
日本の経済成長の「裏側」に潜む問題―中国メディア
日本の有名研究所のシニア研究員の話では、日本の6月の有効求人倍率(求人の求職
者に対する割合)は1.51で、1970年初め頃の高い水準に戻り、雇用が十分にあるこ
とがうかがえた。だが当面の経済成長率が低水準をうろうろする状況の中、有効求人
倍率の高さは求職者の少なさを物語る。つまり、労働力の供給不足が経済の潜在的成
長を制約する大きな要因だということだ。
拓殖大学政経学部の朱炎教授は、「表面的にみれば、ここ数年は日本の労働力の供給
は増えたが、増えたのは65歳以上の高齢者で、受け取る賃金が少ない人々だ。また政
府が法律を制定して女性の就労と職場での地位向上を奨励したものの、ほとんどの女
性は出産後に労働市場に戻った時、受け取る賃金が出産前に比べて大幅に減少する。
雇用データの増加は収入の増加を意味せず、消費の増加をもたらすとは限らない」と
述べる。
朱教授によれば、「消費の不振により日本の国際市場の見通しは暗く、企業の投資意
欲は低い。これと同時に、日本企業の収益モデルに目立った変化が生じつつあり、一
部の企業は海外に投資し、収益を大幅に増やしている。企業の利益が増加しても国内
投資の増加につながらないだけでなく、国内の雇用と税収を牽引する役割も果たさな
い」という。
▽革新企業育成の土壌がない
1990年代後期に、日本には大手IT(情報技術)企業がたくさん生まれたが、こうした
企業の研究開発の重点は国内の消費者のニーズを満足させることにあり、国際市場の
ニーズとトレンドを軽視しがちで、国際競争力を欠いていた。
みずほ総合研究所調査本部市場調査部の長谷川克之部長は、「マクロ経済の角度から
みると、バブル経済崩壊後、日本経済は長期的な低迷とデフレに陥り、日本企業は国
際競争力を徐々に失っていった。だが現在、世界にある時価総額の高い企業の多くは
ここ20〜30年の間に登場したもので、新しい経営モデルを擁し、新しいサービスを提
供している。日本には絶えず革新を遂げ経済に活力をもたらす企業を育成できる土壌
が備わっておらず、新しいビジネスモデルとサービスを提供する企業の発展が遅れて
いる」との見方を示す。
長谷川部長は、「日本にとって、革新を推進する経済体制、教育体制、社会体制の構
築が最大の急務だ」と指摘する。
http://www.recordchina.co.jp/b189198-s10-c20.html