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ケーラー多様体・ホッジ分解


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1132人目の素数さん2021/02/07(日) 08:04:18.51ID:OoaCqu0y
複素多様体に栄光あれ!

2132人目の素数さん2021/02/07(日) 08:22:10.79ID:OoaCqu0y
z[λ]=x[λ]+iy[λ](λ=1,…,n)に対して
∂/∂z[λ]=(1/2)(∂/∂x[λ]-i∂/∂y[λ])
∂/∂z~[λ]=(1/2)(∂/∂x[λ]+i∂/∂y[λ])
dz[λ]=dx[λ]+idy[λ]
dz~[λ]=dx[λ]+idy[λ]
と定義する

df=d'f+d''fである
ただし
d'f=Σ(∂f/∂z[λ])dz[λ]
d''f=Σ(∂f/∂z~[λ])dz~[λ]

連続関数fの正則性は以下の式で表される
d''f=0

3132人目の素数さん2021/02/07(日) 08:22:51.65ID:OoaCqu0y
領域U⊂C^nで定義された複素微分形式は
dz[1],…,dz[n]
dz~[1],…,dz~[n]
を使って表される

以下の形の微分形式を、(p,q)次の微分形式、または単に(p,q)形式という
ω=Σf_[a_1,…,a_p,b_1,…,b_q] dz[a_1]∧…∧dz[a_p]∧dz~[b_1]∧・・・∧dz~[b_q]

ωが(p,q)形式の場合
dωは以下の(p+1,q)形式と(p,q+1)形式の和で書ける

dω=d'ω+d''ω

d'd'=0 d''d''=0 d'd''+d''d'=0 である

d''ω=0 となるとき ωはd''-閉であるといい
ω=d''θと表せるときは ωはd''-完全であるという

★ドルボー(Dolbeault)の補題
ωが半径rの多重円盤(D_r)^n上の(p,q)形式で、d''-閉、かつ、q>=ならば
rより小さい半径r'の多重円盤(D_r')^n上で、d''-完全である

4132人目の素数さん2021/02/07(日) 08:35:35.68ID:OoaCqu0y
Xをn次元複素多様体とするとき
ドルボーの補題の補題により、以下の層の系列は完全である
0→Ω~pー(i)→A~(p,0)ー(d'')→A~(p、1)ー(d'')→…ー(d'')→A~(p,n)→0

Ω~p 正則p次微分形式の芽の層
A~(p,q) (p,q)次微分形式の芽の層

上記はΩ_pの細層による分解であることから、以下の定理が成り立つ

★ドルボー(Dolbeault)の定理
 H~q(X,Ω~p)≣Ker(d’’:Γ(X,A~(p,q))→Γ(X,A~(p,q+1)))|d''(Γ(X,A~(p,q-1)))

5132人目の素数さん2021/02/07(日) 08:37:35.51ID:sd5BVB79
自分のノートでやればいいじゃん

6132人目の素数さん2021/02/07(日) 08:43:43.27ID:OoaCqu0y
付記

ドルボーの補題は、実微分形式に関し
「閉形式は局所的に完全形式である」
とするポアンカレの補題の複素版である

そしてドルボーの定理は、同じく実微分形式に関し
0→Rー(i)→A~0ー(d)→A~1ー(d)→…ー(d)→A~n→0
(R 実数の定数層
A~p p次微分形式の芽の層)
が層の完全系列で、Rの細層による分解であることから証明される
ド・ラムの定理の複素版である

☆ド・ラム(de Rham)の定理
 H~q(X,R)≣Ker(d:Γ(X,A~p)→Γ(X,A~(p+1)))|d(Γ(X,A~(p-1)))

7132人目の素数さん2021/02/07(日) 08:47:22.60ID:OoaCqu0y
>>5
ここが私のノート(抜粋版)である

8132人目の素数さん2021/02/07(日) 09:13:55.32ID:OoaCqu0y
Eを複素多様体X上の複素ベクトル束とする

Eの接続とは、アーベル層としての準同型写像
 D:A~0(E)→A~1(E)
で、以下のライプニッツの公式を満たすものである
 D(fξ)=df・ξ+fDξ f∈A~0 ξ=A~0(E) 

A~0(E)はEに値をとるp次微分形式の芽の層

接続Dは写像
 D:A~p(E)→A~(p+1)(E)
に拡張できる
 D(φξ)=dφ・ξ+((-1)^p)φDξ φ∈A~p ξ=A~0(E)

D^2(fξ)=D(df・ξ+fDξ)=d^2 f・ξ-df∧Dξ+df∧Dξ+f・D^2ξ=f・D^2ξ
となり、A~0(E)からA^2(E)へのA~0加群の層としての準同型写像となる

R=D^2 とおき、RをDの曲率と呼ぶ

9132人目の素数さん2021/02/07(日) 09:26:59.16ID:OoaCqu0y
Eを複素多様体X上の複素ベクトル束とする
hが以下の性質をもつとき、E上に定義された
エルミート(Hermite)構造であるという

各点x∈Xで、hはファイバー束E_xにエルミート内積h_xを与える
a)h_x(ξ,η)はξに関して線型
b)h_x(η,ξ)はh_x(ξ,η)~
c)ξ≠0ならば、h_x(ξ,ξ)>0
d)ξとηがC~∞ならば、h(ξ,η)もC~∞

Eの接続Dが以下の条件を満たすとき、h-接続、もしくは、hを保つ、という
 d(h(ξ,η))=h(Dξ,η)+h(ξ,Dη) ξ,η∈A~0(E)

定理
 正則ベクトル束Eのエルミート構造hに対して
 hを保つD=D'+d''の形の接続が一つ、ただ一つ存在する
 (D'は、D=D'+D''と分解したときのA~(1,0)に対応する成分)

上記の接続を(E,h)の標準接続とよぶ

10132人目の素数さん2021/02/07(日) 09:51:04.24ID:i3aurVMs
>>8
接続って一体何を一般化したものなの?
曲面の場合とかだとどうなんの?

11132人目の素数さん2021/02/07(日) 09:54:27.10ID:OoaCqu0y
エルミート正則ベクトル束(E,h)に対して(det E,det h)を考える
det Eの接続形式ω_det(E)は、ω_det(E)=tr(ω_E)となる
またエルミー正則ベクトル束の接続形式は以下で与えられる
ω~i_j=ΣΓ~i_j[a]dz[a] 但しΓ~i_j[a]h~ik(∂h~jk/∂z[a])

したがって(det E,det h)の接続形式は
Σω~i_i=ΣΓ_a dz[a] (Γ_a=Γ~i_i[a])
となるがこのときΓ_aは計算可能である

hを行列Hで表した場合
 Γ_a=(det H)^(-1)∂(det H)/∂z[a]=∂log(det H)/∂z[a]
よって接続形式は以下のようになる
 Σω~i_i=d’log(det H)
さらに曲率R_det(E)=tr(R_E)は以下の式で与えられる
 tr(R_E)=d''d'log(det H)

12132人目の素数さん2021/02/07(日) 10:03:14.73ID:OoaCqu0y
>>10
以下をお読みください
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8E%A5%E7%B6%9A_(%E5%B9%BE%E4%BD%95%E5%AD%A6)

実のところ、
「標準接続では簡単な計算で曲率が求まる」
という点がポイントなので
微分幾何の一般論には踏み込みません
悪しからず

13132人目の素数さん2021/02/07(日) 10:07:36.56ID:7YOKKMWk
>>11
接続形式とは何?
この説明では、det EとEについてのみ考えるから定義はしないということ?

14132人目の素数さん2021/02/07(日) 10:09:27.12ID:7YOKKMWk
> hを行列Hで表した場合
> Γ_a=(det H)^(-1)∂(det H)/∂z[a]=∂log(det H)/∂z[a]

これは基底に依存しないの?

15132人目の素数さん2021/02/07(日) 15:34:09.86ID:OoaCqu0y
>>13
Xの各点で、その近傍Uで枠の場e_1,…,e_rをとる
Dを任意の接続とすれば、De_jは
Eに値をとるU上の1次微分形式として
以下のように書ける
 De_j=Σ(i) ω~i_je_i
この1次微分形式のつくるr×r行列ω=(ω~i_j)を
枠e_1,…,e_rに関するDの接続形式とよぶ

16132人目の素数さん2021/02/07(日) 15:35:40.16ID:0nP6/SOr
>>15
ありがとう

枠の場って何

17132人目の素数さん2021/02/07(日) 15:41:35.85ID:OoaCqu0y
>>14
正則局所枠e_1,…,e_rが以下の条件を満たすとき
点x∈Xで適合しているという
1)h_jk(x)=δ_jk
2)Γ~i_ja(x)=∂h_ji/∂z[a](x)=0

与えられた点x∈Xに対し、その点で適合した正則局所枠が必ず存在する

18132人目の素数さん2021/02/07(日) 15:52:15.38ID:OoaCqu0y
複素多様体Xのエルミート計量を
Xのリーマン計量gで以下の性質を満たすもの
として定義する
 g(ξ,η)=g(Jξ,Jη) JはXの概複素構造
エルミート計量の与えられた複素多様体を
エルミート多様体という

 Φ(ξ,η)=g(ξ,Jη)
と書く、この2次微分形式をエルミート多様体(X,g)の
基本2次微分形式という

19132人目の素数さん2021/02/07(日) 15:58:01.00ID:OoaCqu0y
Xをn次元複素多様体
gをエルミート計量
Φをその基本2次微分形式とする

以下の2条件は同値である
1)標準接続のねじれ率が0である
2)dΦ=0である

上記の条件を満たすエルミート計量gをケーラー計量といい
(X,g)をケーラー多様体という
Φをケーラー微分形式とも呼ぶ

20132人目の素数さん2021/02/07(日) 16:08:01.13ID:OoaCqu0y
>>16
Xを複素多様体、Eをその上の複素ベクトル束でファイバーの次元をr
その射影をπ、x∈XにおけるファイバーをE_x=π^(-1)(x)と書く

PをGL(r,C)を構造群とするEに同伴する主ファイバー束とし
その射影もπと書く

定義により、u∈P_x=π^(-1)(x)は同型写像u:C^r→E_xである
したがってu∈P_xはC^rの自然な基のuによる像として得られる
E_xの枠(順序のついた基)である

21132人目の素数さん2021/02/07(日) 16:11:43.52ID:OoaCqu0y
ケーラー多様体の例

1.リーマン面
 Xをリーマン面、すなわち1次元複素多様体とし
 gを任意のエルミート計量とする
 Xの実次元は2であるから、基本2次微分形式は必然的に閉じている
 したがってgはケーラー計量である

22132人目の素数さん2021/02/07(日) 16:19:04.99ID:OoaCqu0y
>>21
ケーラー多様体の例

2.複素トーラス
 z[1],…,z[n]をC^nの座標系とするとき、
 自然なケーラー計量とその基本2次微分形式Φは以下の通りである
 ds^2=Σdz[j]dz~[j] Φ=(i/2)Σdz[j]∧dz~[j]

 e[1]=∂/∂z[1],…,e[n]=∂/∂z[n]
で与えられる正規直交枠をとれば、
接続形式ωは恒等的に0で、曲率形式Rも0になる 

23132人目の素数さん2021/02/07(日) 16:30:05.76ID:OoaCqu0y
>>22
ケーラー多様体の例

3.複素射影空間
P^n(C)をn次元射影空間とする
(ζ[0],…,ζ[n])をその斉次座標系とする

<ζ,ζ~>=Σζ[j]ζ~[j]
とおくと
 ds^2=2Σ(∂^2log<ζ,ζ~>/∂ζ[j]∂ζ~[k])dζ[j]dζ~[k]
 Φ=id'd''log<ζ,ζ~>
はそれぞれ複素射影空間のケーラー計量とその基本2次微分形式である

この計量をP^n(C)のフビニ・ストゥディ形式と呼ぶ

24132人目の素数さん2021/02/07(日) 16:34:28.28ID:OoaCqu0y
>>23
ケーラー多様体の例

4.代数多様体
ケーラー多様体Mの複素部分多様体Xに
Mのケーラー計量ds^2を制限すれば
ケーラー計量になる
(基本2次微分形式についても同様)

複素射影空間の閉複素部分多様体は
コンパクトなケーラー多様体の重要な例である

25132人目の素数さん2021/02/07(日) 17:01:40.95ID:OoaCqu0y
>>24
ケーラー多様体の例

5.複素双曲型空間
B_n={z∈C^n||z|^2<1}を考える

以下の計量はB_nのケーラー計量である
ds^2=2Σg_jkdz[j]dz~[k]
g_jk=∂^2/∂z[j]∂z~[k](1/log(1-|z|^2)^(n+1)

26132人目の素数さん2021/02/07(日) 17:15:51.97ID:OoaCqu0y
今日はここまで

27132人目の素数さん2021/02/07(日) 21:05:05.72ID:9aHkgZ1B
教科書バカ乙

28132人目の素数さん2021/02/12(金) 22:02:12.69ID:gtyJUbfP
Griffiths Harrisを手に入れた

29132人目の素数さん2021/02/13(土) 13:55:04.75ID:9VxnU/uL
Hodge理論の応用というか良さを教えてくれ……

ベクトル束とかエルミート計量のあたりでお腹いっぱいなんだ

30132人目の素数さん2021/02/26(金) 21:19:45.39ID:rpTyP75D
Hodge理論より
射影代数多様体の奇数次ベッチ数が偶数であることがわかる
このことから
ホップ多様体の非代数性が直ちに従う

31132人目の素数さん2021/03/25(木) 18:28:39.45ID:66jxOSA6
線形代数からやり直した
以前よりもメトリクスとかに抵抗は無くなった


lud20210507221135
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