
リニア予定地に希少動植物確認 静岡市、JR東海は把握せず
南アルプスを貫くリニア中央新幹線のトンネル掘削工事を巡り、静岡市は31日、2016年度に
実施した環境調査で、JR東海が行った環境影響評価(アセスメント)の現地調査では
把握されなかった動植物計8種を確認したと発表した。
市は昨年5〜11月、工事が予定される市北部の南アルプスユネスコエコパーク(生物圏保存地域)で
調査を実施。8種のうち7種は環境省の「レッドリスト」や静岡県の「レッドデータブック」で「準絶滅危惧種」
などに指定されているカワネズミ(哺乳類)やカジカ(魚類)などだった。
また、JR東海が示したトンネルの掘削計画などを基に、工事に伴う湧き水の量を試算すると
毎秒約1.6トンが発生し、うち約1トンが下り勾配のトンネル沿いに山梨県側に流れるとの結果が
得られたとしている。
エコパークを水源とする大井川の水量減少が指摘されていることなどから、JR東海はトンネルから
大井川までの約11キロに導水路を建設し、湧き水の約7割を大井川に戻すなどとする対策を打ち出している。〔共同〕
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO19495950R00C17A8000000/