J-castnews 8月14日11時00分
https://www.j-cast.com/2022/08/14443708.html
もう人間が絵を描かなくていいんじゃないか――。AI画像生成サービス「Midjourney」が、完成度の高い絵を作り出すとして2022年7月末からSNS上で話題になっている。このサービスに対し、多くのユーザーが感嘆の声を上げているが、一部のユーザーは仕事を奪われるのではないかと危機感を露わにしている。
以前からAI画像生成サービスは存在していた。しかし、なぜ特にMidjourneyが話題になったのか。今後、こうしたサービスはクリエイターから仕事を奪う存在になるのか。人工知能美学芸術研究会(以下、AI美芸研)の中ザワヒデキ氏と草刈ミカ氏に詳しく話を聞いた。
■「ちょっとした挿絵くらいならAIで十分な時代がきた」
Midjourneyは、ユーザーが入力したテキストを元に、AI(人工知能)が内容に沿った画像を生成するサービスだ。チャットアプリ「Discord」内で提供されており、8月9日時点ではβ版が公開されている。無料で約25回まで使えるが、より多くの画像を生成したり、商用利用したりする場合には、月額10ドルまたは30ドルのプランに加入する必要がある。
広く話題となった1つのきっかけは、ツイッター上で7月30日に投稿された1枚の画像だと思われる。この画像では、黄色い花が一面に広がっている場所に佇む女性の後ろ姿が繊細なタッチで描かれている。投稿者は「コンセプトアート系はそうとうヤバい気がする」と危機感を述べた。
8月9日までに、多くのユーザーがサービスを利用した画像をSNS上に投稿しており、連日話題になっている。入力したテキストの内容に沿った完成度の高い絵を作り出すとして「ちょっとした挿絵くらいならAIで十分な時代がきた」といった感嘆の声が相次いでいる。
しかし、一部のユーザーは「廃墟イラスト完全に勝てない 廃業です」「AIに仕事を奪われる」などと危機感を露わにしている。実際、このサービスを利用して書いた漫画なども既に投稿されており、「この手法でぜんぜん作品作れそうな感じする」といった感想が寄せられていた。
これまでMidjourney以外にも「GPT-3」や「DALL-E2」、「Craiyon」などのAI画像生成サービスは存在していた。しかしなぜ特にMidjourneyが話題となっているのか。こうしたサービスがクリエイターから仕事を奪う可能性はあるのか。
■Midjourneyが話題となった理由は?画像の特徴は一体何か?
AI美芸研の中ザワ氏と草刈氏は9日、J-CASTニュースの取材に対し、Midjourneyが他のサービスに比べて特に話題になった理由を2点指摘した。それは(1)リアル・ファンタジー方向の絵は、構成や色価の処理も含めて巧い(2)今の時代の鑑賞のツボを得ている――ことだという。
Midjourneyは、前提としてAIが100%生成した絵で誰でも使える道具である。この条件に上記の2点が加わることで「『AIが巧くなって人間の画家を駆逐する』というリアリティが視覚的に実感できた」ため、今回大きな話題になったのではないかと考えを示した。
また2人は、「今の時代の鑑賞のツボ」について次のように説明している。
「(歴史に一定の法則性を見出す)循環史観的には2020年代は、20世紀初頭から数えて4度目のシュルレアリスム期です。ロマン主義的な廃墟や夢、彼岸、神秘、ヴァーチャル世界、死後、破滅、無辺なる風景といったモチーフに人々の心が向かう時代です。ここに『巧さ』が加わるとマニエリスムという様式となり、人間離れしたAIならではの完成度の高いマニエリスムが今回実現したと見る事もできるでしょう」
例えば、ほのぼの系や愛嬌系のテキストを今回のサービスに入力しても、生成された画像に憂いや神秘感などが現れるような特徴が生まれるのは、「シュルレアリスムやマニエリスムという基調路線によるものではないか」と2人は述べる。「マニエリスムの対極は『ヘタうま』ですが、Midjourneyは『ヘタうま』方向には向かいそうにありません」。ヘタうまとは、ヘタなものがよいという意味だ。
※以下リンク先で
Midjourneyで生成した絵
https://www.j-cast.com/2022/08/14443708.html
もう人間が絵を描かなくていいんじゃないか――。AI画像生成サービス「Midjourney」が、完成度の高い絵を作り出すとして2022年7月末からSNS上で話題になっている。このサービスに対し、多くのユーザーが感嘆の声を上げているが、一部のユーザーは仕事を奪われるのではないかと危機感を露わにしている。
以前からAI画像生成サービスは存在していた。しかし、なぜ特にMidjourneyが話題になったのか。今後、こうしたサービスはクリエイターから仕事を奪う存在になるのか。人工知能美学芸術研究会(以下、AI美芸研)の中ザワヒデキ氏と草刈ミカ氏に詳しく話を聞いた。
■「ちょっとした挿絵くらいならAIで十分な時代がきた」
Midjourneyは、ユーザーが入力したテキストを元に、AI(人工知能)が内容に沿った画像を生成するサービスだ。チャットアプリ「Discord」内で提供されており、8月9日時点ではβ版が公開されている。無料で約25回まで使えるが、より多くの画像を生成したり、商用利用したりする場合には、月額10ドルまたは30ドルのプランに加入する必要がある。
広く話題となった1つのきっかけは、ツイッター上で7月30日に投稿された1枚の画像だと思われる。この画像では、黄色い花が一面に広がっている場所に佇む女性の後ろ姿が繊細なタッチで描かれている。投稿者は「コンセプトアート系はそうとうヤバい気がする」と危機感を述べた。
8月9日までに、多くのユーザーがサービスを利用した画像をSNS上に投稿しており、連日話題になっている。入力したテキストの内容に沿った完成度の高い絵を作り出すとして「ちょっとした挿絵くらいならAIで十分な時代がきた」といった感嘆の声が相次いでいる。
しかし、一部のユーザーは「廃墟イラスト完全に勝てない 廃業です」「AIに仕事を奪われる」などと危機感を露わにしている。実際、このサービスを利用して書いた漫画なども既に投稿されており、「この手法でぜんぜん作品作れそうな感じする」といった感想が寄せられていた。
これまでMidjourney以外にも「GPT-3」や「DALL-E2」、「Craiyon」などのAI画像生成サービスは存在していた。しかしなぜ特にMidjourneyが話題となっているのか。こうしたサービスがクリエイターから仕事を奪う可能性はあるのか。
■Midjourneyが話題となった理由は?画像の特徴は一体何か?
AI美芸研の中ザワ氏と草刈氏は9日、J-CASTニュースの取材に対し、Midjourneyが他のサービスに比べて特に話題になった理由を2点指摘した。それは(1)リアル・ファンタジー方向の絵は、構成や色価の処理も含めて巧い(2)今の時代の鑑賞のツボを得ている――ことだという。
Midjourneyは、前提としてAIが100%生成した絵で誰でも使える道具である。この条件に上記の2点が加わることで「『AIが巧くなって人間の画家を駆逐する』というリアリティが視覚的に実感できた」ため、今回大きな話題になったのではないかと考えを示した。
また2人は、「今の時代の鑑賞のツボ」について次のように説明している。
「(歴史に一定の法則性を見出す)循環史観的には2020年代は、20世紀初頭から数えて4度目のシュルレアリスム期です。ロマン主義的な廃墟や夢、彼岸、神秘、ヴァーチャル世界、死後、破滅、無辺なる風景といったモチーフに人々の心が向かう時代です。ここに『巧さ』が加わるとマニエリスムという様式となり、人間離れしたAIならではの完成度の高いマニエリスムが今回実現したと見る事もできるでしょう」
例えば、ほのぼの系や愛嬌系のテキストを今回のサービスに入力しても、生成された画像に憂いや神秘感などが現れるような特徴が生まれるのは、「シュルレアリスムやマニエリスムという基調路線によるものではないか」と2人は述べる。「マニエリスムの対極は『ヘタうま』ですが、Midjourneyは『ヘタうま』方向には向かいそうにありません」。ヘタうまとは、ヘタなものがよいという意味だ。
※以下リンク先で
Midjourneyで生成した絵
![絵を描くAI「Midjourney」なぜ人気? 「画家を駆逐するリアリティ実感」...識者が考える「人間への問い」 [鳥獣戯画★]YouTube動画>1本 ->画像>3枚](https://www.j-cast.com/assets_c/2022/08/news_20220812222133-thumb-645xauto-230981.png)
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