しずく「えっ!私のは別に普通ですよ」
せつ菜「そんなことないですよ。やはりお家でいろいろなケアとかしてるのでしょうか?」
しずく「お風呂上がりには時間を掛けてお手入れしてますけど……特に特別なことは何も」
せつ菜「そうなんですか?では、しずくさんの日々のお手入れがこの綺麗な髪の秘訣なんですね」
しずく「いえそんな、せつ菜さんの方が綺麗で素敵な髪をしていますよ。なにかケアをしているのですか?」
せつ菜「ケアですか……私も特に具体的なことはしていませんが……日頃こまめにブラッシングをしたり、ですかねぇ」
しずく「なるほど、確かに髪が長いのでブラッシングは欠かせませんよね」
せつ菜「そうなんです。少し湿気があるとまとまってしまうので、合間を見て梳かさないといけません」
しずく「あ、分かります!まとまってしまった髪を梳かすと痛いんですよね」
せつ菜「そうです!ちょっとの油断も出来ません」
せつ菜「ふふっ、しずくさんも髪が長いので気持ちが共有出来て嬉しいです」
しずく「私もです。それにせつ菜さんのことまた一つ知ることができました」
せつ菜「むむ!謎多きスクールアイドル優木せつ菜のことをまた一つ知ってしまうとは、しずくさんやりますね」
しずく「ふふ、やりました!」
せつ菜「そうだ、しずくさん、髪を触ってもいいですか?」
しずく「私の髪をですか?」
せつ菜「なんだか触ってみたくなったので」
しずく「いいですよ。どうぞ」
せつ菜「ありがとうございます」
サラサラ ナデナデ
せつ菜「おお、手の平をスルスルと抜けてくようなサラサラ感ですね。外から見るとツヤツヤで触ると綿のようにフワフワ」
しずく「なんだか髪をそれほど褒められると恥ずかしくなってきますね///」
せつ菜「えへへ、すみません」クンクン
せつ菜「あ、芳醇な甘い…バニラの様な香りですね…」
しずく「はい、今うちで使っているシャンプーがバニラの香りがすると書いてありましたから」
せつ菜「なるほど…シャンプーですか。クセになりそうな香りです」
しずく「ふふ、本当ですか?このシャンプーの香り気に入ってるんです」
せつ菜「ふぅ…私もこの香りお気に入りになりそうです」
しずく「甘くて良い香りですよね」
しずく「せつ菜さん、交代しましょう」
せつ菜「え、私のもですか?」
しずく「私の髪を触ったのですから、私にもせつ菜さんの髪を触らせてください」
せつ菜「確かにそうですよね、どうぞ!」
しずく「失礼します」
スルスル サワサワ
しずく「すごい、手に馴染むようなサラサラとした質感ですね。日々の欠かさないお手入れがこの髪から手に伝わって来ますよ」
せつ菜「えへへ、確かに自分の髪をそこまで褒められると照れてしまいますね///」
しずく「ふふ、お返しです」
しずく「枝毛がひとつも見つかりません」ジロジロ
せつ菜「ええっ!そこまで見るんですか!?」
しずく「クンクン……この鼻を突き抜けるような香りは…これはローズですね?」
せつ菜「あ、ローズの香りしますか?」
しずく「はい…なんだかウットリする様な感じですねぇ」スンスン
せつ菜「私、この香り気に入ってるんです。赤いバラは私の赤いイメージに合ってるといいますか…」
しずく「なるほど。赤バラとせつ菜さん…すごいピッタリな気がします!」
せつ菜「ふふ、そう思っていただけて嬉しいです」
しずく「でしたら、レッドローズ・せつ菜とお呼びすればいいですか?」
せつ菜「おお!なんだかヒーローの様でかっこいいですね!」
せつ菜「と、なると……メロウ・しずく=バニラなんてどうでしょう」
しずく「まるで外国の女優みたいで素敵です!」
せつ菜「ふふ、シャンプーの香りで名前が変わるのって、漫画みたいで面白いですね」
しずく「香りによって自分が変わる…なるほど良いアイデアかもしれませんねぇ…」
しずく「あのせつ菜さん、お願いがあるのですが」
せつ菜「なんでしょう?」
しずく「せつ菜さんの使っているシャンプーを教えてくださいませんか?私も使ってみたくなりまして」
せつ菜「もちろん、いいですよ。実は、私もしずくさんの使っているシャンプーが気になっていて、同じことを言おうと思ってました」
しずく「え!そうだったんですか?でしたら、この後一緒に買いに来ませんか?」
せつ菜「いいですね!行きましょう!」
ー
ーー
お店
ワイワイ ガヤガヤ
しずく「うーん…」
しずく「あ!ありました。せつ菜さん、私の使っているものです」
せつ菜「こっちも見つけましたよ。えっとダマスクローズ?というらしいです」
しずく「こっちは、バニラムスクと書いてありました」
せつ菜「はは、いつも色で選んで買っていましたが、きちんと見ないとこういう時いけませんね」
しずく「私もです…使っているシャンプーのことくらい知っておかないと」
しずく「今はミニサイズがあるので少しお試しするには便利ですね」
せつ菜「本当ですねぇ。旅行などにも持ち運べますし」
しずく「ふふ、楽しみになってきました」
ー
ーー
翌日
果林「え?髪の手入れ?」
せつ菜「はい!モデルを目指している果林さんはどんな髪のケアをしているのか気になりまして」
果林「ふふっ、確かにモデルは髪の毛も肌と同じくらい大切にしなきゃいけないからね」
果林「せつ菜は普段は髪になにをしてあげてるの?」
せつ菜「お風呂上がりにタオルで優しく拭いたり、こまめに髪を梳かしたり、ですかねぇ」
果林「なるほどね。それもいいけれど、私からはトリートメントをおすすめするわ」
せつ菜「トリートメント?ですか」
果林「お風呂上がりにタオルで髪を拭いた後に少し手にとって髪に馴染ませるの。そうすると髪へのダメージを防いだり保湿したりしてくれるのよ」
せつ菜「なるほど、お店で何度か見かけたことはあるのですがそんな便利な物だったとは」カキカキ
果林「せつ菜、前に髪の毛がまとまるって言ってたじゃない?トリートメントでケアをすれば、毛がまとまらず済むわよ」
せつ菜「そうだったんですか…」カキカキ
せつ菜「ふぅ……いやぁケアについて勉強になりました!果林さんありがとうございました」ペコッ
果林「うふふ、美容のことならなんでも聞いてちょうだいね?」
果林「そういえばせつ菜、貴方から甘い匂いがするけど何か付けた?」
せつ菜「あ!気付きました?実はシャンプーを変えてみたんです」
果林「へぇ、なるほどね。なんかいつもと違ったから気付いちゃったわ」
果林(でもなんか覚えがあるわね……)
果林「前も良かったけどこっちも似合ってるわよ。」
せつ菜「本当ですか?この香り気に入ってるので嬉しいです」
せつ菜「普段と違う香りを纏うとまるで新しい自分になった気がします…」
せつ菜「そう、今の私はメロウ・セツナホワイトです!」シャキーン
果林「?????」
ー
ーー
しずく「へぇトリートメントですか」
せつ菜「はい、昨日果林さんに教えてもらったんです」
しずく「さすが果林さん、美容に関しては詳しいですね。私も聞けば良かったです…」
しずく「それで、昨日さっそく買ってきたんですか?」
せつ菜「はい、少し興味が湧いてきまして。今夜使ってみようかと」
しずく「あれ?まだ使ってないんですか?」
せつ菜「そうなんですよ。実はですね……」ガサゴソ
せつ菜「はい、しずくさん」ポン
しずく「えっ?これって…トリートメント…?」
せつ菜「2つ買ったので、1つ差し上げます」
しずく「いいんですか?」
せつ菜「私からのプレゼントです。受け取ってください!」
しずく「せつ菜さん……」
しずく「ありがとうございます!すごく嬉しいです大切にします!」
せつ菜「あはは、喜んでもらえて良かったです」
しずく「では、私も今夜使ってみますね」
せつ菜「明日が楽しみですね〜」
せつ菜「それと、私とお揃いなんですよ」
しずく「ふふっ、そうなんですか?」
俺はリンスとトリートメントの違いすら分からないわ
そしてせつ菜ちゃんの髪の毛硬そうに見えて実はサラサラなのか