国民の4分の1が患者だという「花粉症大国」日本。あの激しい目のかゆみ、止まらぬくしゃみと鼻水に恐れをなし、シーズン到来を待たずに治療薬の服用を始める人や、年間通じて飲んでいる重症者も散見される。それほどまでに警戒されている花粉症だが、治療薬の副作用については意外と知られていない。
50代女性のケースを紹介しよう。
「頭痛がしているんですけど、薬を飲んでも、すっきりしなくて……」
そう訴えながら、女性は何度もまばたきをした。回数の多さが引っかかったので、ほかに服用している薬はあるかと問うと、「花粉症の薬『ポララミン』を服用している」と言う。「d-クロルフェニラミンマレイン酸塩」を主成分とする、『第一世代』と呼ばれる効き目の強い抗ヒスタミン薬(花粉症薬)だ。私が「目に違和感はないか」と問うとこう答えた。
「眩(まぶ)しく感じたり、見えにくいときがあるけど……加齢の影響でしょ?」
クスリの副作用による眼圧上昇を疑った私は眼科の受診を勧めた。後日、薬局を訪ねてきた彼女は、花粉症薬を代えて、症状が改善したと私に告げた。
別の日、80代の婦人が薬局にきて、「主人が入院しました」と肩を落とした。
「急におしっこが出なくなって、冷や汗をかき、激しい腹痛に悶(もだ)え苦しみ始めたので、慌てて病院へ行ったら『尿閉』と診断されて、即入院となったのです」
原因は倒れるわずか3日前から飲み始めた市販の花粉症薬だった――。
「抗ヒスタミン薬は鼻水、鼻づまり、くしゃみの原因となるヒスタミンをブロックすることで症状を緩和させるのですが、神経と神経の橋渡しをするアセチルコリンの働きも抑制してしまう。この『抗コリン作用』によって副交感神経が遮断されてしまうと身体が常に緊張した状態になり、膀胱平滑筋の収縮が抑制されて尿閉が起きるのです。眼圧が上がるのも、抗コリン作用が原因です」『医療法人社団霞山会MYメディカルクリニック』の笹倉渉院長)
眼圧の上昇を放置していると、取り返しのつかないことになる。
「たとえば目の中の水分の出口である隅角が狭い『閉塞隅角緑内障』の患者にとって、第一世代の抗ヒスタミン薬は禁忌とされています。知らずに服用を続けていると失明する危険があります」(『わたなべ眼科クリニック』渡邊睦院長)
小児用の花粉症薬や鼻炎薬にも、第一世代の抗ヒスタミン薬の成分が含まれているものが存在する。子どもに多い副作用は熱性痙攣(けいれん)だ。40度に迫る高熱を出しながら、白目をむき、唇を紫色に変色させ、身体を硬直させてガクガクする姿にパニックになる親も多い。
「小児科の専門医であれば6歳未満のお子さんに第一世代の抗ヒスタミン薬を処方することはまずないと思います。ところが、市販の小児用花粉症薬や鼻炎薬には、第一世代の抗ヒスタミン薬が配合されていても『生後3ヵ月から服用可能』とされているものが多くある。花粉症薬による熱性痙攣は長時間に及ぶこともあり、注意が必要です」(『有明こどもクリニック』小暮裕之院長)
花粉症患者たちはどうすればいいのか。
ひとつは『第二世代』と呼ばれる、比較的副作用の軽い抗ヒスタミン薬を専門医に処方してもらうこと。『ビラノア』や『ルパフィン』、『アレグラ』などは眠気が出にくく、よく処方されている。
「市販薬では『アレグラ』『クラリチン』が眠気が軽いようですが、基本的に抗ヒスタミン薬は眠気を伴うもの。油断せず、運転などする際には十分、気をつけていただきたい」(前出・笹倉医師)
続く
以下ソース
https://friday.kodansha.co.jp/article/97219
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