>>1 政府データによると、アメリカは2023年に680億ドル(約10兆円)を国際援助に使った。
この総額は複数の部門や機関にわたるものだが、USAIDの予算はその半分以上を占め、約400億ドルだった。
予算の大部分はアジア、サハラ以南のアフリカ、ヨーロッパ、特にウクライナでの人道支援に使われた。
アメリカは国際開発において世界最大の支出国であり、その規模は他国に比べて突出している。たとえばイギリスは世界で4番目に大きな援助支出国で、2023年の支出額は153億ポンド(約2.9兆円)に上ったものの、これはアメリカによる支出額の約25%だ。
世界の最貧層に薬を提供したり、清潔な水の供給を確保したりする事業などが、一夜にして停止した。人道支援活動のベテランはBBCに対し、この停止は「援助セクター全体にとって地震のようなものだった」と話した。
ホワイトハウスとUSAIDの間の緊張関係は、今月1日から2日にかけて悪化した。連邦政府予算で支出を削減すべき部分を特定するようトランプ大統領に指示されているマスク氏の部下が、重要機密になっている財務データの提供をUSAID本部で要求し、断られたからだという。報道によると、USAIDの保安担当幹部2人が休職処分になったとされる。
マスク氏は3日、所有するソーシャルメディア「X」での公開ディスカッションで、「USAIDについては(大統領に)詳しく説明した。閉鎖するべきだと(大統領は)同意した」と発言した。
USAIDの公式サイトは3日までに開かなくなった。職員は3日に自宅待機を命じられた。
ルビオ国務長官はUSAID幹部を「反抗的」だと非難し、「暫定的な責任者」は自分だと述べたほか、これまでUSAIDが担ってきた「機能の多く」は今後も続くものの、その支出は「国益に沿ったものでなくてはならない」と話した。