
叩かれ続ける“朝食有害論”。そのわけは、畜産、食品製造、外食などの産業そして医者が儲けたいがため。
昨年11月19日に、食欲の秋の飽食を戒めるため、「朝食抜き、1日2食で健康!」と題して記事を書きました。その焼き直しの感が拭えませんが、
春は1年で最も少食とすべき季節ですので、あらためて記事にすることにしました。今回は、かなりの長文となり、お時間を取らせて恐縮に存じますが、
最後までお付き合いいただけたら有り難いです。
なお、本稿は、これまた長文の「 朝食有害論の歴史的推移 」とセットになった記事で、併せてご覧いただけると幸いです。
さて、健康づくりのために、“朝食をしっかり摂ろう”というキャンペーンが国を挙げて取り組まれているのは、世界広しと言えども、日本だけでしょう。
いや、イスラエルでは朝食をしっかり食べているよ、という声がありますが、確かに何事にも例外があるのでして、イスラエルのユダヤ人はそのようです。
でも、これは、置かれている立場の特殊性にあります。彼らは、長く流浪の民を経験していますから、気が休まることがなく、よって、次の食事が全く保障されておらず、
食べられるときに食べておかねばならないという食文化があるからです。
さらに、アメリカ人もたくさん朝食を食べるよ、という声もあります。
これもアメリカ人の特殊性によります。彼らの歴史を見てみれば明らかなことで、欧州からの飢餓難民で建国され、つい最近まで開拓また開拓で働き続けていましたから、
食べて食べて食べ捲くるという食文化が定着してしまっているからです。
この両国とも、日本とは違って、決して、健康になるために“朝食をしっかり摂ろう”というのではありません。“健康に良くないことは薄々知ってはいるが、
昔からそうしてきているから、口の卑しさも手伝って、つい朝食をしっかり摂ってしまう”といったところでしょう。
古代から中世にわたり、欧州では、何度か朝食文化が花開きました。
太平な世となった江戸時代の武士や江戸町人(遅れて大坂町人も)に、朝食文化が生まれたのと、状況は類似しています。
でも、欧州では、朝食をしっかり摂ったのは支配階層だけでした。そして、彼らに生活習慣病が蔓延したものですから、“帝王病”などと呼ばれ、
原因は朝食にあることを誰もが知っていたのです。よって、戦乱の世ともなると、豪華な朝食文化は廃れていったようです。
こうしたことから、今日でも、欧州では朝食はごく簡単なもので済ませています。欧州旅行を経験なさった方は、ホテルの朝食の酷さにびっくりされたでしょう。
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