ホアン・バロス司教
パワハラ、セクハラを許さない世界的な動きの中で、カトリック教会にも激震が走っている。かつてのチリの神父が及んだ児童性的虐待スキャンダルを受けて、チリの司教が全員辞意を表明するという前代未聞の事態に発展した。
信者たちのみならず、広く人々の範とならねばならないカトリックの聖職者だが、その闇が暴かれたのは今世紀初頭にさかのぼる。アメリカをはじめとする各国のカトリック系孤児院や学校、神学校など各所で、司祭や修道者、職員による子どもたちへの性的虐待が行われている実態が明るみになってきたのだ。
こうした児童性的虐待はかなり以前から行われてきたと推察されるが、教会という厚い壁によってこれまで完全に隠蔽されてきたこともまた明らかになった。2010年にはロンドンで、当時の教皇ベネディクト16世が枢機卿在任時代に司祭の性的虐待事件をもみ消していたとして退位を要求する抗議デモが行われた。
一連のスキャンダルの暴露とカトリック教会批判はアメリカとヨーロッパ各国を中心に巻き起こっていたのだが、2010年には南米・チリのカトリック界でも陰惨な児童性的虐待が長く行われていたことが暴かれることになった。
チリのエリート説教師と目されてきたフェルナンド・カラディマ神父が1980年代から南部オソルノ市で児童性的虐待を繰り返していた実態が発覚したのだ。
調査に乗り出したバチカンは2011年にカラディマ神父に“有罪”を言い渡し、残りの人生を贖罪と祈りで送るようにと命じた。こうしてこの一件は刑事事件に発展することなく幕引きを迎えたかに見えたのだが、2015年にひょんなことからスキャンダルが蒸し返されることになる。現教皇フランシスコが、カラディマ神父の“弟子”であったとされるホアン・バロス司教を軍の指導司祭からオソルノ市の司教として指名したことが問題となったのである。
バロス司教はカラディマ神父の児童性的虐待を知りながら隠蔽した中心人物とみなされていることから、その筋にある人物が再びオソルノ市の司教になることに大きな批判が巻き起こったのだ。そして今度はバチカンの調査が、隠蔽工作の実態に向けられることになった。
今年1月、教皇フランシスコはチリとペルーを訪問しているのだが、その時のスピーチの中で件の児童性的虐待事件にも触れ、被害者とその家族に謝意と再発防止を表明している。
そして先日、教皇フランシスコはチリの司教らをバチカンのローマ法王庁に招集し、3日間の集中的な危機管理会議を行った。会議に先立って、これまでの調査で作成された2300ページにも及ぶレポートが教皇のもとに届いており、チリのカトリック教会の根強い“隠蔽体質”が指摘されることになった。
教皇フランシスコは、これをチリの教会ヒエラルキーにある“深刻な欠陥(grave defects)”であると表現してチリのカトリック界の抜本的な組織改革を強く命じた。そしてチリのカトリック教会の「エリート主義者と権威主義者」が児童性的虐待を黙認した元凶を調査することを改めて要求したのだ。
そしてこの3日間の集中的な協議の末、チリの司教31人とすでに引退した司教3人の計34人の司教全員の“辞表”が提出されたのだ。これほど大量の同時“辞任劇”はおそらくカトリック史上初の出来事であるともいわれている。
ルイス・フェルナンド・ラモス・ペリッツ司教をはじめとする司教代表団は声明の中で、チリの司教たちは調査文書の内容は「完璧に遺憾である」と述べ、性的虐待の被害者とチリ国民に深くお詫びした。
司教たちの“辞表”は今のところは保留された格好になっており、教皇フランシスコが受理するのかしないのか、あるいはそれぞれの司教ごとに個別に対応するのかはまだわかっておらず、そもそも解任ではなく辞任が許されるのかもはっきりしていないようだ。
続く
以下ソース
http://tocana.jp/2018/06/post_17171_entry.html
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