャーミットを借りてきたよ!」
雪穂「こんなの使ったことないんだけど…」
穂乃果「じゃあ雪穂には私のグラブ貸してあげる。ミットは私が使うよ」
雪穂「お姉ちゃんがキャッチャーなの?」
穂乃果「うん。キャッチャーは女房っていうからね!」
雪穂「ってことは私がピッチャーなんだ」
穂乃果「よーし!思いっきり投げて!」
雪穂「…」ビュン
穂乃果「いたっ!?…み、ミットめがけて投げるんだよ!」
雪穂「ごめん、ごめん。狙ってぶつけたわけじゃないよ…キャッチャーなら防具つけるんじゃないの?」
穂乃果「えー。なんか可愛くないし、重そうだし…めんどくさいよ」
雪穂「まあね…っていうかキャッチボールだけならどっちがキャッチャーとか関係ないと思うけど」
穂乃果「確かに…これだけじゃバッテリーの意味がないなぁ」
凛「大丈夫にゃ!」ピョーン
穂乃果「凛ちゃん?…急にどうしたの?」
凛「かよちんもいるよ」
雪穂「こんにちは」
花陽「こんにちは…えっと、誰かがバッターになって勝負すればいいんじゃないかなぁ?」
凛「じゃあ凛がバッターね!かよちん、勝負だよ!」
穂乃果「えっと…私がキャッチャー?」
花陽「うん。私が投げるから…」
雪穂「…あれ、私は!?」
穂乃果「雪穂は私を応援して!」
雪穂(でも、これって…お姉ちゃんたちが勝ったら、花陽さんとお姉ちゃんがベストバッテリーってことにならない?)
雪穂「凛さん!頑張って!」
穂乃果「なんで!?」
雪穂「ボール」←審判
穂乃果「ちょっとー!今のストライクでしょ!?」
雪穂「いや、胸元近くのボールだったし。バッターが凛さんだから平気だけど、希さんならデッドボールだよ」
穂乃果「そっか」
凛「なんか不本意だにゃー!><」
カーン
花陽「ああっ!?」
凛「やったにゃ!」タタタ
穂乃果「ちょ、外野誰もいないじゃん!」
雪穂「ランニングホームランだね」
凛「楽しかったー!」
花陽「じゃあ、またね」
雪穂(凛さんたちは何しに来たんだろう…二人もデート?)
穂乃果「おなかすいたー」
雪穂「おにぎり作ってきたけど食べる?」
穂乃果「いつの間に!?」
雪穂「ふふ…はい。お姉ちゃん」
穂乃果「ありがと。中身は何かなー? いただきます♪」
穂乃果「明太子だ」モグモグ
雪穂「今日は明太子の日なんだって」
穂乃果「へー」
雪穂「あとロシア憲法記念日」
穂乃果「ロシア?」
『ハラショー!』
穂乃果(絵里ちゃんと亜里沙ちゃんのイメージしかないけど…)
雪穂「ロシア産の明太子なんだ」
穂乃果「え?ロシアで明太子作ってるの?」
雪穂「じゃなくて材料のスケトウダラ?の卵がロシア産なの」
穂乃果「ふーん…よくわかんないけど美味しい♪」
雪穂「次はどこ行こっか?」
穂乃果「えーとね…」
♪ダッテーカノウセイカンジタンダ ソーダ ススーメー
雪穂「お姉ちゃん?…どっか出かけてんの?」
『ううん。部屋にいるよ』
雪穂「えぇ…じゃあなんで電話してんのよ…切るよ?」
『待って雪穂。大変なの!』
雪穂「はいはい。今日は東京駅が完成した日なんだよね。でももう夜だし出かけるなら明日にしようよ」
『もちろん明日は雪穂とデートの予定だけど、そうじゃなくて』
雪穂「っていうか、そっち行くから。電話切るよ」
『まっt』
穂乃果「もー!なんで切っちゃうの!」プンプン
雪穂「いや、だって顔見て直接話したいし。電話じゃ触れないじゃん」ギュ
穂乃果「そうだけど…ねえ雪穂。一昨日は何の日だったか知ってる?」
雪穂「二日も前じゃん…知らないよ。相棒面白かったね」
穂乃果「角田課長いきなり撃たれちゃってびっくりしたよね!…って違うよー」
雪穂「だから知らないってば。何の日だったの?」
穂乃果「電話創業の日!」
雪穂「へー。それで電話か…」
穂乃果「そうだよ。最近あんまり雪穂と電話してなかったから」
雪穂「まあ、わざわざ電話しなくても一緒にいる時間長いし…」
穂乃果「でもほら、面と向かってはなかなか言えないことも電話なら言えたりしない?」
雪穂「お姉ちゃん、私に言えないことなんてあるの?」
穂乃果「ううん。何もないけど」
雪穂「私もないよ」
穂乃果「雪穂ー♪」ギュー
雪穂「はいはい。一昨日のことなんかいいから、明日のデートの相談でもしようよ」
穂乃果「えへへ。そうだね…じゃあどこ行こっか?」
ホノカー!ユキホー! ゴハーン!
ほのゆき「はーい!」
穂乃果「雪穂ー♪」タタタ
雪穂「あれ、お姉ちゃん髪まだ結んでないじゃん。座って」
穂乃果「うん」
シュル キュ
穂乃果「ありがと♪ねえねえ、似合う?」
雪穂「服?…うん、可愛いよ。…タイツ?」
穂乃果「オーバーニーソ♪」ピラッ
雪穂「ふーん…っていうかスカートめくったらダメだよ///」
穂乃果「外ではしないよ。雪穂にしか見せないもーん」
雪穂「こんなんであったかいの?」
穂乃果「わ…雪穂、なんか触り方がエッチぃ///」
雪穂「気のせいでしょ。…まあ、ちょっと脱がしたくなるけど」
穂乃果「脱いだら意味ないよー」
雪穂「いいじゃん。ちょっとだけ触らせてよ」
穂乃果「もう触ったでしょ」
雪穂「いや、脱がして触るの」
穂乃果「ニーソを?」
雪穂「じゃなくて、お姉ちゃんの脚」
穂乃果「…変なこと考えてない?」ジトー
雪穂「ないよ」
穂乃果「もう…しょうがないなぁ。ほどほどにしてよ?」
雪穂「わかってるって」ヌガシ
ペタペタ
穂乃果「ふふ…くすぐったいよー」
スリスリ
穂乃果「あっ…ちょ、ちょっと…何やってるの雪穂!?」
雪穂「触ってるだけだよ?」
穂乃果「だって顔を///…変態さんみたいだよ!」
雪穂「変態じゃないよ。お姉ちゃんにしかしないから」
穂乃果「当たり前だよ!ほかの人にこんなことしたら怒るよ!」プンプン
雪穂「もう怒ってるじゃん…」ナデナデ
穂乃果「…えへへ♪」ギュ
雪穂「今日のお姉ちゃんはいつも以上に可愛く見える気がしたから、つい…ね」
穂乃果「気のせいじゃないよー。今日は雪穂とデートだから、いつもより本気出してるんだもん♪」
雪穂「そっか。…で、今日は何の日なの?」
穂乃果「今日?…えーと」ポチポチ
穂乃果「211年にローマ帝国のゲタ帝がカラカラ帝に殺害された日」
雪穂「ゲタがカラカラ?…ゲゲゲの鬼太郎?」
穂乃果「カラン♪コロン♪カランカランコロン♪…違うよ。ローマ皇帝の名前がゲタさんっていうの」
雪穂「カラカラは?」
穂乃果「えーとね…カラカラのほうは本名じゃなかったみたい。カラカッラっていうフードつきチュニックをいつも身につけてたからそう呼ばれるようになった…とか」
雪穂「じゃあゲタさんはゲタ履いてたの?」
穂乃果「ゲタさんは名前がゲタなの」
雪穂「ふーん…どっちにしてもずいぶん昔の話だよね。211年って…」
穂乃果「…」ジワ
雪穂「え」
穂乃果「…ひどい」ポロポロ
雪穂「ちょ…なんで泣いてるの!?」
穂乃果「…」スッ
雪穂「なになに…あー、ゲタさんはカラカラの弟だったのか…うわ、こりゃひどい」
雪穂(兄弟は非常に仲が悪く…カラカラ帝は弟を殺して帝国を支配すると、身内から一般人まで罪もない人々を次々と虐殺…とんでもない皇帝だったみたいだね)
雪穂「ま、まあ…私たちは仲がいいから大丈夫だよ」
穂乃果「…うん」グス
穂乃果「私は絶対、雪穂にひどいことしないよ…ケンカしたって、大好きだから…」ギュー
雪穂「うん。私も大好きだよ…お姉ちゃん」チュ
穂乃果「えへへ…あ、そういえば今日は“家族ふれあいの日”なんだよね」
雪穂「それって毎月あるやつだっけ?」
穂乃果「うん。何する日なのか知らないけど」
雪穂「いつも触れ合ってるからいいんじゃない?」
穂乃果「そうだね。ふふふ」
雪穂「帰ったらお父さんとお母さんの肩でも揉んであげよっか」
穂乃果「いいね。忘れないようにメモしとこ…」
雪穂「じゃあ行こ、お姉ちゃん」ギュ
穂乃果「うん♪」
トプン ザバー
穂乃果「いい香りだねー♪」
雪穂「そうだね。ゆず湯は美肌効果もあるらしいし」
穂乃果「いつものお風呂より一段とあったまる感じだよねー♪」
雪穂「最近ぐっと冷え込むようになったもんね」
穂乃果「どう?キレイになった?私の肌!」
雪穂「いや、そんなすぐ効果は出ないと思うけど…」
穂乃果「えぇー?…でもほら、雪穂の肌はキレイだよ♪」ペタペタ
雪穂「そりゃどうも。なんたって若いですから」フッ
穂乃果「なにー?私だってまだ17歳だよっ!」
雪穂「どれどれ…」プニッ
穂乃果「ひゃ…ちょっと雪穂、どこ触ってるの!」
雪穂「キレイになったかどうか確かめようと思って」
穂乃果「そんなすぐ効果出ないって言ったくせに」ジトー
雪穂「まあ毎日ゆず湯に入るんじゃなければそんなに変わらない気もするけどね…」
穂乃果「毎日ゆず湯に入るためには…そうだ!音ノ木坂の敷地にゆずの木をたくさん植えて…」
雪穂「いやいや、今から植えても収穫はいつになるのよ?…私はともかくお姉ちゃんは卒業しちゃってるんじゃない?」
穂乃果「そしたら雪穂が私のためにゆずを採ってきてくれるでしょ?」
雪穂「それは構わないけど…でも勝手にゆずの木なんか植えられるかなぁ? ことりちゃんのお母さんが許可してくれるかどうか」
穂乃果「そこはほら、きっと年齢的に私たちより理事長のほうがお肌のケアが必要だし。ゆずの美肌効果をアピールすれば…」
雪穂「…なるほど」
穂乃果「なんたって女子校だからね!お肌にいい物ならみんな賛成してくれるよ♪」
雪穂(ゆずが実る頃には、今いる“みんな”の多くが卒業しちゃってるような気もするけど)
雪穂「でも木を植えられるスペースなんてあるの?」
穂乃果「んー。まあなんとかなるんじゃない?」
雪穂(お姉ちゃんが何か思いついたときって大抵こんな感じだよね。スクールアイドル始めたときと同じ)クス
穂乃果「みんなのー夢ーの木ーよ育てーー♪…さぁ」
ほのゆき「大好きだ ばんざーい♪」
ザァァァ…
雪穂「お姉ちゃん?…まだ起きてたの?」
穂乃果「大丈夫かなぁ…」
雪穂「何が?」
穂乃果「サンタさん」
雪穂「へ?…あぁ(昔のこと思い出してたのか)」
(?年前)
雪穂「おねえちゃん…おきてたらサンタさんこないよ」
穂乃果「でも雨ふってるし…今日はもう来ないんじゃないかな」
雪穂「だいじょうぶでしょ。いっぱいプレゼントもってるんだから、かさもあるよ」
穂乃果「そうかなぁ…」
雪穂「もう…じゃあ、かさをおいておけば。そしたらサンタさんがかさわすれてもつかえるでしょ」
穂乃果「そっかぁ!そうしよう。雪穂、あたまいい♪」ナデナデ
雪穂「えへー♪」キャッキャ
穂乃果「たくさんおいておこーっと♪」ズルズル
雪穂「それおとうさんとおかあさんのかさだよ。…おこられるよ?」
穂乃果「だってトナカイさんもいるんだよ?ぬれたらかわいそうだよ!」
雪穂「あ、そっか…じゃあゆきほのもかしてあげる」
穂乃果「うん。ありがと♪」
穂乃果「ここに来るまでにぬれちゃってるかもしれないからタオルもおいておこう」
雪穂「まだねないのー?」ファー
穂乃果「まって。あとさむくないようにマフラーと、ぼうしと、てぶくろと…コート!」
雪穂(サンタさんおとなだからおねえちゃんのてぶくろじゃちいさすぎるよ…まあいいか)
ほのゆき「…」スヤスヤ
父「…!?」
母「な、なにこれ?…穂乃果ね…まったく」クス
母(手をつないだまま寝てる…ふふ、いつまで仲良しでいてくれるかしら)
パラパラ…
穂乃果「あ…雨、だいぶ弱くなったね」
雪穂「もう寝ようよ。起きてたらサンタさん来ないよ」
穂乃果「雪穂…ふふ、そうだよね」
雪穂「メリークリスマス。お姉ちゃん」ギュ
穂乃果「えへへ…メリークリスマス♪」チュ
ほのゆき「…///」
穂乃果(…あのとき、私のコートも手袋もお父さんの傘も…起きたら全部元の場所に戻ってた。それでサンタさんじゃなくてお母さんだなって思ったんだよね)
雪穂(でも…どこの誰だかわからないサンタクロースより、お父さんとお母さんの愛情のこもったプレゼントのほうが嬉しいし)
穂乃果(…それに、少女漫画みたいな恋愛よりも)
雪穂(おとぎ話の王子様じゃなくて…私にはお姉ちゃんが一番なんだ♪)
穂乃果(雪穂…)
ほのゆき(大好き♪)ギュー
グツグツ…
雪穂「ほ?」
穂乃果「ホワイト。今日は元メジャーリーガー、ロイ・ヒルトン・ホワイト外野手の誕生日なんだって」
雪穂「へえ…全然知らない…」
穂乃果「それと昨日は“プロ野球誕生の日”だったらしいよ。こっちは日本の野球だね」
雪穂「それで急に野球の話だったのか…でも私あんまり見ないし、巨人やヤクルトの選手でも半分もわからないよ」
穂乃果「私も…今年のスタメンすら怪しいくらい。巨人とかよく入れ替わるし」
雪穂「それより、さっきから美味しそうな匂い…味噌煮込みうどん?」
穂乃果「違うよ。これは“ほうとう”っていうの。山梨県の郷土料理」
雪穂「ワイルドピッチ?」
穂乃果「それは暴投でしょ」
雪穂「古舘さん辞めるんだって?」
穂乃果「それは報道ステーション」
雪穂「スタンドに飛び込むファウルボールには、くれぐれもご注意ください」
穂乃果「それは…放送?…じゃなくて、ほうとうだってば!」
雪穂「名前くらいは聞いたことあるけど…うどんとほうとうってどう違うの?」
穂乃果「麺をゆでるんじゃなくて、生麺の状態から野菜とかと一緒に煮るの。あと麺に塩を入れないんだったかな?」
雪穂「ふーん…よくわからないけど美味しそうだね」
穂乃果「あったまりそうだよね♪…そろそろいいかな?」
雪穂「気をつけてね…ひっくり返さないでよ」
穂乃果「そんなドジじゃないもん」プクー
母「あら、できたの?」
穂乃果「あ、お母さん。…と、お父さんも今日は一緒だね」
父「…」ウム
母「穂乃果のお父さん、略して穂おとう!なーんてね♪」
雪穂「寒い寒い…早く食べよう」
穂乃果「そうだね…」
母「なによー!」プクー
父「…」ヤレヤレ
イタダキマース♪
穂乃果「雪穂ー♪」ギュ
雪穂「ん、なに?」
穂乃果「あーん」
雪穂「いちご?ありがと」パク
穂乃果「まだ寝ないのー?」
雪穂「ひゅくだい、早めに終わらせたいから」モグモグ
穂乃果「私にもかまってよー」
雪穂「しょうがないな…で、今日は何の日なの?」
穂乃果「えーとね…錦織圭の誕生日」
雪穂「へー。…まさか、今からテニスやろうとか言い出すんじゃないでしょうね?」
穂乃果「言わないよ。夜だし、寒いし、明日になったら関係ないし…」
雪穂「お姉ちゃんは眠くないの?」
穂乃果「あんまり。雪穂が一緒に寝てくれるならすぐ眠れそうだけど♪」
雪穂「お姉ちゃんも宿題でもやったら?」
穂乃果「えー!せっかく雪穂と一緒にいるのにそんなのつまんなーい」
雪穂「そんなこと言われても…お姉ちゃんにかまってたら私も進まないんだけど」
穂乃果「じゃあ私が雪穂の宿題手伝ってあげる♪」
雪穂「お姉ちゃんにわかるのー?」フッ
穂乃果「中学の問題でしょ。数学以外なら楽勝だよっ」
穂乃果「えーと…1911年、モンゴルが( )からの独立を宣言。これは…中国っと」
雪穂「ちょっと待って。百年以上前の話だよ?中国は中国だけど国名が違うでしょ」
穂乃果「あ…そっか。えっと…唐?」
雪穂「古すぎ!この時代は“清”だよ」カキカキ
穂乃果「やめやめ!昔のことばっかり振り返ってもしょうがないよ。もうすぐ今年も終わりなんだよ?」
雪穂「いや、歴史ってそういうものだから…」
穂乃果「それより冬休みなんだから、雪穂は私をどこへデートに連れてってくれるか考えるべきだよね」
雪穂「今年のうちにできるだけ宿題終わらせて、お正月は安心して遊べるようにしたいよね」
穂乃果「むー」
雪穂「手伝ってあげるから。お姉ちゃんもちゃんとやろう?」
穂乃果「はーい…」
穂乃果「雪穂ーあけおめー」
雪穂「はっぴーにゅーいやー」
穂乃果「もー!あけおめって言ったら、ことよろーでしょ!」
雪穂「どうでもいいよ…こだわるくらいなら略さないで言いなよ」
穂乃果「ふーんだ。新年だからって浮かれる気持ちもわかるけど、年月の区切りなんて割と最近になってから誰かが決めた物に過ぎないんだよっ」
雪穂「お姉ちゃんにしては賢そうなことを…まあ、穂むら創業の頃には旧暦だったはずだから確かにそうだけどさ」
穂乃果「そうだよ!私たちは新年最初の日ということだけにとらわれず、365分の1に過ぎない一月一日という日に注目してみたいと思います!」
雪穂「ちなみに今年は閏年だから366日なんだけどね」
穂乃果「そーゆー細かいことはいいのっ!」
雪穂「さっきから細かいことにこだわりまくってるのはお姉ちゃんのほうだけど…」
穂乃果「雪穂、着物似合うよ。可愛い♪」
雪穂「へ?…あ、ありがと…お姉ちゃんも綺麗だよ///」
穂乃果「えへへ。ありがと♪」ギュ
雪穂「…それで、一月一日は何の日なの?」
穂乃果「えーとね…1999年に携帯電話の番号がそれまでの10桁から、現在と同じ11桁に変わった日!」
雪穂「へー。私が生まれる前か…お姉ちゃんは覚えてる?」
穂乃果「ううん。全然…物心ついたときから既に11桁だった記憶しかない…どういう感じで変わったのか想像もつかないよ」
雪穂「そりゃそうだよねぇ」
ほのゆき「…」
雪穂「全っ然広がらない話題だったね…」
穂乃果「そ、そうだね…多分これも新年最初の日から施行されたってだけだし…」
雪穂「一月一日で、お正月と何も関係ないことを探すのって難しそうだね」
穂乃果「そうだねぇ…あ、雪穂。お正月だからお年玉をあげよう!」ゴソゴソ
雪穂「え?いいよ別に…」
穂乃果「いいから。はい、どーぞっ♪」
雪穂「ありがと…(アンパンマンのポチ袋…お母さんから貰ったやつじゃん)」
雪穂「…なにこれ?外国のお金?」
穂乃果「そ。ロシアルーブル紙幣」
雪穂「なんでそんなの持ってんの…10ルーブルか。何円くらい?」
穂乃果「16円」
雪穂「やっす!?何も買えないよ!」
穂乃果「ロシアでは買えるんじゃない?」
雪穂「いやロシア行かないし…どうしたのこれ」
穂乃果「絵里ちゃんがくれたの。八枚あったから一枚あげる♪」
雪穂「そりゃどうもね…じゃあ私からもお姉ちゃんにお年玉」ガサゴソ
穂乃果「え、くれるの?」
雪穂「はい」
穂乃果「え、何このボロい紙きれ…ずいぶん古そうだけど」
雪穂「日本のお金だよ。お札」
穂乃果「これが?…何か書いてある…ご…ぜに」
雪穂「五銭札だよ」
穂乃果「樋口一葉じゃないの?」
雪穂「樋口さんは五千円でしょ。これは五銭」
穂乃果「いや、もう夕方だよ」
雪穂「午前じゃなくて五銭!」
穂乃果「真姫ちゃんがたくさん持ってるよ」
雪穂「五線譜じゃなくて五銭!」
穂乃果「…で、五銭ってどれくらいの価値なの?」
雪穂「確か100銭で1円だから、1円の5%だね」
穂乃果「やすっ!?何も買えないよ!」
雪穂「ちなみに一円未満の通貨の流通が停止されたのも1954年の一月一日だったらしいよ」
穂乃果「へー。って、それじゃ今は使えないってこと?」
雪穂「たぶん…」
穂乃果「それじゃ持ってても意味ないじゃん!」プンプン
雪穂「穂むらは旧暦の頃からあるからね…それでうちに残ってたんだと思うよ」
穂乃果「ん?…ってことは、もしかして…この五銭札、プレミアがついてたり!?」
雪穂「いや、発行された数が多いし金額も安いから…大した価値はないみたい」
穂乃果「なーんだ…」ガッカリ
雪穂「でも縁起物なんだよ。死線を越える五銭って言って…昔の人はお守りの代わりに持ってたんだって」
穂乃果「ふーん…お守りかぁ」
雪穂「だからお姉ちゃんにあげるよ。お姉ちゃん、うちで一番それが必要そうだもん」
穂乃果「危なっかしいって言いたいの?」
雪穂「それもある」
穂乃果「なによー」プクー
雪穂「けど…何より、お姉ちゃんが私にとって大切な人だからだよ」ギュ
穂乃果「雪穂…///」
雪穂「えへへ。今年もよろしくね、お姉ちゃん」
穂乃果「こちらこそ…今年と言わず末長〜く、よろしく!雪穂♪」
穂乃果「雪穂!書き初めしようよ。書き初め!」
雪穂「あぁ、渋柿の未熟な実を収穫して染料を抽出するんだよね」
穂乃果「いや、その柿染めじゃなくて…」
雪穂「普通郵便より高額だが配達の記録が残り、実損が生じた場合通常10万円まで補償される」
穂乃果「それは書留でしょ!」
雪穂「大分県宇佐市出身の元幕内力士。177cmと小柄だが突き押しを得意とし、三役(東小結)まで昇進した。2012年に32歳で引退」
穂乃果「それは垣添(かきぞえ)!…じゃなくて、書き初めやろうよー!」
雪穂「どうしたの急に。冬休みの宿題?」
穂乃果「いや、宿題じゃないけど。お正月だからいいでしょ?」
雪穂「まあいいけど…お姉ちゃん、今度は書道にでも目覚めたの?」
穂乃果「なんとなく何か書きたい気分なの!…こう、燃えるような思いを文字にして表現したいっていうか」
雪穂「ああ、そういえば書き初めで書いた紙は左義長の日に燃やすんだっけ」
※1月15日。三毬杖とも
穂乃果「そうそう。どうせ燃やしちゃうんだから、学校の課題では書けないようなこと書いちゃおう♪」
雪穂「んー。まあ、たまにはいいか…」
穂乃果「よーっし。そうと決まれば早速道具を用意しよう!」
(10分後)
穂乃果「じゃーん!」
雪穂「うわ、でかっ…そんな紙どこから持ってきたの?」
穂乃果「えへへ。企業秘密だよっ♪」
雪穂「(大雑把な)お姉ちゃんには似合ってるけどね…」
穂乃果「何か言った?」
雪穂「べつにぃー。私はこれくらいので充分かな」
穂乃果「東京判だね」
雪穂「東京?」
穂乃果「そう。半紙三枚判より幅も長さもちょっとずつ大きめなの」
雪穂「へー。お姉ちゃんにしては詳しい…」
穂乃果「海未ちゃんが教えてくれたんだけどね。ちなみに私のは半切」
穂乃果「よーし。書くぞー!」
雪穂「おー」
ドバー サラサラ
穂乃果「できた!」
雪穂「…大入?」
穂乃果「お客さんがたくさん来るように!」
雪穂「それ、燃やしたらまずいんじゃ…」
穂乃果「あ、そうかも…お店に飾っとこうか?」
雪穂「上手とは言い難いけど…」
穂乃果「なによー。そういう雪穂は…って、私!?」
雪穂「そう。穂乃果!」
穂乃果「なんで私の名前書いてるの…そんなの燃やされたら私、呪われそうじゃん!」
雪穂「じゃあ、これもお店に飾っておこう」
穂乃果「恥ずかしいからやめてよー!」
雪穂「ふふふ」
雪穂(好きな字を書こうと思ったら、つい…やっぱり私が一番好きなのはお姉ちゃんだからね♪)
穂乃果「雪穂ー♪」スリスリ
雪穂「なに?」
穂乃果「お正月も終わっちゃうねぇ」
雪穂「そうだね。でもまだ冬休みだよ」カキカキ
穂乃果「まだまだ雪穂とデートできるね♪」
雪穂「まあねー」
穂乃果「もー。宿題なんか後でいいから、ちゃんと話きいてよー」
雪穂「私、一応受験生なんだけど」
穂乃果「それはそうだけど…雪穂なら大丈夫って信じてるから!」
雪穂「お姉ちゃんでも受かったもんね。音ノ木坂」
穂乃果「むー。それどういう意味!?」プクー
雪穂「言葉通り…あっ、メガネ取らないで!」
穂乃果「今日は何の日だか知ってる?」
雪穂「知らないよ。メガネ返してよ」
穂乃果「瞳の日!」
雪穂「ああ、一月三日で語呂合わせね。…それで?」
穂乃果「瞳の日って眼鏡とコンタクトレンズの業界が作ったみたい」
雪穂「なるほど。じゃあメガネにも関係あるんだ」
穂乃果「そうだよ。雪穂はメガネなんかかけなくても可愛いんだから」
雪穂「いや、別にオシャレでメガネかけてるんじゃないし」
穂乃果「レンズ越しじゃなくて、直接私を見つめてほしいの!」
雪穂「普段は裸眼で見てるじゃん…」
穂乃果「裸眼とか言っちゃって…武装してるのが当たり前で何も持ってないと丸腰とか言っちゃう感覚!?もう私は一般人じゃないのよっていう」
雪穂「厨二病みたいに言わないでよ。たかがメガネくらいで…」
穂乃果「メガネかけてもいいから、もっとかまってよー」
雪穂「いや、お姉ちゃんにかまうだけだったらメガネかける必要ないし…明日遊んであげるから、今日はおとなしく寝てよ」
穂乃果「まだ眠くないんだもーん」
雪穂「起きてても何もすることないでしょ?…お姉ちゃんも宿題やったら?」
穂乃果「ううん。やらない」
雪穂「(言い切った…)じゃあ何するつもりなの」
穂乃果「んー。なんか、お正月でやり残したことないかなぁ?」
雪穂「お正月っぽいこと?…何だろ…」
ほのゆき「うーん…」
穂乃果「ググってみよう!」
雪穂(今のうちに少しでも宿題を…)カキカキ
穂乃果「ゆ、雪穂…大変だよ!」
雪穂「またか…何が大変なの?」
穂乃果「一月三日は駆け落ちの日なんだって!」
雪穂「へー。そんなのあるんだ…新年早々、穏やかじゃないね」
穂乃果「私たちって姉妹だし、そんな展開もありかも!?」
雪穂「いや、どこ行っても姉妹で結婚できる国とか無さそうだけど…」
穂乃果「愛があれば何とかなるよ!」ギュ
雪穂「あー、ひとつ残念なお知らせがあるよ」
穂乃果「えっ…何?」
雪穂「もう一月四日になってる」
穂乃果「…あ」
雪穂「まあ、駆け落ちなんかしなくたって…一緒に居られればいいんじゃない?」ギュ
穂乃果「そうだね。えへへ♪」
穂乃果「おいしーい♪」
雪穂「こっちもなかなか…」モグモグ
穂乃果「今日は一月五日!といえば、やっぱり…」
雪穂「いちご?」
穂乃果「だよねー♪いちご大好き!」パク
雪穂「こっち食べてみた?スカイベリーっていう品種なんだけど」
穂乃果「634メートルの…」モグモグ
雪穂「それはスカイツリーでしょ」
穂乃果「西瓜の果汁や果肉にゼラチンを加えて固めた」
雪穂「それはスイカゼリー!」
穂乃果「ミソハギ科の落葉樹。夏から秋にかけて赤やピンクの花が咲く。その名のとおり猿も滑り落ちそうなほどスベスベの樹皮が特徴」
雪穂「それは百日紅(サルスベリ)!」
穂乃果「…で、なんだっけ?」
雪穂「お姉ちゃんにはあげない」
穂乃果「えー!ひどいよー」クスン
雪穂「まったく…スカイベリーだよ。食べてみて」
穂乃果「わー、大きいイチゴ!いただきます♪」パク
雪穂「でも、これ高いんだよね…もうちょっと安くならないかなぁ」
穂乃果「んー」モグモグ
雪穂「どう?」
穂乃果「おいしいけど…とちおとめのほうが好きかも」
雪穂「私は、やっぱりこれかな。さがほのか!」
穂乃果「雪穂…私を食べるの?」プルプル
雪穂「ふふふ…食べちゃうぞー!」カプ
穂乃果「きゃー♪」
雪穂「…まあ、どれも美味しいよね」モグモグ
穂乃果「そうだねぇー♪」
雪穂「じゃあ、次は穂乃果を味見しようかな」チュ
穂乃果「んっ!?…ゆ、雪穂///」
雪穂「ふふ、やっぱりお姉ちゃんが一番おいしい♪」
穂乃果「もう、何言ってるの…えへへ///」ギュー
穂乃果「かぶ、大根、せり…」
雪穂「お姉ちゃん。何してるの?」
穂乃果「雪穂!今日は六日年越しだよっ」
雪穂「六日年越し?…なにそれ」
穂乃果「明日、一月七日を“七日正月”と言って、もう一回お正月が来ると考えて二回目の年越しをするの。昔からある風習なんだって」
雪穂「そんなの聞いたことないけど…じゃあ、今日も年越しそば?」
穂乃果「その予定♪ちなみに、こっちは明日の七草がゆの材料」
雪穂「うわぁ、普段はまず食べない雑草がいろいろ」
穂乃果「雑草って言わないでよー!…まあ、確かに四種類くらいは七草がゆ以外ではほとんど食べないけど…ちゃんと全部食べられるんだから」
雪穂「名前が二種類あったりしてややこしいんだよね…」
穂乃果「前日のうちに“七草囃”を歌いながら準備するんだって」
雪穂「ななくさばやし?…五人囃子みたいなやつ?」
穂乃果「どうなんだろ…もしそうなら、七人で歌う歌とか?」
雪穂「これからのsomedayだね」
穂乃果「あ、いいね!これから寒〜い日が続くでーっていう寒中お見舞いソングとして、ぴったりの曲♪」
雪穂「寒い寒い…」
穂乃果「なによー。いいから歌おう♪」
雪穂「二人しかいないけど…」
穂乃果「二人いれば歌えるよ♪じゃあ、いくよー!」
雪穂「はいはい…」
穂乃果「わたーしたーちのおもーいが、あつまーれば なんとーかーなーるかも♪」
雪穂「ちいーさなーちからだーけど、そだてーたいゆめーがある♪」
マーダマダマダマダコレカラ♪
穂乃果「これで春の七草にスピリチュアルなパワーが…」
雪穂「ないない」
穂乃果「よーし!次は年越しそば…あれ?」
雪穂「これってラーメンじゃ…」
母「昨日食べたスカイベリーあったでしょ。あれ買ったときオマケで貰ったの」
雪穂「ってことは、栃木のラーメン?」
穂乃果「さのまるのやつだ!」
母「そ。栃木の佐野ラーメン」
穂乃果「年越しそばは?」
ほの母「似たようなものでしょ」
凛「全然違うにゃ!」
穂乃果「なんで凛ちゃんいるの!?」
凛「穂乃果ちゃんが凛を呼ばずに地方の名物ラーメンを食べるなんてありえないでしょー?」
穂乃果「呼んだっけ?…まあいいか」
きぃほのゆきりん「いただきます♪」
凛「お正月に酷使した胃にもやさしいあっさり醤油味!飲みやすくてコクのある澄んだスープに…」ゴク
凛「食べごたえ満点の中太ちぢれ麺!」ズズーッ
凛「うぅーっ、テンション上っがるにゃー!>ω<」
穂乃果「割と美味しいね」
雪穂「うん。普通に美味しい」
凛「店長!おかわり!」
ほの母「ないわよ」
凛「うぅ…ごちそうさま」シクシク
穂乃果「凛ちゃん、もう夜だし泊まってく?」
凛「大丈夫にゃ!」ピョーン
凛「じゃあねー!」タタタ
穂乃果「走って帰っちゃった…」
雪穂「じゃあ、お風呂入ろっか」
穂乃果「うん♪」
トプン ザバー
ほのゆき「ふー」
穂乃果「調べてみると七日正月のほかにも小正月とか旧正月とかいろいろあるんだねー」
雪穂「何回お正月やるのよ…冬休みは明日で終わりだし、あんまり関係ないけどさ」
穂乃果「でもお正月にやり残したことを七日正月とか小正月にできると思えばお得じゃない?」
雪穂「まあね…」
穂乃果「今年はどのお正月も雪穂と一緒だ♪」ギュ
雪穂「毎年一緒だよ。…えへへ///」
穂乃果「大変だよ雪穂!」
雪穂「はいはい。今日は何?」
穂乃果「今日じゃなくて一昨日!カレーを食べ忘れたんだよ…」
雪穂「えぇ…今頃一昨日の話?…七草がゆの日だったし…七日正月っていうからお雑煮まで食べたよね」
穂乃果「1558年の1月7日にフランスがカレーを奪還したんだって」
雪穂「なにそれ?…フランスなのにカレー?」
穂乃果「うん。それまでイングランド領だったみたいだけど」
雪穂「あー、もしかして地名がカレーっていうの?」
穂乃果「そうそう。でも、それ見たらカレー食べたくなっちゃって」
雪穂「なるほどね。でも今から食べたら太るよ…」
穂乃果「そうだよね…二日遅れになっちゃったけど夜食べようかな」
雪穂「一昨日といえば“千円札の日”だよね」
穂乃果「そうなの?」
雪穂「うん。確か二代目?だかの千円札が最初に発行された日らしいんだけど…」
穂乃果「これ?」
雪穂「あ、夏目漱石…いや、それよりずっと古いやつらしいよ。お母さんも生まれる前のじゃないかな?…確か聖徳太子」
穂乃果「へー。そんな昔から千円札ってあったんだ…」
雪穂「ん?…いや、聖徳太子(厩戸王)の時代に千円札があったんじゃないからね?千円札に描かれてる人が聖徳太子だった時代があるだけで」
穂乃果「そ、そんなことわかってるよ!」プクー
雪穂「飛鳥時代じゃ、さすがに穂むらもないからねぇ…」
穂乃果「和菓子みたいな物も無かったのかな?…砂糖が手に入らなかったっぽいから」
雪穂「どうなんだろう…資料が少なすぎてよくわかんないや。学校で習う歴史って普通の人の食生活とか全然教えてくれないよね」
穂乃果「そうだねぇ…政治とか宗教とか戦争の話ばっかりだね。とりあえず七草がゆは平安時代からあるみたいだけど」
雪穂「まあ、うちにはいつだって和菓子があるし…食べたくなったらパンもカレーも食べられるし、いい時代に生まれてよかったね」
穂乃果「うん!…でも私、雪穂と一緒なら千年前でも二千年前でも、きっと幸せだよ♪」ギュ
雪穂「お姉ちゃん…それは私だってそうだけどさ///」
穂乃果「…あれ、でも二千年前って何時代だっけ?」
雪穂「えーと…弥生時代?」
穂乃果「和菓子もパンもカレーも無さそう…」
雪穂「音ノ木坂もないし、スクールアイドルもないよ」フッ
穂乃果「もう!雪穂の意地悪ー!」
雪穂「私のせい!?」
雪穂「お姉ちゃん…あれ、まだ起きてる」
穂乃果「ん、なに雪穂?…寝てると思って来たの?」
雪穂「いや、さすがに寝てるかなと思ったんだけど」
穂乃果「…夜這い?///」ドキドキ
雪穂「…お姉ちゃんでもそんな言葉知ってるんだ」
穂乃果「子供扱いしないでよ。私お姉ちゃんだよ!」プクー
雪穂「はいはい」ナデナデ
穂乃果「えへへ。雪穂ー♪」ギュ
雪穂「まあいいか…夜這いってことにしとこう」ギシ
穂乃果「わ…ちょ、ちょっと雪穂!?///」ドサ
雪穂「で、今日は何が大変なの?」チュ
穂乃果「んっ…普通に話そうよ///」
雪穂「まあいいじゃない。抱き合ってるとあったかいし」
穂乃果「えっと…今日はスキーの日」
雪穂「へー。…でも普通に学校だしスキーなんか行けないよね」
穂乃果「そーだね。冬休み中にしてくれたらいいのに…まあ日本にスキーが伝わった日?らしいけど」
雪穂「そうなの?…あ、あれだ。レルヒ少佐」
穂乃果「そうそう。新潟で日本の軍人?にスキーを教えたのが始まりなんだよね」
雪穂「明治時代の人でも考えないよね…スキー場でかまくら作ろうなんて」
穂乃果「うぐっ…あ、あれはもう忘れてよー」
雪穂「ふふ…でも私なら、お姉ちゃんと二人きりだったらそんなのもありかな♪」
穂乃果「でも意外と大変なんだよね。ちゃんとしたかまくら作ろうと思ったら、そんなすぐにはできないみたい」
雪穂「雪がたくさんあると何か作りたくなるなんて…ホントお姉ちゃんは子供っぽいんだから」
穂乃果「子供でもいいもん。雪が好きなの。雪穂はもっと好きだけど♪」
雪穂「そりゃどうも。そういえば昨日は成人の日だったね」
穂乃果「だねぇ。私より三つ?くらい上の先輩たちが成人式だったのかな?」
雪穂「それくらいだと中学、高校は一緒に行けないよね。私はお姉ちゃんと二つ違いでよかったよ」
穂乃果「同い年ならもっとよかったけどね…」
雪穂「それだと双子?」
穂乃果「そうだね!双子なら私たち、もっと似てたのかなぁ?」
雪穂「似てない双子もいるでしょ。二卵性双生児ってやつ?」
穂乃果「あ、そういえばお歳暮でもらったソーセージまだ残ってたっけ?」
雪穂「ソーセージはもうないよ。ハムならあるけど…っていうかお腹空くから食べ物の話とかやめてよ…」
穂乃果「えっと…何の話だっけ?」
雪穂「スキーの日でしょ」
穂乃果「私は雪穂が大スキー♪」ギュ
雪穂「寒いこと言う口にはキスしちゃうぞー」チュッ
穂乃果「…///」
雪穂「なんか眠くなっちゃったよ…このまま寝ちゃおっかなぁ」
穂乃果「そうしよ。私も眠いし…おやすみ雪穂♪」
雪穂「ん。おやすみ、お姉ちゃん」チュ
ほのゆき「…」Zzz
穂乃果「雪穂!今日は十四日年越しだよっ♪」
雪穂「え?…また年越し? 何回お正月やるのよ」
穂乃果「十五日が“小正月”だから、その前日の今日は年越しなの。大晦日じゃなくて小晦日って感じ?」
雪穂「十四日って晦日でも何でもないよね…」
穂乃果「ちゃんとそういう風習があるんだよ。左義長だってその名残でしょ?…たぶん」
雪穂「あー、左義長も今日なんだ。…で、あれ燃やすの?」
穂乃果「いや、大入と私の名前だし…燃やされたくないなぁ」
雪穂「まあ、どうせ普通に学校だし、そんなヒマないと思うけどね」
穂乃果「大晦日は年越しそば、六日年越しはラーメン食べたから…今日はどうしようか?」
雪穂「うどん…かな?」
「ええね。誰が作るん?」
穂乃果「誰でもいいけど…やっぱりお母さん?」
「きぃちゃんのおうどんさんか。それやったらウチも食べたい♪」
ほのゆき「!?」
穂乃果「な、なんで希ちゃんいるの?」
希「きぃちゃんがおうどんさん作ってくれるっていうから」
雪穂「いや、まだ決まってないですけど…晩ごはんの話だし」
穂乃果「っていうか言う前に居たよね?」
希「よーし。せっかくやからウチが今日の運勢を占ってあげるよ。おうどんさんのお礼に」パラララ
雪穂「食べるのは決定なんですか…」
穂乃果「いや、まだうどんって決まってないんだけど…」
希「お正月は神社でおみくじやん?小正月はウチの占いがおみくじ代わりってことで♪」シュタタタ
雪穂「小正月は明日ですよ」
希「ウチのことは気にしないで。今日は穂乃果ちゃんと雪穂ちゃんに一枚ずつカードをめくってもらおう」
ほのゆき「はあ」
希「穂乃果ちゃんの前にあるカードを雪穂ちゃんが、雪穂ちゃんの前にあるカードを穂乃果ちゃんがめくって」
雪穂「じゃあ、まずは私から…」スッ
穂乃果「なにこれ?…湯呑み持った女の子?」
希「杯のカード。カップのエースやね」
雪穂「なんか…お姉ちゃんに似てる」プクク
穂乃果「えー?そうかなぁ?」
雪穂「雪穂〜お茶!とか言ってそうな感じ?」クス
穂乃果「言ってないもん…で、カードの意味は?」
希「愛と絆、親密さ、深い愛情」
穂乃果「へー。絆かぁ…いいカードだね♪」
雪穂(親密で深い愛情って…お姉ちゃんと私?///)チラ
穂乃果「よーし。次は私の番だ♪」パシッ
雪穂「これは…翼のある人?」
希「大アルカナの14番、テンペランス。節制のカードや」
穂乃果「天使みたいだね。ちょっと雪穂に似てる♪」
雪穂「えー?似てないと思うけど…このカードの意味は?」
希「調和、安定…理想的なカップル♪」
ほのゆき「えぇ!?///」
穂乃果(それって…雪穂と私のこと?///)ドキドキ
雪穂「っていうか、何の占いだったっけ…」
希「っと、お迎えが来たみたいや。ウチはもう帰るね」
穂乃果「お迎え?」ガララ
穂乃果「あっ…A-RISEのリムジン!?」
希「あんじゅー」
あんじゅ「のぞみちゃーん。迎えに来たよ♪」フリフリ
希「じゃあね。また明日…いや、今日かな」
穂乃果「っていうか、こんな夜中にどうやって来たの…」
希「スピリチュアルやね」バタン
穂乃果「…行っちゃった」
雪穂「相変わらずつかみどころがない人だね…神出鬼没だし」
穂乃果「そうだねぇ…でも占いは信じてもいいかなって…えへへ///」ギュ
雪穂「お姉ちゃん…まあね///…えっと、一緒に寝る?」
穂乃果「うん♪」
穂乃果「大変だよ雪穂!」
雪穂「花陽さんの誕生日が終わっちゃったね」
穂乃果「そうなの!花陽ちゃんの誕生日って、おむすびの日でもあるんだよ!」
雪穂「でも私、昨日おむすび食べてないよ!…とか言うんでしょ」
穂乃果「雪穂は食べたの?」
雪穂「食べてない」
穂乃果「ダメじゃん!」
雪穂「そんなこと言われても…夜中に食べたら太るよ」
穂乃果「おにぎりとおむすびの違いって何?」
雪穂「そこ?…確か形でしょ。おにぎりは何でもありで、おむすびも含む。おむすびは三角のやつだけ」
穂乃果「なーんだ、雪穂も知ってたのか…」
雪穂「まあ、どっちでもいいけどさ…お姉ちゃん、おむすびの具って何が好き?」
穂乃果「え?…それこそ聞かなくても知ってるでしょ」
雪穂「…ツナマヨ?」
穂乃果「さっすが雪穂♪」
雪穂「フッ…邪道だね」
穂乃果「なんでよー!」プクー
雪穂「だってそうでしょ。中身が同じツナマヨのおむすびとサンドイッチどちらか選ぶとしたら?」
穂乃果「サンドイッチ」
雪穂「ほらね。それっておむすびである必要ないってことでしょ」
穂乃果「それは…言われてみればそうかも」
雪穂「お姉ちゃんがおむすびを語るなんて十年早いよ」フッ
穂乃果「なによー!じゃあ雪穂はおむすびの具は何が好きなの?」
雪穂「忘れたの?…当ててみてよ」
穂乃果「梅干し」
雪穂「ちゃんと覚えてるじゃん」ナデナデ
穂乃果「えへへー♪って、ごまかされないよ!」
雪穂「なによ」
穂乃果「はちみつ梅とかの甘口の梅干しはダメで、塩気が強めの梅干しがいいんでしょ」
雪穂「そんなの当たり前じゃん!ごはんと甘い物は別なんだから。梅干しに甘さなんて求めてないから」
穂乃果「ってことは、雪穂は梅干しのおむすびが100%好きとは言えないよね」
雪穂「それは…別にいいでしょ」
穂乃果「雪穂がおむすびを語るなんて十年早いよ」フッ
雪穂「真似しないでよ!」プクー
穂乃果「じゃあさ、今日のお弁当一緒に作ろうよ。おむすび♪」
雪穂「いいけど…こんな夜更かししてて早起きできるの?」
穂乃果「もう寝るからへーき、へーき♪」
雪穂「私も寝ようかな…」ファー
穂乃果「一緒に寝よっ♪」ギュ
雪穂「はいはい」
でもあれか。
冷静に考えたら俺と穂乃果ちゃんって結婚するから雪穂は俺の妹になるわけだ
穂乃果「雪穂!買い物に行くよっ」
雪穂「いいけど…何買うの?」
穂乃果「昨日は料理番組の日だったんだよ」ガララ
雪穂「料理番組なんて毎日やってるじゃん」ピシャ
穂乃果「そうじゃなくて、世界初の料理番組がテレビで放送された日!…日本じゃなかったみたいだけど」
雪穂「へー。じゃあ今日はお姉ちゃんが作ってくれるの?」
穂乃果「雪穂と二人で作るに決まってるでしょー」
雪穂「決まってるんだ…で、何作るの?」
穂乃果「今日はカレーライスの日!」
雪穂「カレーか。何カレー?」
穂乃果「えーとね、今日は一月廿二日で“卯”の日だから…」
雪穂「え!?…まさか、うさぎの肉!?」
穂乃果「うなぎも“う”だよ」
雪穂「うなぎだったらカレーにしなくて良くない?」
穂乃果「それもそうか…じゃあ、うどんの“う”でカレーうどん!」
雪穂「カレーライスの日って言ってたよね?」
穂乃果「言ったけど…じゃあ卯の花で、おから?」
雪穂「カレーライスに…おから?」
穂乃果「おから…大辛!いつもより辛いカレーにしよう♪」
雪穂「まあ、それならいいかもね…で、何カレー?」
穂乃果「えーとね…今日は星野仙一の誕生日でしょ」
雪穂「あー、東北楽天ゴールデンイーグルスが日本一になったときの監督だね」
穂乃果「イーグルスといえば鳥だからチキンカレー!」
雪穂「えぇ…イーグルスの鳥って鶏じゃなくてイヌワシか何かだよね?」
穂乃果「それだけじゃないんだよ。星野監督は岡山県出身でしょ。岡山といえば桃太郎でしょ」
雪穂「桃太郎の鳥は鶏じゃなくてキジ(雉)だよ」
穂乃果「じゃなくて、鶏もも肉にしよう!」
雪穂「そっち!?」
ガララ
ほのゆき「ただいまー」
穂乃果「ちょっとー。同時に言ってどうするの。雪穂はおかえりなさい♪だよ」
雪穂「いや、一緒に帰ってきたじゃん」
穂乃果「じゃあいいよ。私がおかえりなさい役で」
雪穂「おかえりなさい役って何…」
穂乃果「ほらほら、雪穂はもう一回ただいまだよ」
雪穂「はあ…ただいま」ピシャ
穂乃果「おかえりなさいませ!御主人様♪」
雪穂「…それ、秋葉原のメイドカフェの…」
穂乃果「そうそう♪ことりちゃんと一緒にメイド修行したよねー」
雪穂(お姉ちゃんのメイド姿…可愛かったな///)
穂乃果「ん、どうしたの雪穂?」
雪穂「いや、お姉ちゃんさ…メイドの衣装着て料理してくれない?」
穂乃果「えぇ!?…今日作るのカレーだよ。シミになったら困るし…」
雪穂「気をつければ大丈夫だって」
穂乃果「割烹着があるじゃない。これだってメイド服みたいな物だよ♪」
雪穂(そういう意味じゃないんだけどなぁ…)シクシク
グツグツ
雪穂「ごはん炊けたよ」
穂乃果「こっちもできた♪」
きぃほのゆき「いただきます♪」
雪穂「…」パク
穂乃果「辛い!けど美味しい♪」
母「チキンカレーだけど…かつおだしの香りがするわね」
雪穂「ホントだ…そば屋のカレーみたい」
穂乃果「うん♪今日は鰹節と昆布と椎茸と煮干しでダシをとったの」
雪穂「えぇ…」
穂乃果「神田といえばおそば屋さんが有名でしょ。だから和風だしのカレー♪」
父「…」ウム
ゴシゴシ
雪穂「ふー。鍋洗ったよ…って、お姉ちゃん?」
穂乃果「はーい。御主人様♪」
雪穂「あ、メイド!」
穂乃果「えへへ。着てみた♪」
雪穂「かわいい///」
穂乃果「よーし、残りの皿とか洗っちゃお…って、わぁ!?」ギュー
雪穂「お姉ちゃん…」チュ
穂乃果「ゆ、雪穂///…洗い物…」
雪穂「スマホ…いや、カメラ持ってくる!」パタパタ
穂乃果「えぇ…そんなに気に入ってたの?」
穂乃果(…これからも時々着てみようかな?…えへへ♪)
雪穂「お姉ちゃん!どこ行くの!?」
穂乃果「え?…いや、ちょっとコンビニ…」
雪穂「こんな時間に何買いに行くのよ…」
穂乃果「今日は中華まんの日なんだって。雪穂の分も買ってきてあげる♪」
雪穂「だったら私も行くよ…お姉ちゃん一人じゃ心配だし」
穂乃果「えー?なんでよ?」
雪穂「お姉ちゃん、去年雨降ってるのに夜に外走って散々な目に遭ったの忘れたの?」
穂乃果「うぐっ…忘れてないけど、今は雨降ってないじゃん!」
雪穂「寒さはあのときよりずっと上だし、地面凍ってるところもあるから危ないし」
穂乃果「そんなこと言ってたらどこにも行けないよ!」
雪穂「夜中に中華まん買いに行く必要ないでしょ。また太っても知らないよ」
穂乃果「なによ…雪穂と一緒に食べたいなって思っただけなのに…」ジワ
雪穂(あ…マズい…)
母「二人ともうるさいわよ。何時だと思ってるの…穂乃果、雪穂。ちょっと来て」
ほのゆき「えっ」
母「はい」カタ
穂乃果「わー!蒸したての肉まん?…なんで?」
母「買っておいたの、私が食べようと思って蒸したんだけど…やっぱり夜中に食べるのはやめとくわ。あんたたち食べていいわよ」
雪穂(五〜六個くらい入ってて家で温めて食べるやつだね。肉まんとあんまんしかないけど)
穂乃果「ありがと、お母さん!雪穂、半分こしよ♪両方食べたいから、どっちも半分こ!」
雪穂「うん」
ほのゆき「いただきます♪」
母「食べたら寝なさい。明日…っていうか今日学校でしょ」
ほのゆき「はーい」
穂乃果「お母さん、おやすみなさい♪」
母「おやすみ」ファー
雪穂「おやすみー」ハフハフ
ガララ ピシャ
雪穂「あの…ごめんね。お姉ちゃん」
穂乃果「ん、なにが?」ハフハフ
雪穂「…なんでもない」クス
穂乃果「えー?」モグモグ
雪穂「あんこついてる」チュ
穂乃果「わ///…う、うそ?」
雪穂「まあ嘘だけど…あんこ飽きたんじゃなかったっけ?」
穂乃果「蒸したてのあんまんは特別なの。たまに食べたくなるでしょ」
雪穂「まあね。確かに和菓子とはちょっと趣が違うけどさ」
穂乃果「三角のおにぎり?」
雪穂「それはおむすび」
穂乃果「お雑煮に入れたり」
雪穂「それはおもち」
穂乃果「お母さんも通ってた」
雪穂「それはオトノキ」
穂乃果「もう。あんまん冷めちゃうよ」
雪穂「お姉ちゃんが変なとこボケるから…」パク
穂乃果「えへへ。やっぱり雪穂と一緒に食べると特別おいしい♪」
雪穂「ちゃんと蒸し器使うと電子レンジより美味しく感じるよね」
穂乃果「そうだねぇ♪」
雪穂「じゃあ、歯みがいて寝よっか」
穂乃果「もうちょっと味の余韻を楽しみたいなぁ…」
雪穂「どれどれ」チュ
穂乃果「んぐっ!?(…雪穂///)」
雪穂「…肉まんのような、あんまんのような…お姉ちゃんの味かな」
穂乃果「変なこと言わないでよ…雪穂のエッチ///」
雪穂「ほら、歯みがきに行こ」
穂乃果「うん。…雪穂」
雪穂「なに?」
穂乃果「大好き♪」チュッ
雪穂「///…へへ。ありがと…私も好きだよ♪」ギュ
雪穂(…けど、私はμ'sみたいに早朝練習とかないからなぁ…お姉ちゃんと一緒に走ろうかな…)
穂乃果「おはよう雪穂!」
雪穂「おはようじゃないよ…遅刻するよ。お姉ちゃん」
穂乃果「今日はオーストラリアの建国記念日なんだって」
雪穂「あー、名義上の著者の代わりに執筆する人」
穂乃果「それはゴーストライター」
雪穂「蠣油醤(ハオユージャン)」
穂乃果「それはオイスターソース」
雪穂「まーけるきーしないはずー♪」
穂乃果「それはオーズ…と、大黒摩季?」
雪穂「…で、オーストラリアがどうしたの」
穂乃果「オーストラリアといえば牛肉だよね!」
雪穂「えぇ…お肉食べたいの?」
穂乃果「食べたいといえば食べたいけど…今は別にいいかな」
雪穂「オーストラリアって野球とか強いイメージだよね」
穂乃果「あー、そうだね!プロ野球にも何人かいたよね」
雪穂「動物の頭みたいな形だよね」
穂乃果「あー、世界地図で見るオーストラリア?」
雪穂「そうそう」
穂乃果「言われてみれば動物っぽいような…そうでもないような」
雪穂「まあ、そうでもないけどね」
穂乃果「えぇ…雪穂が言い出したのに…」
雪穂「でも動物のイメージは強いでしょ」
穂乃果「そうだね!コアラとかカンガルーとか♪」
雪穂「ほかには?」
穂乃果「えっ。ほかには…牛」
雪穂「いや、もっといるでしょ…お肉の話に戻ってどうするの」
穂乃果「だってテレビではよく見るけど実際に行ったことないし…」
雪穂「まあね。いろいろ見すぎて正直どれがオーストラリアのだったか把握しきれてないよね」
穂乃果「そうそう。ダーウィンが来た!とか大好き♪」
雪穂「お姉ちゃんすぐ泣くけどね」
穂乃果「な、泣いてないもん。…もう行こっと」
雪穂「待って、お姉ちゃん。行ってらっしゃい」チュ
穂乃果「行ってきます///…雪穂も行ってらっしゃい」チュ
雪穂「ん、行ってきます♪」
トプン ザバー
ほのゆき「ふー」
穂乃果「面白かったねぇ♪」
雪穂「お姉ちゃん、途中寝てたよね…っていうか始まってすぐ」
穂乃果「うぐっ…で、でも途中からは最後まで見たもん!」
雪穂「まあ、お姉ちゃんにしては頑張ったほうかな」
穂乃果「なによー。雪穂は全然寝ないで全部観たの?」
雪穂「最初の方ちょっと寝そうになったけどね」
穂乃果「ほらー!」
雪穂(っていうか…)
(21時5分頃)
雪穂「お姉ちゃん…もう寝てる」
穂乃果「…」Zzz
雪穂「しょうがないなぁ…お姉ちゃんが観たいっていうからチャンネル譲ったのに」クス
雪穂「…」チュ
穂乃果「んぅ…」スー
雪穂「…///」ドキドキ
雪穂(…お姉ちゃんが気になって、起きてても集中できなかったんだよね)
穂乃果「雪穂ー♪」ムギュ
雪穂「な、なに?」ドキ
穂乃果「あったかいねー♪」
雪穂「まあ…お風呂だからね」
穂乃果「雪穂もあったかいよ」スリスリ
雪穂「お姉ちゃんもね///」
パタン
穂乃果「おやすみなさーい」ファー
雪穂「ん。おやすみ」チュ
ほのゆき「…」Zzz
(アイドル研究部・部室)
雪穂「うわ、まるで物置だ…どこに何があるかわかんないよ」ガタッ
ガン
雪穂「いったぁ!?…な、なにこれ?」
雪穂(変な箱?に頭ぶつけた…大きく“?”のマークがあるけど…なんだろ?)
ザワザワ
雪穂「ん?…うわ!?」
雪穂(箱のフタが開いて…植物みたいなのが飛び出した)
雪穂「な、何よこれ…ダメだ、脱出しよう!」ガチャ
ガラッ
雪穂(緑色の蔓の塊みたいなのが勢いよく伸びて…止まらない。私は窓から脱出したけど、謎の植物?が追いかけてくる)
(中庭)
雪穂「ど、どうなってるのこれ…」
雪穂(中庭の大きな木に、伸びてきた緑色のツルが巻きついて…木のてっぺんよりさらに上まで、どこまでも伸びていく)
雪穂「これ…もしかして登れたりする?」
雪穂(巻きついたツルは異常に頑丈で…しがみついて登っても切れたりしないみたい)
絵里「待ちなさい!」
雪穂「あ…絵里さん」
絵里「どうするつもり?」
雪穂「ちょっと登ってみようかなって」
花陽「だ、ダメだよ。ちゃんと許可を取らないと…」
凛「学校の許可? 認められないわぁ」
希「部活動として申請するなら最低五人は必要なんよ」
雪穂「はあ…でも、部活動ってわけじゃないんですけど…」
絵里「だったら、たとえ五人集めても認めるわけにはいかないわね」
雪穂「えぇ…」
凛「大丈夫にゃ!」ピョーン
のぞえりゆきぱな「えっ」
真姫「…ほら、今のうちに登っちゃいなさいよ」ヒソヒソ
雪穂「じゃあ、行ってきます…よいしょ」ギュ
雪穂(凛さんと花陽さんと真姫さんが突然歌って踊りだした…絵里さんも凛さんたちに気をとられてる)
雪穂(木の上まで登っちゃった…すごく高い)
穂乃果「いらっしゃいませー♪」
雪穂「お、お姉ちゃん!?…木の上で何してるの?」
穂乃果「何って、和菓子屋さんに決まってるじゃん。穂むら音ノ木坂店だよっ♪」
雪穂「えぇ…こんなところじゃお客さん来ないでしょ」
穂乃果「そうなんだよね…でもいいや。雪穂が居てくれれば私は幸せ♪」ギュ
雪穂「お姉ちゃん…私も///」
穂乃果「…」スヤスヤ
雪穂「えへへ…お姉ちゃん…」ムニャムニャ
穂乃果「雪穂ー」ギュー
雪穂「ん、なに? お姉ちゃん」
穂乃果「今日はいちだんと冷えるねぇ」
雪穂「そうだね」
穂乃果「今日はニオイの日なんだって」クンクン
雪穂「ちょ…ニオイ嗅がないでよ!」
穂乃果「大丈夫だよ。くさくないよ♪」
雪穂「そういうお姉ちゃんはどうなのよ」クンクン
穂乃果「わ、私は今はちょっと…」
雪穂「…ちょっと汗くさい?」
穂乃果「これからお風呂なんだからいいの!」
雪穂「…」クンクン
穂乃果「って、いつまで嗅いでるの…やめてよー」
雪穂「いや、お姉ちゃんじゃなくてさ…なんかいい匂いしない?」
穂乃果「悪かったね…私はいい匂いじゃなくて」プクー
雪穂「そんなことないけど…そうじゃなくて、美味しそうな匂い」
穂乃果「えー?」クンクン
穂乃果「…ホントだ。お母さんが何か作ってるのかな?」
穂乃果「お母さーん」
雪穂「なんか作ってるの?」
母「ちょっとねー」
穂乃果「うわ、なにこれ…真っ黒!焦がしちゃったの?」
雪穂「何かのタレでしょ? 団子につける黒ゴマのやつ?」
母「違うわよ。海苔の佃煮」
ほのゆき「へー」
母「そろそろ恵方巻きでしょ。明後日?だから海苔が足りるか確認したんだけど、ちょっと…」
ほのゆき「ちょっと?」
母「…賞味期限切れてたから」
ほのゆき「えー!?」
母「大丈夫よ。湿気てないし、ちゃんと食べてみて確認したんだから…恵方巻きの分は買っといたし」
雪穂「こっちは…スパゲッティ?」
母「そ。結構合うのよ」
穂乃果「なんか黒くてイカスミみたいだね」
雪穂「イカスミと違って全然くさくないけどね」クンクン
きぃほのゆき「いただきます♪」
穂乃果「おいしい!和風だ」
雪穂「そうだね」モグモグ
穂乃果「ところで…今日はNHKのテレビ放送が始まった日なんだよー」
雪穂「へー。…それで?」
穂乃果「ほら、私たちもNHKに進出したでしょ。だからNHKの記念日もお祝いしとこうかなって」
雪穂「お祝いねえ…で、何するの?」
穂乃果「NHKを見よう!」
母「ちょっと。勝手にチャンネル替えないでよ」
穂乃果「はーい…」シュン
雪穂「お茶で乾杯でもしとく?」
穂乃果「そうだね!乾杯♪」
母「二人とも、食べ終わったならお風呂入ってきなさい」
穂乃果「うん。行こ、雪穂♪」ギュ
雪穂「はいはい」
穂乃果「福は内!」パラパラ
雪穂「いたっ!?…何するのよっ!」バサー
穂乃果「いたたた!私は鬼じゃないのにー!」
母「二人とも何やってるの!…ちゃんと掃除するまで恵方巻き食べさせないからね!」
ほのゆき「はーい…」
穂乃果「…鬼?」
雪穂「いや、やめといたほうがいいと思う…」
穂乃果「そうだね…アハハ」
サッサッ
雪穂「これで全部…かな?」
穂乃果「これ、ただ捨てるの勿体ないから外に撒いちゃおうよ」
雪穂「えぇ…一度家の中に撒いたやつだけどいいのかな?」
穂乃果「大丈夫大丈夫!こういうのは撒くときに気持ちを込めるのが大事なんだよ」
雪穂「気持ちねえ…」
ガララ
穂乃果「福は内ー!」バサー
雪穂「外だから鬼は外じゃないの?」
穂乃果「んー?…じゃあ庭のほうに撒くときはそれで」
雪穂「お庭外?」
ピシャ
雪穂「豆は歳の数だけ食べて…」パリポリ
穂乃果「さーて、恵方巻き恵方巻♪」
雪穂「今年はいろいろあるね」
穂乃果「私たちも結構料理できるようになったし、去年とはひと味違うよね!」
雪穂「どれにしようか…」
穂乃果「私はラブライブ優勝の願いをこめて、とんかつ巻!」
雪穂「納豆もいいんじゃない?粘り強い感じで」
穂乃果「おおっ、そうだね!じゃあそっちは雪穂に任せた」
雪穂「私が食べてどうするの…まあいいか」
穂乃果「恵方ってどっち?」
雪穂「さあ…とりあえず私は音ノ木坂の方角にしようかなぁ」
穂乃果「じゃあ私は…あれ、決勝ってどこでやるんだっけ」
雪穂「知らないよ…μ'sの優勝祈願なら音ノ木坂でいいんじゃない?」
穂乃果「そうだね!じゃあ雪穂と一緒だ♪」
母(ちなみに今年の恵方は南南東らしいけど)
ほのゆき「…」モグモグ
穂乃果「とんかつ巻おいしいよ!雪穂も食べてみて♪」
雪穂「ありがと。じゃあこっちもあげるよ」
母(えぇ…)
雪穂「あ、美味しい。カツの衣がサクサクだね」
穂乃果「我ながら会心の出来だと思うよ♪すごく勝てそうなカツでしょ?」
雪穂「固そうなカツ?」
穂乃果「違うよー!」プクー
雪穂「ふふ。うそうそ。お肉は柔らかいね」
穂乃果「あれ、でも恵方巻って方角以外にもなんかルールなかったっけ?」
雪穂「さあ…?」
穂乃果「まあいいか。次は何巻きにしようかなー♪」
トプン ザバー
ほのゆき「ふー」
穂乃果「今日は風呂の日だね♪」
雪穂「へ?…ああ、2月6日だから?」
穂乃果「うん」チャプ
雪穂「でもお風呂って毎日入るじゃん」
穂乃果「まあ、それはそうなんだけど…」
雪穂「おこたとかカイロとかいろいろあるけど、やっぱりお風呂であったまるのが一番だよね」
穂乃果「だねぇ。お風呂に入らない日なんて考えられないよー」
雪穂「で、今日は海苔の日でもあるんだよね」
穂乃果「熱くー♪燃えろ♪」
雪穂「それは(中村)紀洋」
穂乃果「攻めろー♪青木ー♪」
雪穂「それはノリチカ」
穂乃果「おうちに帰る!」
雪穂「それはエリチカ」
穂乃果「海苔だったら、この間たくさん食べたよ。お母さんが作った佃煮と、節分の恵方巻き」
雪穂「うん。なんか今週は“海苔ウィーク”だったみたい」
穂乃果「へー。そんなのあるんだ…」
雪穂「702年に施行された大宝律令で海苔の産地では年貢として海苔を納めるよう定められたんだって。それが大宝元年の一月一日で、新暦の2月6日にあたるらしいよ」
穂乃果「はい、公務執行妨害ね。ガチャッ」
雪穂「それは逮捕」
穂乃果「巨人」
雪穂「大鵬」
穂乃果「たまごやき♪」
雪穂「撃てぇーいッ!ズドン!」
穂乃果「それは…大砲?」
穂乃果「っていうか702年って…1314年も前じゃん」
雪穂「そうだね」
穂乃果「そんなに昔の人も海苔を食べてたんだね…」
雪穂「和菓子はなかったかもしれないけどね」
穂乃果「あれ、前にもこんな話をしたような…」
雪穂「聖徳太子の時代の話だね」
穂乃果「あー、そうそう。穂むらは旧暦の頃からあるから、古いお札が残ってたんだよね。雪穂がお守りにくれた五銭札♪」
雪穂「うん。…あ、旧暦っていえば…そろそろ旧正月だよね?」
穂乃果「あ、そうだね。…ん? なんか忘れてる気がする…」
雪穂「どうしたの?」
穂乃果「とりあえず出よう!」ザバッ
雪穂「わ…お姉ちゃん待って///」ザバ
フォーン…
穂乃果「あ、やっぱり。今日は初午だよ」
雪穂「はつうま?」
穂乃果「お稲荷さんの誕生日っていわれてるの。いなり寿司を作ってお供えするんだよー」
雪穂「へー。お姉ちゃんが作るの?」
穂乃果「雪穂も手伝うの!」
雪穂「はいはい」
雪穂「お姉ちゃん…あれ、漫画読んでるの?」
穂乃果「うん。今日は漫画の日なんだよー」
雪穂「クロスゲームか…野球のやつだね」
穂乃果「そうそう。この作者(あだち充)今日誕生日みたいだよ」
雪穂「へー」
穂乃果「野球といえば1936年の今日、名古屋で日本初のプロ野球の試合があったんだって」※現在の中日と巨人
雪穂「ちょうど八十年前か…でも二月に名古屋で試合なんて寒そうだね」
穂乃果「だねぇ…今みたいにドーム球場なんてなかったはずだし」
雪穂「雪降ってもおかしくない時期じゃん」
穂乃果「雪穂だけに?」
雪穂「いや、私は別に関係ないけど」
穂乃果「あとね、野球の名付け親っていわれてる中馬庚って人の誕生日」
雪穂「夫婦で作曲家だ。ロベルトさんとクララさん」
穂乃果「それはシューマン」
雪穂「崎陽軒の」
穂乃果「それはシウマイでしょ」
雪穂「肉まん、あんまん、ピザまん、カレーまん」
穂乃果「それは中華まん」
雪穂「肉まんといえば今日は肉の日でもあるよね」
穂乃果「そうだけど…お肉食べたいの?」
雪穂「いや、さっき食べたから別にいらない」
穂乃果「すき焼き美味しかったよね♪」
雪穂「うん。あと今日は“服の日”でもある」
穂乃果「服?」
ほのゆき「…」
穂乃果「じゃーん!背番号8だよっ」
雪穂「巨人時代の谷佳知だね」
穂乃果「雪穂のは…ヤクルト?」
雪穂「そうだよ。岩村!」
穂乃果「あっ、背番号1のときのやつ!“東京ヤクルト”になる前?」
雪穂「そう。しかも、前にヤクルトが優勝した2001年のなんだよー」
穂乃果「な、なんでそんな古いの持ってるの?…雪穂が生まれた頃じゃん」
雪穂「お母さんからもらった」
穂乃果「えー。雪穂だけずるい!」
雪穂「いいじゃん別に。お姉ちゃんだって着られるでしょ」
穂乃果「でも、なんかレアだし着るの勿体なくない?」
雪穂「うーん…まあ試合観に行くなら現役選手のを買いたいよね」
穂乃果「そうだね…二人とも引退しちゃってるもんね」
パタン←しまった
雪穂「あと今日は“風の日”だって」
穂乃果「あなたーのかぜに♪」
雪穂「ねらいをきめて♪…って、その風邪じゃないよ。吹く風のほう」
穂乃果「あー、服の日と同じで風も“吹く”から2月9日?」
雪穂「そ」
穂乃果「とりあえず風邪ひかないうちに寝よっか…」
雪穂「そうだね…」
モゾモゾ
雪穂「じゃあ灯り消すよー」
穂乃果「雪穂ー♪」ギュー
雪穂「(あったかい…)おやすみ。お姉ちゃん」チュ
穂乃果「えへへ。おやすみ雪穂♪」
ほのゆき「…」Zzz
雪穂「ん?…お姉ちゃん起きてたんだ」
穂乃果「なにー?」
雪穂「いや、静かだから寝てるのかなって思っただけ」
穂乃果「起きてても静かにしてるよ。夜中なんだから…何、雪穂は私がいつもうるさいと思ってるの?」プクー
雪穂「そんなことないよ」ナデナデ
穂乃果「ふーんだ…邪魔しないでよね」
雪穂「久しぶりに編み物なんかしてんだ…誰にあげるの?」
穂乃果「ひみつ」
雪穂「なにー?教えないとキスしちゃうぞ」チュ
穂乃果「んっ…やめてよー///」
雪穂「そういえば今日はニットの日だっけ」
穂乃果「お値段以上♪」
雪穂「ニトリ♪…じゃなくてニットの日」
穂乃果「とん↑とん↓とん↑とん↓」
雪穂「日野の2トン♪…じゃなくてニットだよ」
穂乃果「ロシア語でノー、いいえ」
雪穂「Нет」
穂乃果「雪穂は私に何かくれないの?」
雪穂「もちろんあげるつもりだけど」
穂乃果「えへへ。期待しちゃうよー♪」
雪穂「でも今年は一気にライバルが増えたなぁ…」
穂乃果「ザクとは違うのだよ。ザクとは!」
雪穂「それはランバ・ラル」
穂乃果「戦わなければいいんだよ!」
雪穂「それはカトル・ラバーバ・ウィナー」
穂乃果「あよ。おめ、だいじけ?」
雪穂「それは…茨城?」
穂乃果「ライバルかどうかは知らないけど、あげる相手が増えたから大変だよね…」
雪穂「お姉ちゃんはね。…もらうほうがもっと多そうだけど」
穂乃果「えー?なんで?」
雪穂「いや、μ'sの人気どれだけ上がったと思ってんの…真姫さんとかに比べたら少ないだろうけどお姉ちゃんだってそれなりに人気あると思うよ」
穂乃果「むーっ。どうせ私はそれなりに少ないですよーだ」
雪穂「いじけないでよ。ふふっ…そのぶん私が誰よりもお姉ちゃんを応援してるからさ」ギュ
穂乃果「…応援だけ?」
雪穂「誰よりも愛してるから」チュ
穂乃果「…うん///」
雪穂「どう?編み物は順調?」
穂乃果「うん。なんとか間に合いそうだよ」
雪穂「ところで今日はブラジャーの日らしいね」
穂乃果「サッカーはもちろんだけど野球も結構強いんだよね。ただ最近ジカ熱とか流行ってるから気をつけないと…」
雪穂「それはブラジル」
穂乃果「西武、阪神、ロッテで活躍。左のパワーヒッター。191cmの巨漢で公称95kgということだがどう見てもry」
雪穂「(クレイグ・ウォルター)ブラゼル」
穂乃果「音ノ木坂の制服」
雪穂「それはブレザーでしょ」
穂乃果「あ、あんまりジロジロ見ないで。恥ずかしいから…///」
雪穂「お姉ちゃんって結構」
穂乃果「もう!胸とかじゃなくてブラジャーの日なんでしょ!?」
雪穂「それはそうだけど、自分の見てもしょうがないし」
穂乃果「私の見たってしょうがないよ」
雪穂「いや、お姉ちゃんのだったらいつまでも見ていたい」
穂乃果「…雪穂のエッチ///」
雪穂「どうして差がついたのか…慢心、環境の違い」シクシク
穂乃果「いつ慢心なんてあったの?」
雪穂「いや、ないけどさ…」
穂乃果「それに昔から一緒に暮らしてるのに環境の違いって…」
雪穂「でもお姉ちゃんは音ノ木坂に二年近くいるわけじゃん?で、μ'sやってるしさ」
穂乃果「雪穂も音ノ木坂に入ってスクールアイドルやるでしょ?」
雪穂「音ノ木坂には入るけど…」
穂乃果「アイドル研究部に入らないの?」
雪穂「いや、それと胸の成長は関係ない気がするんだけど」ジーッ
穂乃果「あんまり見ないでってば///」
雪穂「じゃあ触っていい?」
穂乃果「だめ」
雪穂「なんでよー」プクー
穂乃果「お風呂でいつも触ってるじゃない///」
雪穂「お風呂だったらブラジャー関係ないじゃん」
穂乃果「ブラジャーなら今つけてるのじゃなくていいでしょ」
雪穂「じゃあちょっと外してみようか」
穂乃果「も、もう寝ようよ…」
雪穂「…」ソワソワ
雪穂(お姉ちゃん、今日も朝練あったみたいだけど…μ'sの皆に会ってきたんだから、誰かに渡したのかなぁ)
穂乃果「雪穂?…何してるの?」
雪穂「えっ…い、いや別に…あのさ」
穂乃果「なに?」
雪穂「今日って何の日だったかなーって」
穂乃果「えっと…煮干しの日?」
雪穂「」ガクッ
穂乃果「ダシをとるのもいいけど、ついそのまま食べちゃうよねー♪」
雪穂「いや、煮干しの日とかいいから!もう…ほら、これ」
穂乃果「ありがと…バレンタイン?」
雪穂「わかってるんじゃん。…そうだよ。お姉ちゃんのは特別なんだからね」
雪穂(亜里沙やお母さん、お父さんとかにあげたのより手間かかってるし…)
穂乃果「私だけ、特別?」
雪穂「もちろん」
穂乃果「雪穂ー♪」デレデレ
雪穂「そ、それで…お姉ちゃんは…?」
穂乃果「うん…なんか、ここ数日妙にあったかくなっちゃってさ…」
雪穂「そうだね」
穂乃果「いらないって言われそうなんだけど…これ」
雪穂「手編みの…手袋?」
穂乃果「そう。ミトン」
雪穂「薄荷?」
穂乃果「それはミントでしょ」
雪穂「キャッチャー用とファースト用の」
穂乃果「それはミットだよっ!」
雪穂「とん↑とん↓とん↑とん↓」
穂乃果「日野の2トン♪…じゃなくてミトン!」
雪穂「じゃあ、急に編み物しだしたのは…」
穂乃果「そうだよ。…まさか急に暑くなるなんて思ってなかったし」ハァ
雪穂「私がもらっていいの?」
穂乃果「当たり前でしょ。最初から雪穂のために編んでたんだから」
雪穂「そっか。ありがと…えへへ」デレデレ
穂乃果「まあ、こんなにあったかくなったら要らないかもしれないけど、次の冬まで…ってもう使ってる!?」
雪穂「あったかいよー♪」ギュ
穂乃果「いや、暑いくらいでしょ今日…家の中で使う物でもないし」
雪穂「まったく、しょうがないなぁお姉ちゃんは。そんなに私のこと好きなの?」
穂乃果「…うん。大好き///」
雪穂「」ズキューン
穂乃果「お菓子、一緒に食べよっか。お茶いれてくる…わぁ!?」ドサ
雪穂「お姉ちゃん…」ギシ
穂乃果「ちょっ…雪穂!?…まだ昼間だよ?///」ドキドキ
穂乃果「今日は寒天の日だよっ!」
雪穂「トリプルアクセル?」
穂乃果「それは回転でしょ」
雪穂「金属製の手提げ用石油ランプ」
穂乃果「それはカンテラ」
雪穂「マンガン、アルカリ」
穂乃果「それは乾電池」
雪穂「でも、うちは何の日とか関係なく一年中寒天を使うよね」
穂乃果「それはそうだね…和菓子屋にはなくてはならない物だもんね」
雪穂「そうそう。ようかんとか季節を問わず安定して売れる人気商品だし」
穂乃果「台東区にある旧岩崎邸みたいな」
雪穂「その洋館じゃなくって」
穂乃果「火山の…」
雪穂「それは溶岩(熔岩)でしょ」
穂乃果「遠洋を航海する高速艦艇」
雪穂「それは巡洋艦」
穂乃果「あんこは飽きたけど…黒糖、抹茶、芋ようかんとかいろいろあるもんね」
雪穂「まあ、なんだかんだいって小豆餡のようかんが一番人気だけどね」
穂乃果「それより雪穂が作ってくれたの美味しかったよ!チョコレートケーキ♪」
雪穂「ガトーショコラだってば」
穂乃果「私のためだけに作ってくれたんだよね?」
雪穂「まあね///(ちなみに、ほかの人にあげたのはクッキー)」
穂乃果「えへへ。学校でみんなに自慢しちゃった♪(スマホで写真撮ったの)」
雪穂「えぇ…恥ずかしいからやめてよ」
穂乃果「恥ずかしくないよー。ことりちゃんも海未ちゃんもミカたちも理事長も、みんなよかったねって言ってくれたよ」
雪穂「って、ことりちゃんのお母さんにまで見せたの!?」
穂乃果「うん。だって、ことりちゃんち行くより学校で会ったほうが早いでしょ?」
雪穂「いや、見せる必要ないと思うんだけど…」
穂乃果「理事長にもいろいろお世話になってるんだし、一日遅れだけどお菓子渡してきたの。そのついでに見せただけだよー」
雪穂「そんなの学校に持ってって怒られない?」
穂乃果「お母さんが作ったやつだよ。そう言って渡したら理事長すごく喜んでたし」
『なあに?高坂さん』
『これ、お母さ…母の手作りです』
『きぃちゃんが!?…わあ、ありがとう♪お礼しなくちゃ』
雪穂「ん?…あれ?お母さんがバレンタインのお菓子作ったなんて私聞いてないんだけど」
穂乃果「言ってないもん。私も貰ってないし。理っちゃんに渡してって頼まれただけで」
雪穂「え…ことりちゃんのお母さんにだけ特別?」
穂乃果「いや、海未ちゃんのお母さんと真姫ちゃんのお母さんにもあげたみたい」
雪穂「へえ…(いまだに友達にあげたりするんだ…しかも手作り)」
穂乃果「三月は編み物するにはもうあったかすぎるよね?やっぱりお菓子かなぁ」
雪穂「ああ、ホワイトデー?そうだね…私は何にしようかな…」
穂乃果「眠くなってきちゃった…もう寝よう雪穂」ギュ
雪穂「寝よっか…私も眠いし」ファー
雪穂(寝ながら考えよう…)モゾモゾ
穂乃果「おやすみ。雪穂…」チュ
雪穂「ん…おやすみ」ナデナデ
雪穂(次は何がいいかな…お姉ちゃんが好きそうな物…)
ほのゆき「…」Zzz
穂乃果「それじゃ、行ってきます!」
雪穂「何考えてるの、お姉ちゃん!危険すぎるよ!」
雪穂(アキハバラ軍に包囲されたオトノキの町へ行こうとしてる。お姉ちゃんは軍人でも何でもない、ただの和菓子屋の娘なのに…)
穂乃果「雪穂は穂むらに残って。私は一人で大丈夫だから」
雪穂「大丈夫なわけないでしょ!どうしても行くなら私もついて行くよ!」
穂乃果「ありがと雪穂♪…実は一人じゃちょっと心細かったんだよね…エヘヘ」
雪穂「まったく…しょうがないなー」ギュ
穂乃果「まずは町の守備隊長さんに会いに行こう。オトノキを奪還するのは私たちだけじゃ無理だし…」
(ジンヴォー町)
希「エリちに会いに行く?」
穂乃果「はい。力を貸していただけませんか?」
希「んー。ウチらも危機的状況なんよ。五人くらいなら護衛をつけてあげられるけど…」
穂乃果「ありがとうございます!」
雪穂(お姉ちゃんと私だけよりは遥かにマシだよね)
ことり「私たちが穂乃果ちゃんを守るよ♪」
海未「では行きましょう。穂乃果」
穂乃果(ことりちゃん海未ちゃんにヒデコ、フミコ、ミカの五人が護衛として来てくれることになったよ)
穂乃果「これで七人だよ七人!アイドルグループみたいだよねー♪」
雪穂「なに暢気なこと言ってるの…いつアキハバラ軍が襲ってきてもおかしくない状況なんだよ」
穂乃果「わかってるよー。雪穂は私が守るから大丈夫!」
雪穂「それは私のセリフだよ。お姉ちゃんは私が守るから」ギュ
穂乃果「雪穂…えへへ///」
ミカ「あっ、何か来るよ!?」
ビューン
にこ「あんたたち!とっとと解散しなさい!」
フミコ「あなた何者?…まさかアキハバラ軍?」
ヒデコ「七人相手にたった一人で何ができるっていうのよ」
にこ「フン…素人が何人集まっても同じことよ。にこの宇宙ナンバーワンの実力の前ではね!」ザッ
海未「速い!?…穂乃果、気をつけて──」
ビシッ
穂乃果「ふぎゃ」
ことり「ああっ!?穂乃果ちゃん!」
雪穂(お姉ちゃんがデコピン一発で倒された…)
にこ「リーダーは倒したわ!あんたたちの負けよ!」
雪穂(謎の敵は高笑いを残し、去っていった…)
ヒデコ「私たちの食糧…盗まれてる!?」
ミカ「あいつの仕業!?…いつの間に」
雪穂(主食のポテトを半分以上盗まれてしまった)
ことり「どうしよう…これじゃ七人分の食糧には全然たりないよ」
穂乃果「大丈夫だよ!ポテトがなくても和菓子を食べればいいじゃない!」
雪穂「こんなに…家から持ってきたの?」
海未「おいしいです」モグモグ
雪穂(そして…私たちはエリーチカ王女のもとへたどり着いた)
絵里「素人にしか見えない…」
雪穂「まあ、私たちは単なる和菓子屋の娘ですから…」
絵里「どうするつもり?」
穂乃果「すべては神のお告げです。私はそれに従って行動するだけです」
絵里「…わかったわ。オトノキ奪還作戦に参加しなさい」
雪穂「こうして…私たちはオトノキ奪還に成功、お姉ちゃんは地元の英雄として語り継がれるようになったんだよ」
穂乃果「そんな話だったっけ?」
雪穂「まあ、史実として記録に残ってる部分は少ないから…映画や小説なんかはほとんど創作みたいだし」
穂乃果「そっかぁ…でも十代で死んじゃうのは嫌だなぁ」
雪穂「王様は絵里さんだから大丈夫だと思うよ。それに…お姉ちゃんには私がついてるんだから」ギュ
穂乃果「雪穂…今度はちゃんと守ってよね」
雪穂「わかってるって…誰にも渡さない」チュ
穂乃果「雪穂…///」
\ワンワンワン!/
雪穂「…あの犬、なんか今日やたら吠えてるね」
穂乃果「そうだねぇ…今日は猫の日なのに」
雪穂「ねこのひ?」
穂乃果「そうだよ。今日って2月22日でしょ?」
雪穂「あー。222で、にゃんにゃんにゃーん♪…ってやつ?」
穂乃果「雪穂…何言ってるの?…恥ずかしい」プ
雪穂「じゃあなんで猫の日なのか説明してよ!」プンプン
穂乃果「ごめん、ごめん…状態だって。可愛かったよ♪」ナデナデ
雪穂「心にもないこと言わないでよ。バカにしてたくせに!」プクー
穂乃果「ホントだよ。雪穂は可愛いし…大好き」チュ
雪穂「…フン///」
穂乃果「でも雪穂ってちょっと猫っぽいよね。犬より猫って感じ」
雪穂「そう?…まあ、私はどっちも好きだけど…それより」
穂乃果「ん?」
雪穂(犬っぽいお姉ちゃんが好きなんだけどね///)
ワンワンワン! フギャ
穂乃果「んー。なんかまだ吠えてるね。何だろ…?」
雪穂「ちょっと見に行ってみよっか」
ガララ
穂乃果「何かあったの…うわ!?」
タタッ
雪穂「えっ、何か入ってきた…猫!?」
猫「ニャー」
穂乃果「小柄で細いね。まだ子猫かな?」
雪穂「っていうか、どこの猫よ? 首輪は…ついてないね」
穂乃果「猫に向かって吠えてたんだね。ほら」ピシャ
雪穂(うちに猫が入ってきて、閉めたら犬が静かになった)
穂乃果「可愛いー♪猫もいいなぁ」ナデナデ
雪穂「野良じゃないの?…気をつけないと引っかかれるよ」
穂乃果「大丈夫だよ。ほら、この子おとなしいよ」ナデナデ
猫「♪」ゴロゴロ
雪穂「人に馴れてる…飼い猫なのかな?」
穂乃果「かもしれないね。近所の子かなぁ?」
母「さあ…私は見たことないと思うわ。それよりお店のほうにはあんまり連れて来ないでよ?」
穂乃果「はーい。…この子どうしよっか?」
雪穂「お店に張り紙でもしとけば、そのうち飼い主とか知ってる人が気づくんじゃない?」
猫「…」フーッ
穂乃果「あれ、なんか怒ってる?」
雪穂「追い出そうとしてるわけじゃないよ。キミ、どこから来たの?」
穂乃果「とりあえず飼い主が探しに来るまで預かっておこうか…」
雪穂「そうだね。外に出すと犬に吠えられて怖がっちゃうし…」
穂乃果「あ、この子女の子だね」
雪穂「…ホントだ」
猫「ぅにゃん!」ペシ
雪穂「…恥ずかしがってる?」
穂乃果「そうみたい…ごめんね。ふふふ」
雪穂「とりあえず普段は犬の鼻でもニオイが届かない範囲に住んでるっぽいよね」
穂乃果「そうだね。知ってる猫ならあんなに吠えないだろうし…そもそも私たちも見たことない猫だし」
猫「…」クンクン
穂乃果「ん、どうしたの?」
雪穂「何かのニオイを嗅いでるね」
猫「ニャー」カリカリ
穂乃果「ああっ、戸を引っかいたらダメだよー」
雪穂「開けてほしいんじゃない?」ガラッ
猫「ニャー♪」タタッ
穂乃果「ちょ、勝手に行かないで…どこへ行きたいの?」
猫「にゃ!」ペシ
穂乃果「そっちは台所だよ。…おなかすいたの?」
猫「にゃん♪」
雪穂「猫が食べられる物なんてあったっけ?」
母「何やってるの?…あ、猫のごはん?」
猫「にゃぁ♪」クンクン
母「じゃあ…はい。これあげる」
穂乃果「煮干し…と、かつおぶし?」
母「そ。ダシをとったあとの残り」
猫「ぅにゃぁ…」フルフル
母「どうぞ。食べていいわよ」
猫「にゃーにゃ」
雪穂「食べないね…」
穂乃果「おなかすいてないのかな?」
猫「にゃーにゃん!」
ほの母「私はおなかすいてるわよ。先に食事にしましょ」
ほのゆき「はーい」
雪穂「って…ラーメン?」
母「夕方の番組で特集やってたのよ。見てたら食べたくなって…」
穂乃果「自分でダシとって作るなんて…こだわりのスープだね!」
猫「にゃーん♪」スリスリ
穂乃果「わ…どうしたの?急に甘えてきて…」
雪穂「ラーメンはあげないよ。熱いしヤケドしちゃうよ」
猫「にゃぁー!にゃにゃん!><」
穂乃果「やっぱりおなかすいたの?…はい、煮干しとかつおぶし」
猫「にゃにゃっ。にゃーにゃん!」
雪穂「ラーメン…って言ってるように聞こえない?」
穂乃果「アハハ。まさかぁ。凛ちゃんじゃないんだから…」
きぃほのゆき「いただきます♪」
穂乃果「おいしい!お店のラーメンみたい!」
雪穂「本格的だね」ツルツル
猫「にゃごにゃーにゃん…にゃにゃうにゃ!><」カリカリ
穂乃果「ラーメン、食べたい…のかな?」
雪穂「麺だけ、ちょっとあげてみる?」
母「そういえば、ねぎがなかったから入れてないし…たぶん大丈夫だと思うけど」
穂乃果「ふー、ふー。…はい、どうぞ。おいしいよ♪」
ガララ ゴメンクダサーイ
母「あら、お客さんだわ。ちょっと出てくる」パタパタ
猫「♪」ハグハグ
雪穂「ホントに食べてる…」
穂乃果「どう?おいしい?」
「おいしいよー!もっと食べたいにゃ♪」
ほのゆき「」
穂乃果「り、り、り…」
「り?」
穂乃果「凛ちゃん!?」
凛「なーに?」
雪穂(猫が凛さんになった…っていうか)
穂乃果「ちょ、ちょっと来て!///」グイ
凛「どこ行くのー?ラーメンのびちゃうよー!><」
穂乃果「いいから!」ドタバタ
雪穂(…服着てなかった)ポカーン
穂乃果「はぁ…とりあえず私の下着とジャージ着せたけど…」
凛「ラーメン、ラーメン♪」ツルツル
雪穂「それお母さんの分…聞いてないし」
凛「ごちそうさま!美味しかったぁー♪」
穂乃果「っていうか、さっきまで猫だったよね!?」
雪穂(ありえない…けど、凛さんなら猫でもおかしくない気がする…)
凛「うん…あのね、今日みんなでおでんパーティーしたでしょ?」
穂乃果「花陽ちゃんが作ってくれたんだよね」
雪穂(今日は“おでんの日”だから音ノ木坂でμ'sの皆でおでん作って食べたんだって)
凛「お腹空かせてたほうが美味しいと思って、昨日の夜から何も食べてなかったにゃ」
穂乃果「そこまで!?」
凛「でもね、おでんにはラーメンが入ってなかったから…」
雪穂「それが普通だと思いますけど…」
凛「おでんって鍋でしょ?鍋のシメはラーメンでしょー?」
穂乃果「いや、どうかなぁ…実際誰も入れなかったし」
凛「きっと誰かが持ってくると思って凛も油断してたにゃ…それで凛、まる一日ラーメンを食べてない状態になっちゃって」
雪穂「たった一日くらい普通なんじゃ…」
凛「凛には大変なことだもん!だからラーメン欠乏症で凛の体に異変が起こったんだよー」
穂乃果「それで凛ちゃんが猫に…いや、そんなバカな…」
雪穂「ラーメン食べなかっただけで猫になるとか…ラーメンを食べる猫より普通じゃないし…」
凛「でも穂乃果ちゃんのおかげで助かったにゃ!ありがとー♪」
穂乃果「お礼ならお母さんに…あ、お母さん」
母「あら?…私のラーメンは?」
ほのゆきりん「…」
凛「てへぺろ☆」
きぃほのゆきりん「…」
凛「…ごめんなさいにゃ」ペコ
ガララ
凛「またねーっ!」フリフリ
雪穂「なんか…悪い夢でも見てたような気がする」
穂乃果「アハハ…でも可愛かったよね。凛ちゃん猫」
雪穂「まあね…」
穂乃果「私は、雪穂猫が好きだけど♪」
雪穂「いや、それはもういいって…」
穂乃果「可愛いと思うよ♪」
雪穂「私よりお姉ちゃんが猫になりなよ」グイ
穂乃果「私は猫より犬っぽい…わぁ!?」ドサ
雪穂「…ほら、お姉ちゃんがネコじゃん?」
穂乃果「ゆ、雪穂…それ意味が違う///」