早ければ今世紀中にも人類の火星への移住が実現するというが、その前にクリアすべき課題の一つが「どうやって火星を生命の住める場所に変えるのか」である。いわゆるテラフォーミングの問題であるが、米ノバ・サウスイースタン大学の海洋生物学者ホセ・ロペス氏は今年9月に専門誌「FEMS Microbiology Ecology」に発表した論文の中で、まずは地球の有用な微生物を火星に“感染”させるべきだと主張している。
「有益な微生物がいなければ、私たちの知る生命は火星に存在できません」と、ロペス氏はプレスリリースで火星に微生物を送ることの意義を強調する。そして、「微生物という旅人を送ったり運んだりせずに、我々が新しい惑星を探索することは不可能である」という仮説のもと、まずは地球の環境に有益で、かつ火星のテラフォーミングに貢献する微生物を選抜し、人類に先んじて火星に送り込み、生命が生きられるような環境の基礎を作るべきというのがロぺス氏の主張だ。
これまでの宇宙開発において、NASAや他の機関では宇宙への微生物持ち込みを警戒し、かなり厳格なガイドラインを作り、対策を行ってきた。宇宙に打ち上げられる人工衛星やシャトルなどは地上からの発射の前に徹底的に除菌、滅菌され、これから研究しなければならない手付かずの環境が汚染されないように注意を払ってきたのである。
しかしながら、人間が火星で活動を行えば、遅かれ早かれ“汚染”は避けられない。ならばいっそのこと、火星に微生物を送ることは火星探査、そして移住のための最初の一手として、長い目で見ればコストも低く有用であるとも考えられる。ロペス氏らの提案はこの基本的なガイドラインに真っ向から挑むものであり、今後の宇宙開発においては「挑発的なパラダイムシフト」が必要であると訴えているのだ。
とはいえ、ロペス氏も今すぐ火星に微生物を送れと急進的なことを求めているわけではなく、今はまず、地球環境において微生物がどのような役割を果たしているか、包括的な研究と理解を深めることが重要だとも指摘している。残念ながらどんな微生物が火星で役立つのか、我々はまだ何もわかっていないのである。
今年8月にはイスラエルの月探査船が月面に墜落して生きたクマムシをばらまいた可能性があるとして世界に衝撃を与えた。世界各国の政府機関や民間企業が宇宙開発に乗り出せば、現在の汚染を防ぐためのガイドラインを徹底させることも難しくなるだろうし、このクマムシの一件のような事故は今後も起こるだろう。人類の宇宙進出、そして火星への移住にまず必要なのは、環境を都合よく“汚染”しなければ、我々はあの星で生きられないという自覚と覚悟なのかもしれない。
以下ソース
https://tocana.jp/2019/10/post_116738_entry.html
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