さらに、ロシアのウクライナ侵攻のニュースを見ていると、ウクライナの「サイバー義勇兵」「IT群」をはじめ、デジタル技術を武器とした情報戦、デジタル戦が繰り広げられていることに驚く。翻って日本の国防はどうかと言うと、あまり聞かない気が……。もしかして日本は、国防でもIT後進国なのか。軍事フォトジャーナリスト・菊池雅之氏に聞いた。
「わかりやすい例を挙げると、日本は実は陸上自衛隊で2004年にFFOS(遠隔操縦観測システム)という、ドローンの先駆けのようなものを作っているんです。その時点ではドローン技術が諸外国軍に比べてずば抜けて遅かったわけではないのですが、そのドローンもどきはサイズが全長約4メートルもあり、それを運ぶには3トントラックが必要です。さらに通信装置やアンテナを積んだ車も5台もの車列を組んでサポートしなければいけない。ちっちゃいヘリコプターみたいなモノだったんですよ。
例えば30〜40キロ先の敵がいる島に大砲を使い砲弾を落とすとき、空から弾着を見るために、無人機を飛ばすというのが主な目的でした。
スタートは遅くなかったものの、そうした汎用性の乏しいモノを最初に作ってしまったために、以降はそれをちょこちょこ直さざるを得なくなり、長らくその呪縛にとらわれてしまったんです。
結果的に、今ウクライナで使われているような、量販店でも買えるフランスの小型ドローンANAFIを購入し、「偵察用」として自衛隊が使い始めたのは、ここ2、3年のことです」
日本は、スタート時期は遅くなかったのに、スタートで方向性を間違えたことが一つ。さらに、そこから方向性を変えられなかったのは、なぜなのか。
「日本がやることは、どうしても中途半端になるんです。 例えば、アメリカにはかなり高度まで行けるRQ-4 グローバルホークという高高度滞空型の巨大な偵察機ドローンがあるんですが、自衛隊が作ったFFOSの場合、それほど高い高度まで飛ばないのに、巨大化してしまった。
しかも、一度開発して、調達する手順を踏んでしまうと、それを捨てて新しいモノを開発することは、予算承認の関係も含めて、なかなかできないんです。
国民からすれば、いったん作ったものを捨てずに持っていることは、一見、血税を大事にしてくれているように思えるかもしれませんが、使えないものを持ち続けることが意味のあることなのかは疑問ですね」
ちなみに、日本が弾着観測用に作った巨大なドローンもどきを使用していた頃、2003年のイラク戦争ではすでにアメリカなどの多国籍軍がドローンを爆撃用に軍事利用していた。
さらに、菊池氏は日本とアメリカの比較として、こんなわかりやすい例を挙げる。
「僕が1996年に米軍の取材をしたときに、インターネットでメールのやりとりをするシステムを船の中で使っているのを見て、すごいと思ったんですよ。
それがいわゆる後のウインドウズ98などにつながる“おおもと”で。
そのとき、日本がどうだったかというと、僕は自衛隊への取材申請書をワープロで打ち出して、封筒に入れて切手を貼って出していたんですよね。そもそもアメリカと日本では比較にならないんですよ」
しかし、2010年には、日本の末端の兵士たちが使う兵器にもネットワークの活用が広まったという。
「10(ヒトマル)式戦車という新しい戦車を作ったんですよ。
それまでの戦車は無線でやりとりしていましたが、ヒトマル式はモニター画面があり、仲間の戦車も同じ画面を見ることで、仲間の位置情報や敵の情報までもがGPSで地図にマッピングされ、共有できるシステムになっていました。
ネットワークでつなげたのは自衛隊では初で、世界でも早いほうでした。そのシステムはその後、2016年の16(ヒトロク)式機動戦闘車にも搭載されています。
ただし、それ以前に、アメリカでは、iPadのもとになるものが配られていたわけですが……」
続く
以下ソース
https://friday.kodansha.co.jp/article/242797
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