栞子「ポッキー…ゲームですか？」
栞子「別にかまいませんけど」
しずく「え、いいの！？」
栞子「しずくさんがしたいのではないですか？」
しずく「栞子さんなら断られるかと思っちゃって」
栞子「しずくさんのお願いを断る理由はありませんよ」
しずく「一応聞くけど、ポッキーゲームがどんなものか知ってるよね？」
しずく「ポッキーでチャンバラするんじゃないからね？」
栞子「ふふ、そのくらい知ってますよ」
栞子「ポッキーを両端から2人で食べて先に離すか折ってしまったら負けでしょう？」
しずく「…うん、あってる」
栞子「私だってそこまで疎くはありません」
しずく(意外だったなぁ)
しずく(栞子さんのことだからポッキーゲームを知らないか、知ってても恥ずかしがってやらないかと思ったのに…)
しずく(そうしたらからかってあげたのに)
しずく(こうも素直にやってくれるとは…)
しずく(いや、やったことないから恥ずかしさが分からないとか？)
しずく(…私もやったことないけど)
栞子「しずくさん？」
しずく「え、なに？」
栞子「やらないのですか？」
しずく「あ、やるよ、やるやる」
しずく「ちょっと待ってね、今開けるから」
栞子「はい」
しずく「あむ」
しずく「ふぁい、どうぞ」
しずく(でもこれはこれでおもしろそう)
栞子「失礼します」ﾊﾟｸ
しずく(さあ栞子さん、どんな反応見せてくれるかな？)
しずく(それにしても…)
しずく(こんな栞子さんと近いなんて///)
しずく(やっぱり綺麗な顔だね…)
しずく(口を開けた時にちらっと見えた八重歯もかわいいし)
しずく(私の方が照れちゃうよ///)
栞子「始めていいですか？」
しずく「う、うん///」
しずく(あれ、栞子さんは平気なの？)
しずく(いつもと全然変わらない表情…)
しずく(ううん、まだ10cm以上あるもん。だからだよね…？)
栞子「ん」ﾓｸﾞ
しずく(目をつむってる？)
しずく(確かにそれならあまり恥ずかしくなく進められるけど)
栞子「…」ﾎﾟﾘ
しずく(でもいつまでそうしてられるかな？)
しずく(そろそろ目をつむってても私の存在は感じられるはず！)
しずく(私はここにいるよ)
しずく(このまま進むとどうなるわかるよね？)
栞子「…」ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ
しずく(止まらない？何で！？)
しずく(このままじゃ栞子さんと…！///)
しずく「んっ///」ﾎﾟｷ
栞子「ん？」ﾓｸﾞﾓｸﾞ
栞子「私の勝ち。ですよね？」
しずく「い、今のはっ///」
栞子「今のは何ですか？」
しずく「ちょっとびっくりしただけで…」
栞子「そういうゲームでは？」
しずく「むぅ…」
しずく(くっ…まさか栞子さんに負けるなんて…)
しずく(あの子がまさかこんなに攻めてくるとは)
しずく(…ふう。落ち着きなさい、桜坂しずく)
しずく(きっと栞子さんは私が逃げると読んで攻め続けただけ)
しずく(私は賭けに負けた)
しずく(私が怖気づかなければ栞子さんが引いたはず)
しずく「もう1回、もう1回勝負だよ栞子さん」
栞子「何回でもかまいませんが…」
栞子「では1本貰いますね」
栞子「はい、どうぞ」ﾊﾟｸ
しずく「ずいぶん余裕だね…」
しずく(こんどは私が攻めてみせるよ)
しずく(今度は私が目をつむって進むんだから)
しずく(さっきのお返しだよ)
しずく(どう？これじゃあ攻められないでしょ？)
栞子「…」
しずく(ほら栞子さんは動けない)
しずく(さっきの私のようになってもらうよ！)
しずく(うぅ～…見えなくても栞子さんが近いのがわかる///)
しずく(今どんな顔してるの？)
しずく(ほら、もうすぐくっついちゃうよ？///)
しずく(あと一口くらい？)
しずく(行っちゃっていいの？///)
栞子「んちゅ」
しずく「んむ！？///」
しずく(え？え？え！？)
栞子「ちゅる…」ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ
しずく(今…私…///)
栞子「…ふぅ」ﾍﾟﾛﾘ
栞子「これは…引き分けですか？」
しずく「な、な、な…」
栞子「どうしましたか、しずくさん？」
しずく「い、いま私たち、キスを…///」
栞子「ええ、しましたね」
栞子「ポッキーゲームで勝ち負けがつかなければそうなるでしょう？」
しずく「いやいや、普通キスまではしないよ」
栞子「では最後までポッキーが折れなかった場合はどうなるのですか？」
しずく「それは…その前にどっちかが離すから」
栞子「しかし、しずくさんは離しませんでしたし、私も負ける気はありませんでしたよ？」
しずく「だけど…」
栞子「ポッキーゲームをするということは、キスくらい想定内だと思っていましたが」
しずく「もしかして…栞子さんってキス慣れてる？」
栞子「ええ。子供のころはよくランジュとしてましたから」
しずく「ランジュさんと！？」
栞子「はい」
しずく「それは…恋人関係だったってこと？」
栞子「ランジュとですか？別にそういうわけではないですよ」
栞子「2人ともまだ小さい時でしたし」
しずく「じゃあ栞子さんがキスするようになったきっかけって…」
栞子「昔…姉に騙されまして」
栞子「ポッキーゲームはお互いにキスをするゲームだと言われて」
栞子「それでランジュに誘われて遊んだものです」
しずく「…それは今でも？」
栞子「ランジュが戻ってきてからはまだですね」
栞子「そのうち久しぶりにするかもしれませんが」
しずく「栞子さんはだれにでもキスするの？」
栞子「そんなわけないじゃないですか」
栞子「しずくさんだからしたんですよ」
しずく「…っ///」
しずく「ってランジュさんでもするんでしょ？」
栞子「はい、ランジュは大切な友人ですから」
しずく「友達とならするんだ…」
しずく「私は初めてだったのに…」
栞子「キスがですか？」
しずく「そうだよ！」
栞子「それは驚きです。しずくさんならそのくらいの経験はあるのかと」
しずく「え、私そんな感じに思われていたの？」
栞子「役者であればキスシーンがある作品も珍しくないでしょう」
栞子「もちろん学生演劇では無いでしょうけど」
栞子「なのであまり抵抗はないのかと」
しずく「それはっ…そのうちそうなるかもしれないけど」
栞子「もしかして理想のファーストキスのシチュエーションとかありました？」
しずく「えっと…まあ、うん…」
栞子「それは…申し訳ないことをしましたね」
栞子「どうお詫びすればいいでしょうか…」
しずく「あ、ううん。それはいいの」
しずく「いいんだけど…」
しずく「ドキドキしてたのは私だけなんだなって…」
栞子「ドキドキ、ですか…」
しずく「私は初めてのキスが栞子さんで、すごく嬉しくて今もドキドキなのに」
しずく「栞子さんは平然としてる」
しずく「それもそうだよね。子供のころから何度もしてたんだもん」
しずく「栞子さんにとって、キスなんてなんでもないことだったんだね」
栞子「…ドキドキはしましたよ」
栞子「ランジュとしたときにはこんなドキドキはありませんでした」
栞子「久しぶりのキスだからかと思ってましたが…相手がしずくさんだからでしょうか」
しずく「それってどういう意味？」
栞子「どういう意味でしょう…私はこんな経験ないのでわかりません」
しずく「じゃあ…確かめてみる？///」
栞子「どうやってですか？」
しずく「もう1回キスしてみるの」
しずく「そうすればわかるかもしれないよ？」
しずく「ううん、1回じゃなくてわかるまで何度でも…///」
栞子「それも…いいですね///」
13日なんだからまだ口開けてポッキー待ってるだろ
14日までやれ
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