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「電話が怖い」若者たち(上) 「まずメール」 仕事に支障も
愛知県にある企業の営業部門で働く男性(38)は、二十代の部下が休日になると仕事の電話に出ないことがあると話してくれた。
「休みだからと言いたいかもしれないが、仕事は営業。担当の顧客の問い合わせには対応しないと」
愛知県にある会計事務所のベテラン職員は、若手職員が顧客とのトラブルをメールで済まそうとしたため、話がこじれたことがあったと明かした。
「メールは気持ちが伝わりにくい。電話をかけて誠意をもって話せば、相手も納得してくれたはず」。解決に時間が余計にかかったという。
東洋英和女学院大(横浜市)の小寺敦之(こてらあつし)准教授(情報行動論)は、若者は固定電話をほとんど使わず、メールなどテキストメッセージに慣れて育った分、電話への抵抗感があると分析。
通信速度が格段に向上したため、メールやラインも即時性の点で電話と遜色なくなっている。
小寺さんは「結果、相手の時間を奪う電話を使うよりも心理的に楽なメールやラインを重宝しているのでは」と話す。
業務が滞る場面も出ている若者の電話敬遠。ただ小寺さんは「若者も緊急の連絡は、電話という手段を選ぶ」と指摘する。
電話に慣れていない若者とどうコミュニケーションを図り、電話に慣れてもらうのか。次回(二十五日)で考える。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201712/CK2017121802000139.html