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穂乃果「八月三日は」凛「ハサミの日!」 [無断転載禁止]©2ch.net ->画像>2枚
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【五月】
凛「えー!真姫ちゃんの誕生日って四月だったのー?><」
真姫「そうよ。だから私だけ先輩たちと同じ十六歳」ドヤァ
凛「なーんだ。もう過ぎちゃったんだにゃ…もっと早く言ってくれればよかったのにー」
真姫「いや、四月はあなたたちとほとんど会話もなかったじゃない。用もないのに誕生日なんて教えないわよ」
凛「あーあ。凛たちの誕生日はずっと先だし、つまんないにゃー」
真姫「…もしかして、誕生日にかこつけて集まって騒ぎたいだけ?」
凛「だって、楽しいことは多いほうがいいでしょー?」
真姫「まったく…暢気なものね。遊んでる日が増えれば増えるほど私たちの練習は遅れて、廃校の日が近づくっていうのに」
凛「うぐっ…そ、それを言われると困るにゃ」
凛(でも、たったの1クラスしかない一年生で、その中でも一番仲良くなったんだもん。大切な友達の特別な日は、ちゃんとお祝いしたいよね)
『先輩たちと同じ十六歳』ドヤァ
凛(そーだ!先輩たちはどうなのかにゃ?誕生日、過ぎちゃってないといいんだけど…)
海未「私の誕生日ですか?」
凛「はい!」
海未「三月十五日ですよ」
凛「えー!とっくに過ぎちゃってるにゃ><」
海未「まあ…過ぎているとも言えますが、同じ学年では一番遅い誕生日ですよ」
凛「そっか。みんなより遅れて十七歳になるんですねー」
海未「ええ。小さい頃は誕生日が早い人が羨ましかったものです」クス
凛(かよちんより、海未先輩のほうがずっと先なんだ…さすがに遠すぎるにゃ)
凛「あれー?ことり先輩はー?」
穂乃果「ことりちゃん、なんか用事があるみたいで…急いで帰っちゃったよ」
凛「そうなんですか…じゃあ穂乃果先輩でいいや」
穂乃果「じゃあって…私そんな扱いなの?」ガクッ
凛「冗談ですよー。穂乃果先輩も可愛いから好きです♪…えへへ」
穂乃果「ま、まあいいけどさ…」
凛「ねえねえ、穂乃果先輩の誕生日っていつですかー?」
穂乃果「八月三日だよ。はちみつの日♪」
凛「へー。ハサミの日じゃないんですかー?」
穂乃果「ハサミだったら833じゃない?」
凛「でも33日なんてないし…」
穂乃果「んー。でもハサミといえば、私よりことりちゃんだよね」
凛「ことり先輩と、ハサミ?」
穂乃果「ことりちゃんって、服を作ったりするのが得意でしょ。たぶん私たちの中で一番ハサミを使ってるんじゃないかな?」
凛「なるほどにゃ」
穂乃果「あとね、ことりちゃんといえば…ザリガニ!」
凛「ざりがに?」
穂乃果「うん。ざりがに釣りって糸を使うでしょ。ことりちゃん、ざりがに釣りも上手なんだよー♪」
凛「へー。そういえばザリガニにもハサミがあるにゃ」
穂乃果「そうそう。昔、ザリガニのハサミで指をはさまれたことがあったなぁ…」
凛「痛そう><」
穂乃果「痛かったよー。でもザリガニ嫌いにはならなかったんだ。ことりちゃんがザリガニ釣るの、見ててワクワクしたもん」
凛「でも意外だにゃ。ことり先輩って、そういうの得意そうに見えないし…」
穂乃果「ことりちゃんは器用だし、ああ見えて昔から好奇心旺盛なんだよね。海未ちゃんは怖がりだったし、私は面倒くさがりでしょ。誰よりも根気よくいろんなことに挑戦できるのがことりちゃんなの」
凛「ハサミかー。凛が使うのは、何かを開けるときくらいかにゃ。ラーメンの袋とか、お菓子の袋とか」
穂乃果「お菓子はわかるけど、ラーメンってハサミ使わなくても簡単に開くよね?」
凛「インスタントはそうだけど、売ってる生めんの個包装は開けにくいこともあるよー」
穂乃果「そっか」
凛「うん。あと液体スープや調味オイルみたいなの。開け方によってこぼれたり手が汚れたり袋に残りやすいから、ハサミできれいに切ったほうがいいにゃ」
穂乃果「あー、それあるよね!私もレトルトのカレーやパスタソースとかはハサミ使ってるなぁ。きれいに切れないと服にハネたり汚れる原因だもん」
凛「切り口があってもきれいに開かない欠点は昔から変わらないにゃ」
穂乃果「そうだねぇ。使う機会は少ないけどやっぱりハサミって無いと困るよね」
凛「あと、とんこつラーメンとかに入れる小ねぎも包丁で切るよりハサミを使ったほうが簡単♪」
穂乃果「んー。たくさん切るなら包丁のほうが早い気もするけど…」
凛「でも、ハサミだったらまないたとか使う必要ないでしょ。使った後まないたを洗う手間も考えたらやっぱりハサミのほうが早いにゃ」
穂乃果「でも包丁よりハサミのほうが洗って拭くのに手間がかかるよ」
凛「むむむ…」
穂乃果「あ、いや…ハサミが使いにくいって言ってるわけじゃないけどさ」
凛「穂乃果先輩って、よくお料理とかするのー?」
穂乃果「うん。割と好きだよ。μ's始めてからは忙しくて、なかなかできないけど…」
凛「どんな料理が得意なんですかー?」
穂乃果「やっぱり和菓子は何でもできるよ。あとは定番の家庭料理かなー。コロッケ、肉じゃが、グラタンとか」
凛「へー!なんか、お母さんみたい♪」
穂乃果「そ、そうかなぁ?…まあ、和菓子以外はお母さんに教わったのがほとんどだけど」
凛「じゃあ、包丁使うのも上手なんですねー」
穂乃果「んー。あんまり変わった切り方とかはしないけど…普通に切るのは大丈夫」
凛「ハサミは?お料理のときは使わない?」
穂乃果「あんまり使わないかなぁ…でも、お料理でハサミといえばあれがあるよね♪」
凛「かに?」
穂乃果「いや、カニもハサミはあるけど…なんかさ、ハサミの中身を食べるくらい大きいカニだとハサミじゃなくてツメって言わない?」
凛「そういえばそうかも…でもハサミはツメじゃないよねー?」
穂乃果「どっちかっていうと足の先のフックみたいになってる部分のほうがツメっぽいよね」
凛「どうしてハサミの部分をツメって言うのかにゃ?」
穂乃果「わかんないけど…ハサミやツメって、全然違う料理でも言うよね♪」
凛「違う料理って、かに以外?」
穂乃果「うん。あのね、お野菜にひき肉とかをサンドして焼いたり揚げたりすると“はさみ焼き”や“はさみ揚げ”っていうでしょ」
凛「あー!そっちの“はさみ”かぁ…」
穂乃果「うん。はさむからはさみ何とか。あと、ひき肉とかを詰めるタイプの料理もあるし」
凛「ピーマンの肉詰め!」
穂乃果「そうそう。まあピーマンは苦手だからやらないけど…」
凛「えー?どうしてピーマンが苦手なのー?」
穂乃果「そ、それは…まあいいじゃない」
凛(お母さんみたいだったり、子供っぽかったり…穂乃果先輩ってやっぱり可愛いにゃ♪)
【六月】
ザァァァ…
穂乃果「今日も雨降ってる…全然練習できないじゃん!」
にこ「んなこと私に言われても知らないわよ」
凛「じゃあ図書館でも行こうよ!」
ほのにこ「えっ」
穂乃果「さすがに図書館で練習してたら怒られるんじゃないかな?」
凛「ちがうよー>< 図書館っていろんな本があるでしょ?」
にこ「読書でもしようっての?…あんたが?」
凛「面白い本だってありますよ。猫の本とか、ラーメンの本とか」
穂乃果「アハハ。それなら凛ちゃんらしいかも…」
【図書館】
凛「ハサミといえば、やっぱりカニとかザリガニだよねー」
穂乃果「クワガタは?」
花陽「あれはハサミじゃなくて大顎です。カニやザリガニのハサミは獲物を捕まえたりちぎって食べたりするのに必要だけど、クワガタの大顎は攻撃にしか使いません」
穂乃果「へー」
にこ「ハサミがある昆虫といえばハサミムシね」
穂乃果「は、はさみむし?…なにそれ?」
にこ「知らないの?クワガタとは違ってお尻の先にハサミがついてんのよ」
穂乃果「しっぽがハサミになってるってこと?」
パラパラ
花陽「えーと…あった。…ほら、こんなのです」
穂乃果「え、なにこれ…こんなの日本にいるの?」
にこ「いるわよ。ダンゴムシなんかを捕まえて食べるから、そういう小さい虫がいるような場所に棲んでるの」
穂乃果「虫を食べる虫なんだ…カマキリみたいな感じ?」
花陽「カマキリのカマとは違って、ハサミムシのハサミはそこまで強くないので…ほとんど威嚇のために使う感じですね」
にこ「まあハサミムシ自体あまり大きくないしね。自分より大きい獲物を捕まえたりはできないわよ」
穂乃果「うーん。見てみたいような、見たくないような…やっぱり虫さんはちょっと苦手かも」
花陽「あれっ、そういえば凛ちゃんは…?」
にこ「猫かラーメンの本でも探してんじゃない?」
花陽「昆虫じゃないけど、ハサミといえばサソリもいますね」
にこ「蟻地獄は?あれは昆虫でしょ」
花陽「あれは獲物の捕食には使いますがハサミじゃなくて大顎ですね」
にこ「用途より部位で呼び方が決まるってこと?」
穂乃果(虫さんの話で盛り上がってる…私は凛ちゃんのところへ行こうかな)
穂乃果「おーい!凛ちゃーん?」
絵里「図書館で大声を出さないでくれる?」
穂乃果「ご、ごめんなさい…あ。生徒会長さん」
絵里「ここで何をしてるの?」
穂乃果「雨で練習できないから、図書館へ行こうって凛ちゃんが…」
絵里「勉強?」
穂乃果「いやぁ、勉強っていうか…ハサミの話をしてただけで。エヘヘ」
絵里「はさみ?」
穂乃果「は、はい。生徒会長さんは、ハサミといえば何を連想しますか?」
絵里「ハサミといえば…やっぱりあれね」
穂乃果「あれ?」
\タタタターン タララーン♪/
穂乃果「あ、暑い…なにここ、砂漠!?」
絵里「動かないで!」
穂乃果「わぁ!?…ご、ごめんなさい><」
絵里「この辺りは敵が強いのよ。ヘタに動くとあっという間に全滅よ」
穂乃果「そ、そうなんだ…でも、ずっと砂漠にいるわけにはいかないし…」
雪穂「お姉ちゃんは私が守るよ!」ギュ
穂乃果「雪穂…あ、ありがと///」
絵里「亜里沙。これを持ってて」
亜里沙「キメラの翼?」
絵里「ええ。危なくなったらヘタに逃げて失敗するより、それを使ったほうが早いわ」
亜里沙「うん。亜里沙に任せて♪」
雪穂「ここで一番厄介な敵は…やっぱりキャットフライ?」
絵里「確かに手強いけど倒せないほどじゃないわ。パーティーの編成によっては呪文なんて使う必要がないから、マホトーンも怖くないし。注意すべきは痛恨の一撃だけ」
雪穂「レベルが低いうちはろくな呪文使えないし、力押しの編成のほうが楽だよね。HPや守備力が高ければやられにくいし」
絵里「そういうこと。じゃあ、慎重に歩くわよ…」
穂乃果「は、はい」
亜里沙「わくわく♪」
ガサガサッ
絵里「しまった!?よりによって敵の先制攻撃なんて><」
穂乃果「緑色のカニがいっぱい…」
絵里「あれは“じごくのハサミ”よ!」
雪穂「ぐんたいガニの色違いじゃん。手抜き…」
穂乃果「確かに…あんまり強そうじゃないよね」
絵里「なに言ってるの。ぐんたいガニなんかと比較にならないわ。アレの厄介なところは…」
テロレロレロ…ヒューン
亜里沙「一斉にスクルトを使って…ものすごく守備力が上がったよ!?」
絵里「こうなると、もうどうしようもないわ…攻撃してもダメージにならないし」
亜里沙「翼、使う?」
絵里「ルーラがあるからいいわよ。翼は温存しましょ」
亜里沙「はーい」
穂乃果「ちょっと待って。まだ何もしてないのに…私がギラとかヒャドで攻撃するよ!」
絵里「ダメよ。それが敵の狙いなのよ。ギラ一発では倒せないし“きかなかった”で無駄になることも多い。4匹いるからヒャドでは4ターンもかかるし、その間に攻撃されてダメージを受ける上にMPがなくなって結局これ以上進めなくなるわ」
雪穂「お姉ちゃんの毒針なら、たまに一撃で倒せるけど…」
絵里「それだとヒャドより長引いて受けるダメージも多くなるでしょ」
穂乃果「うわぁ、ホントに厄介な敵だなぁ…」
絵里「そうよ。イシス周辺の砂漠で、というよりここまで出てきたあらゆるモンスターの中で一番厄介なのが“じごくのハサミ”なの!」
穂乃果「はっ!?…い、今のは…?」
絵里「ハサミで何を連想するかって話でしょ?」
穂乃果「はあ。生徒会長さんのイメージだと、あの緑色のカニなんだ…」
絵里「そうよ。あの忌々しい“じごくのハサミ”!…はっきり言ってハサミよりスクルトが厄介で、地獄のスクルトって感じだけど」
穂乃果「敵にスクルト使わせるのは卑怯ですよね…こっちが使っても全然守備力増えないのにどうして敵のスクルトだけあんなに強いんだろ」
絵里「何よりMPを気にせず幾らでも使えるから、でしょうね」
穂乃果「こっちはスクルト使えるの魔法使いだけだし、四人で一斉にスクルトなんて不可能ですもんね…」
絵里「そうね。しかも魔法使いは元の守備力が低すぎてほとんど意味がないし、ギラやヒャドで攻撃したほうが早いから味方のスクルトなんて無意味」
穂乃果「敵のためにあるような呪文なんですね…」
絵里「ハサミからスクルトの話になっちゃったわね。ドラクエでハサミといえば、あれもあるけど…」
にこ「はさみくわがた?」
花陽「クワガタのあれはハサミじゃなくて大顎ですよ」
にこ「いや、それは知ってるわよ…さっきも聞いたし」
\タタタターン タララーン♪/
穂乃果「ま、また砂漠…?」
穂乃果「暑い…けど、なんだかおへその辺りがスースーするような…?」
穂乃果「わあっ!?な、なにこのカッコ…砂漠なのに水着!?」
凛「魔法使いの穂乃果ちゃんが弱すぎるから戦士に転職してもらったにゃ」
穂乃果「えぇ…もうダーマまで行ったの?っていうかレベル20まで上がったんだったら最後まで呪文覚えてから転職したほうがよかったんじゃ…」
絵里「魔法使いはもう一人いるから大丈夫よ」
花陽「ど、どうも…」
凛「かよちんのほうが魔法使いっぽいよねー♪」
穂乃果「こんなカッコ恥ずかしいよー!><」
花陽「で、でも穂乃果先輩、素敵です…///」
凛「可愛いにゃ♪」
穂乃果「そ、そうかなぁ?」
絵里「おへそが眩しいわね。…ところで、高坂さんのために新しい武器を買ったわ」
穂乃果「はあ。ありがとうございます…これ何ですか?」
絵里「“おおばさみ”よ。3700ゴールドもしたけど、ピラミッドで稼いだお金で何とか買えたわ」
穂乃果「お、重い…なんか使いにくそうな武器ですね。こんな水着みたいなカッコで、こんな危ない刃物使うんですか?」
絵里「だって戦士しか使えないんだもの。私は転職できないし」
凛「凛は鉄の爪で充分にゃ」
花陽「私は、毒針…」
穂乃果「ま、まあいいけど…じゃあ、これで早速じごくのハサミにリベンジを」
絵里「なに言ってるの。あんな苦労する割に儲からないザコ敵は無視するわよ。それよりカンダタを倒しに行きましょう!」
凛「早く船を手に入れてサクサク進むにゃー」
花陽「でも船を手に入れたら、もっと強い武器が買えるし…おおばさみなんて要らなかったんじゃ…?」
凛「それは言わない約束にゃ」
ほのえり「…」
絵里「…っていう、ものすごく存在感のない武器があったわね」
花陽「7でも全く役に立たないし…」
にこ「だいたい戦士自体使わないわよ。装備にお金ばっかりかかって、遅いし弱いし打たれ弱いし。武闘家のほうがいいでしょ」
穂乃果「戦士って何のためにいるんだろう…」
絵里「見た目重視じゃないかしら?目の保養っていうか…」
にこ「お色気枠ね。小さいドット絵の原始的なグラフィックで色気もへったくれもないけど」
穂乃果「やっぱり魔法使いのままでよかったんじゃ…」
絵里「まあ、それはともかく…どうしてハサミの話をしてたの?」
穂乃果「あ、はい。えーと…確か、八月三日はハサミの日だって凛ちゃんが言ってたから…」
絵里「八月?…そうなの?」
穂乃果「はい。私の誕生日なんですけど」
絵里「ふーん…八月三日?」
穂乃果「生徒会長さん?」
絵里「…夏休みね」
穂乃果「そうそう。私の誕生日って夏休みだから、割とみんなに忘れられてるんですよ」クスン
絵里「日付自体は覚えやすいけど…」
穂乃果「個人的にはハサミの日より、はちみつの日って覚えてほしいです!」
にこ「はちみつって美味しいけど高いから、いつもあるわけじゃないし…正直あんまり使わないわね」
花陽「確かに、より身近なのはハサミのほうかも…」
穂乃果「えー?><」
にこ「それより凛はどこ行ったのよ?」
穂乃果「さっきイシス周辺の砂漠にいたよ」
にこ「は、はぁ?…砂漠?」
【後日・高坂家】
トトトトン
凛「何作るんですかー?」
穂乃果「はさみ焼きだよ。…あれ、お塩が空っぽだ…凛ちゃん、お塩の袋取ってくれる?」
凛「どこですかー?」
穂乃果「青と白の洗濯バサミがいっぱいついてるやつ」
凛「洗濯バサミ?…あ、あった!」
穂乃果「ありがと」
凛「な、なんでこんなにいっぱい洗濯バサミがついてるのー?」
穂乃果「お塩って袋の口をしっかり閉じておかないと湿気ちゃいそうじゃない?こうやって端から端まで洗濯バサミでとめておけば密閉に近い状態で保存できて、しかも開けるのは簡単でしょ?目立つからどこに置いてあるかすぐわかるし」
凛「もしかして、青と白なのも意味があるのー?」
穂乃果「うん。中身の塩は白くて、袋の文字は青だから」
凛「な、なるほどにゃ…塩っぽい色なんだ」
穂乃果「色っぽい塩!?」
凛「あはは、何それ…ちがうよー」
穂乃果「考えてみれば、ハサミより洗濯バサミのほうがよく使ってるかも…塩に関していえばハサミを使うのは最初に袋を開けるときだけで、あとは空っぽになるまで洗濯バサミだもん」
凛「こんなに洗濯バサミ使ってる人見たことなかったにゃ」
穂乃果「そう?私はお母さんがよく使ってたから真似するようになった感じかなー」
凛「へー」
穂乃果「凛ちゃんのお母さんは?」
凛「たまに洗濯バサミも使うけど、いろいろだよ。そのとき近くにある物を適当に使ったりするから」
穂乃果「どういうこと?」
凛「たとえばスーパーでお惣菜を買うと輪ゴムがついてきたりするでしょ。その輪ゴムを適当なところに取っておいて、もし塩の袋を開けたとき近くに輪ゴムがあれば使うの」
穂乃果「袋の口を丸める感じにして輪ゴムでとめるってこと?」
凛「そうそう。洗濯バサミより簡単でしょ?」
穂乃果「んー。でもそれで湿気ないのかな?小さく収まるけど、そのぶん目立たないし…」
凛「近くに輪ゴムがなくて洗濯バサミがあれば、うちのお母さんも洗濯バサミを使うこともあるよ」
穂乃果「そっか。でも、こうやって洗濯バサミがたくさんついてると、何かちょっと使いたいときにここから一つ取って使えたりして便利なんだよねー」
凛「洗濯バサミを入れておくカゴの代わりでもあるってこと?」
穂乃果「そうそう。たぶんそんな感じ♪」
ジュー
穂乃果「できたよー♪ナスのはさみ焼き!」
凛「わあー!美味しそう♪」
穂乃果「これを、波佐見焼のお皿にのせて…はい、どうぞ♪」
絵里「え?…はさみ焼き専用のお皿があるの?」
穂乃果「じゃなくて、長崎県の波佐見町で作ってる波佐見焼っていう陶器があるんです。これはその波佐見焼のお皿なんですよ」
えりりん「へー」
凛「はさみ町なんてあるんだ!?ハサミムシがいっぱいいるのかにゃ?」
穂乃果「そのハサミじゃなくて…こういう字だよ」カキカキ
絵里「波佐見?…じゃあ、いわゆるハサミとは関係ないのね?」
穂乃果「んー。どうなんだろう?あんまり考えたことなかったけど…まあ、とにかく冷めないうちに食べてください♪」
絵里「そうね…」
ほのえりりん「いただきます♪」
凛「あつあつにゃ><」ハフハフ
絵里「美味しい…」モグモグ
穂乃果「えへへ。ちょっとお料理できる人みたいでしょ?」ドヤァ
絵里「料理にあわせて器も選ぶなんて、ちょっとオシャレでいいわね」
凛「プロの料理人みたい!」
穂乃果「アハハ。ほめすぎだよー♪」
絵里「でも、どうして…」
穂乃果「はい?」
絵里「いえ…星空さんはわかるけど、どうして私を呼んだの?…いつも一緒にいる人たちがいるでしょう」
穂乃果「それはそうですけど…μ'sのみんなとはずっと一緒にやっていくんだし、いつでも会えるじゃないですか。でも生徒会長さんとは、なかなかそういう機会はないし…」
絵里「当たり前でしょう。あなたとは学年も部活も違うし、特に親しいわけでもないんだから…」
穂乃果「でも…もしかしたらって」
絵里「え…?」
穂乃果「生徒会長さん、適当に四人選ぶときに私を入れてくれるじゃないですか。ドラクエとか」
絵里「あ、あれは…あなたに説明するためにそうしただけで」
穂乃果「じゃあ、そうじゃなくてもいつも四人に入れるようになりたいです♪」
絵里「…なに言ってるのよ///」
絵里(実際…もし今から始めるとしたら。私以外の三人は…)
『お姉ちゃん♪』
『エリち』
絵里(たぶん…三人目の仲間には“ほのか”って名前つけるわよね)
絵里(特別好きってわけじゃないけど…なぜか気になる存在。それが私にとっての高坂さんだと思う)
絵里「ごちそうさま。美味しかったわ」
穂乃果「お茶と和菓子もどうですか?」
絵里「はさみ何とかって和菓子があるの?」
穂乃果「い、いえ。でも波佐見焼のお皿や湯呑みはありますよ!」
絵里「それはまた今度にするわ」
穂乃果「また来てくれるんですか?」
絵里「…気が向いたら」
穂乃果「向いてください!」
絵里「なにそれ…じゃあね」
ピシャ
穂乃果「帰っちゃった…」
凛「でも生徒会長さんって、穂乃果先輩が好きなんじゃないですかー?」
穂乃果「えっ。そ、そうなの!?」
凛「凛にはそう見えるにゃ。好きな子につい意地悪しちゃうみたいな…」
『簡単に考えてほしくないの』
『どうするつもり?』
『あなたたちの申請を受けるわけにはいきません』
穂乃果「あはは。…まさかぁ」
凛「…凛も、穂乃果先輩に意地悪したほうがいいのかにゃ」
穂乃果「えぇ!?意地悪しちゃやだよー><」
凛「えへへ。冗談だけどにゃ」
穂乃果「意地悪といえばさ…」
凛「なにー?」
穂乃果「ハサミで一番に連想する生き物は、やっぱりカニだよね?」
凛「んー。まあ普段ザリガニを捕まえたりしないからにゃ。夏はカニよりクワガタのイメージだけど」
穂乃果「でもクワガタのはハサミじゃないって花陽ちゃんが言ってたよ」
凛「大顎でしょー?それは知ってるけどにゃ」
穂乃果「まあそれはそれとして…さるかに合戦ってあるじゃない。有名な日本の昔話」
凛「あー、カニさんがおにぎり持ってるやつにゃ」
穂乃果「うん。…で結局、意地悪なサルに渋柿を投げつけられてカニさんが死んじゃって、子ガニが復讐するみたいな話なんだけど」
凛「人間は毎年ものすごい量のカニを食べてるから、もし復讐されたら日本やロシアのカニ漁師が全滅しちゃうにゃ」
穂乃果「アハハ…それも怖いけど、さるかに合戦のカニさんが、もしアレだったら…」
凛「あれ?」
花陽「にっかにっかにー!私は泣く子も黙る“じごくのハサミ”だよ!」
にこ「花陽。おいしそうなおむすび持ってんじゃない」
花陽「こ、これは私のお昼ごはん…」
にこ「タダとは言わないわ。この柿の種と交換しない?」
花陽「いいけど…」
にこ「ありがと。いただきます♪」パク
花陽(まあ、いいか…)パリポリ
にこ「あら、ピーナッツを残してるじゃない。いらないならちょうだい」
花陽「こ、これは後で食べようと思って…」
にこ「タダとは言わないわ。この殻つきヘーゼルナッツと交換よ」
花陽「まあ、いいけど…」
にこ「ありがと♪」パリポリ
花陽「ヘーゼルナッツ…この硬い殻を割って食べるんだよね?」ググ
パカッ
にこ「ふふっ」
花陽「な、なに?」
にこ「あははは!それはヘーゼルナッツじゃなくて、そのへんに落ちてたどんぐりよ!」
花陽「えぇ!?そ、そんなぁ…ひどいよ」クスン
にこ「柿の種は食べたんだからいいでしょ。じゃあね」
花陽(もう殻を割っちゃったけど…どんぐり、土に埋めたら芽が出ないかなぁ?…トトロみたいに)
花陽「よいしょ」ザクッ
花陽「こんなもんかな…?」ペタペタ
花陽「丈夫に育ってね…スクルト!」ヒューン
凛(かよちんはそれから毎日、土に埋めたどんぐりにスクルトをかけ続けたにゃ)
花陽「わあ、こんなに大きくなって…もう実がなりそうだね♪」ワクワク
にこ「今更だけど、どんぐりの木なんて育ててどーすんのよ?」
花陽「愛情をこめて育てたから、きっと美味しいどんぐりになるよ♪」
にこ「どんぐりなんて美味しいとは思えないけど。ヘーゼルナッツならともかく…」
穂乃果(そして…)
花陽「あ、あれぇ?おかしいな…こんな木じゃなかったはず…」
凛(わずか数日で驚くほど育った木は、たくさんの実をつけ…)
穂乃果(また数日後には次々と赤く色づき熟し始めた)
花陽「これって…柿だよね!?どんぐりを植えたはずなのに…」
にこ「あら、美味しそうな柿の実ね。私にも寄越しなさいよ」
花陽「私、柿の木には登れないから…私の分も取ってきてくれたら、お猿さんにもあげます」
にこ「んじゃ行ってくるわ」
花陽(木登り上手だなぁ…さすがにこ先輩)
にこ「悪くないわね」モグモグ
花陽「木の上で食べちゃってる…あのー。私の分も取ってくださーい!」
にこ「うっさいわね。邪魔しないでよ」
花陽「で、でも私が育てた木だし…」
にこ「はぁ?あんたが育てたのは煮ても焼いても食えないどんぐりでしょ!」
花陽「そ、そんなぁ!お猿さんならどんぐりだって…」
にこ「緑色のあんたには、これがお似合いよ!」ポイッ
花陽「スクルト」ヒューン
穂乃果(お猿さんは、まだ青い柿の実をカニさんめがけて投げつけた!)
凛(ミス!じごくのハサミからダメージをうばえない)
にこ「!?」
ヒデコ「スクルト」
フミコ「スクルト」
ミカ「スクルト」
にこ「なんか増えてる!?」
花陽「にこ先輩。降りてきてください」
にこ「い、嫌よ。何をするつもり!?」
花陽「一緒に食べようと思って…」
にこ「か、柿を?」
花陽「子猿の柿煮込みを♪」
じごくのヒフミ「みんなで!」
にこ「ヒエッ…」ガクブル
\ダレカタスケテー!/
ほのりんぱな「チョットマッテテー」
穂乃果「…って感じになるんじゃないかな?」
凛「カニさんが“じごくのハサミ”だったら柿の実くらいでやられないよねー」
穂乃果「そもそも一匹だけでいることがまずないし」
凛「でも、凛知ってるよ。海外の童話には、逆にカニさんがひどい話もあるんだよねー」
穂乃果「そうなの?…まあ、さるかに合戦のカニさんが最終的にひどくないかどうか、ほのかな疑問も残るけど…」
凛「ほのか?」
穂乃果「えっ」ドキ
凛「まあ、それはそれとして…あのね、カニさんとヘビさんの話なんだけど」
穂乃果「う、うん(呼び捨て?)」ドキドキ
凛「ひねくれ者のヘビさんが言うこときかないからって、ヘビさんが寝てる間にカニさんがハサミでしめ殺しちゃう話!」
穂乃果「な、なにそれ?…それで終わりなの?」
凛「うん」
穂乃果「怖いなぁ…いくら相手がヘビでも童話でその内容はどうなんだろう…」
凛「凛も図書館で偶然見つけてポカーンだったにゃ」
穂乃果「もしかして凛ちゃん、この間図書館で童話の本を読んでたの?」
凛「うん。最初は、ちょっとだけ見てみるつもりだったんだけど…変な話がいっぱいあって、笑いながら読んでたにゃ」
穂乃果「そっかぁ…でも寝てる相手とはいえヘビを殺しちゃうくらいハサミの力が強いカニさんって、きっとかなり大きいよね?」
凛「そうかも…海にいるカニさんかにゃ?」
穂乃果「そうかもね。ハサミが大きくて力がすごく強いのはヤシガニが有名だけど、たぶんヤシガニならヤシガニって言うもんね」
凛「確かヤシガニはヤドカリの仲間だって、かよちんが言ってた気がするにゃ」
穂乃果「あ、私もテレビか何かで見た気がする…」
凛「ヤシガニならヘビが眠ってるところを襲わなくても簡単に勝てそうだけど…」
穂乃果「カニさんがアレだったらどうかなぁ?」
【ジパングの洞窟】
ガサガサ…
海未「何の音です?メタルスライムでもいるのですか…?」
花陽「わ、私です。海未先輩…」
海未「何かと思えばガニラスですか。海へ帰りなさい。ここは海の者が来る場所ではありませんよ」
花陽「ガニラスじゃないです…私は砂漠に棲むじごくのハサミ…それに海未の者なら目の前に」
海未「その海未ではなく海へ還れと言ったのです。砂漠にカニがいるわけないでしょう?」
花陽「そ、そんなぁ…じごくのハサミを知らないんですか?」
海未「ここは地獄ではなくジパングです。海のカニはわざわざ大陸から輸入するほど食べられていますが、陸ガニに用はありません。砂漠でも地獄でもどこへでも帰りなさい」
穂乃果(花陽ちゃん、せっかく砂漠からはるばるやって来たのに…)
凛(海未ちゃん意地悪だよねー。かよちんも黙ってないにゃ)
海未「人間どもめ。こんな酒でごまかせると思っているのですか…」グビグビ
海未「まあいいでしょう。酔いがさめたら再び生け贄を要求して…」ヒック
海未「…」Zzz
花陽「…スクルト」ヒューン
花陽「今だよ。みんな…」
ヒデコ「スクルト」
フミコ「スクルト」
ミカ「スクルト」
花陽「海未先輩がいけないんだよ…じごくのハサミを侮ってるから…フフフ」
花陽「このハサミで…」シャキン
チクッ
海未「いたっ><…何事です!?」
花陽「も、もう起きちゃったの!?」
海未「ほう…カニの分際で私の寝込みを襲うとは、小賢しい…」
花陽「す、スクルト!」ヒューン
海未「無駄な事を。私は単なるヘビではありませんよ」
ほの頭「がおーっ!」
ことり頭「ちゅんちゅん♪」
花陽「え。ことり先輩と穂乃果先輩!?」
凛頭「お仕置きするにゃ!」
真姫頭「イミワカンナイ」
花陽「凛ちゃんと真姫ちゃんまで…ま、まさか」
海未「そう…私は五つの頭をもつ“やまたのおろち”です!」
ヒデコ「五つなのに…」
フミコ「やまたのおろち?」
ミカ「五またじゃん!」
海未「カニどもを食らい尽くせば、あるいは六番目の首が生えてくるかもしれませんね!」
ガォーッ
花陽「あちち><」
ヒデコ「炎を吐かれたら何回スクルト使っても…」
ミカ「ダメじゃん!?」
フミコ「焼きガニになっちゃう><」
花陽「…だ」
\ダレカタスケテー!/
のぞにこ「チョットマッテテー」
凛「童話と違ってカニさんが負けちゃったにゃ」
穂乃果「うーん。相手が悪かった…花陽ちゃんが海未ちゃんに勝てる気がしないもん」
凛「でも、どうしてじごくのハサミがかよちんなのー?」
穂乃果「それは…やっぱり緑色だから…かな?」
凛「なるほどにゃ。でも色が緑じゃなかったら、にこ先輩のほうがカニっぽい気がするけど…」
穂乃果「あのポーズとか?」
ほのりん「にっこにっこにー」
穂乃果「ふふふ」
凛「あははっ♪」
【七月】
凛「テッポウエビ!」
穂乃果「モンハナシャコが最強だよ!」
凛「あれってパンチが強力なんでしょー?じゃあハサミじゃなくてもいいじゃん」
穂乃果「そ、それは…」
凛「テッポウエビのハサミはすごいんだよー。衝撃波だかプラズマだかが出るんだって!」
穂乃果「ホントかなぁ?そんなにすごいんだったらテレビで特集とかありそうだけど…全然見たことないよ」
凛「うぐっ」
穂乃果「モンハナシャコは見たことあるし。やっぱりモンハナシャコだよ!」
凛「テッポウエビのほうがすごいもん><」
絵里「な、何の話をしてるの…?」
にこ「どっちのハサミが最強か、だって。まったく…そんなことで熱くなるなんて子供ねー」
花陽「最強はやっぱりヤシガニじゃないかなぁ…」
真姫「張り合わなくていいから」チョップ
花陽「いたっ><」
【夏合宿】
にこ「しょうがないわねー」トトトトン
ジュー ガシャシャ
凛(にこ先輩もお料理上手なんだにゃ。…っていうか、もしかしてお料理できないのって凛だけ…?)
真姫「私も全然やらないけど」
花陽「そ、そうなんだ…」
穂乃果「すっごく美味しい!にこちゃんってお料理上手なんだね♪」
にこ「フフン。当然よ」
凛(でも…できないより、できたほうがいいよね。穂乃果ちゃんに美味しい料理を作ってあげて、喜んでもらいたいし…)
にこ「はぁ?…あんたが、料理?」
凛「う、うん。…あのね、明後日は八月三日でしょ?」
にこ「あー、なるほど…わかったわよ。手伝ってあげる」
凛「え?…でも」
にこ「料理の経験がちょっとあるなら簡単だけど、全く無い奴には難しいわよ。日数もないし家じゃないんだから、無理しないであんたができることだけやればいいの」
凛「だから、そのできることを増やしたいのに…」
にこ「私だって何かしたいのよ。わかるでしょ?」
凛「にこちゃん…」
【八月三日】
凛「今日は凛が作るよ!」
ことほのうみのぞえりまきぱな「えぇ!?」
花陽「り、凛ちゃんが…お料理?」
真姫「大丈夫なの?」
凛「大丈夫にゃ!」ピョーン
穂乃果「凛ちゃんの手料理かぁ…ファイトだよっ!」
凛「うん!まかせて♪」
にこ「凛一人じゃ心配だし、私もちょっと手伝うわよ」
【キッチン】
凛「…」プルプル
にこ「はい、そんなに力まない。肩の力を抜きなさいよ。別に失敗したっていいんだから」
凛「で、でも今日は穂乃果ちゃんの…」
にこ「だから、材料はこんなにあるでしょ?…極端な話、半分以上失敗したって穂乃果の分だけうまくできればいいの」
凛「そっかぁ♪」
トン トン トン…
にこ「ん、初めてにしちゃ上出来ね」
凛「えへへ。凛もお料理上手になれるかにゃ?」
にこ「まだ切っただけよ。料理になるのはこれから」
凛「はーい><」
『作ってあげるから、見てて♪』
『できたよー♪ナスのはさみ焼き!』
凛(お母さんみたいに、何でも楽しそうに作ってくれる穂乃果ちゃん…凛も、あんなふうにお料理できたら…)
凛「これでいいの…?」コネコネ
にこ「ん。あとはスプーンですくって、この上にのせて」
凛「えー?そのまま手でやればいいにゃ」
にこ「スプーンを使うのは中身の量を全部同じくらいにするためよ。手で正確に量る自信あるの?」
凛「それは…無理かも」
ペタペタ
にこ「よし。あとは焼くだけ!」
凛「凛がやるのー?」
にこ「タイミングは私が指示するから大丈夫よ」
凛「わかったにゃ」
ジュー
絵里「いい匂いがしてきたわね…」クンクン
真姫「本当に、あの凛が…?」ソワソワ
希「二人とも、おとなしく座って待っとき」
にこりん「できた!」
パパパパパパパパン
ことうみのぞえりにこまきりんぱな「ハッピーバースデー!」
凛「誕生日おめでとう!穂乃果ちゃん♪」
穂乃果「あ、ありがと。…これ、れんこんのはさみ焼き…だよね?」
凛「うん。八月三日はハサミの日でしょ?」
にこ「ハサミは使ってないし、波佐見焼の器もないけどね」
花陽「見た目はちゃんとしてる…これ、ホントに凛ちゃんが…?」
凛「えへへ。穂乃果ちゃんのために頑張ったよ♪」
穂乃果「ありがと!美味しそうだね♪」
にこ「食べてから言いなさいって」
ことほのうみのぞえりにこまきりんぱな「いただきます♪」
サクッ
真姫「…」ハフハフ
穂乃果「おいしい!」
花陽「味付けもちょうどいいね」モグモグ
凛「ホント!?よかったぁ♪」
希「頼れる先輩のご指導の賜物かな?」
にこ「まあねー。私にかかればそのへんの猫でも料理を覚えるわ」
凛「凛は猫じゃないよー><」
花陽「それにしても…アイスランドでもれんこん売ってるんだね」
穂乃果「あれ?…れんこん…買ったっけ?」
真姫「いや、ヘイマ島には売ってなかった気がするけど」
海未「まさか…」チラ
ことり「ん?…なあに?」
希(ことりちゃんの…)
花陽(錬金術!?)
【夜】
凛「気持ちいいにゃー♪」ゴロンゴロン
真姫「またやってるし…」クス
穂乃果「もう三日もアイスランドにいるんだもん。畳の部屋にいる時間は貴重だよー」ゴロンゴロン
コツン
穂乃果「わ」
凛「にゃ><」
穂乃果「ご、ごめんね凛ちゃん…」
凛「ううん。凛こそごめんなさいにゃ…穂乃果ちゃん、痛くなかった?」ナデナデ
穂乃果「大丈夫だよ。そんなに思いっきりぶつかったわけじゃないし…」
凛(穂乃果ちゃんが、こんなに近くに…///)ドキドキ
穂乃果「今日はありがとね。凛ちゃんもお料理上手で、ちょっとびっくりしちゃった…美味しかったよ♪」
凛「えへへ。にこちゃんが言ってたんだけど…」
穂乃果「何か教えてもらったの?」
凛「うん。お料理はね、愛情で美味しくなるんだって♪」
おわり
いつまで保守したって誰も感想なんか書かねぇんだから地震無しみたいな荒らしすんな能無し
毎日よくアイデア出てくるもんだな・・・
関心しますわ
絵里「八月」亜里沙「四日は」雪穂「箸の日?」穂乃果「橋の日!」 [無断転載禁止]©2ch.net
http://fate.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1501924633/ あの酒〇和男氏も大絶賛!?
王都先生の神最新作!!!
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神SSあげ!
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新作まだー?
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保守しまーす
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やっぱり埋め茸面白いSS発見器の才能あるな
見事に今狙われてないSSって他のレスも一切ない微妙なSSばっかだし
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