
3日、韓国と北朝鮮による女子の南北合同チームが急遽(きゅうきょ)、結成された。
極めて異例といえる決定の背景には、間違いなく先月27日に行われた南北首脳会談の「板門店宣言」に盛り込まれた「国際競技への共同出場」がある。スポーツを通じた友好は歓迎すべきだが、大会途中での結成は、問題があると言わざるを得ない。
団体戦での南北合同チームは、1991年の日本大会で結成されたことがある。個人戦では、混合ダブルスに「国際ペア」として出場することも珍しくない。いずれも、事前に決められたことだ。
今回は違う。準々決勝で対戦するはずだった両国は対戦せずに合同チームとなり、準決勝を戦うことになった。そこに、スポーツで最も尊重すべき公平性や順守すべきルールは見あたらない。
平昌五輪では開幕直前にアイスホッケー女子の合同チームが決定。韓国選手の出場機会が減る形となり、議論を呼んだ。今回も同様の問題が生じることになる。
せめて、時間的に余裕のある大会からにできなかったか。「政治」が見えすぎる昨今のスポーツ界は、自らその価値をおとしめている。(森本利優)
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