
だが、ちょっと待ってほしい。実際にはこの産経の報道は、与党を利するためだけに作られた"インチキ記事"しか言いようがないシロモノなのである。
●菊田真紀子衆院議員の「指名停止業者からの献金」報道は恣意的なフェイクニュース
献金企業の指名停止処分の理由も、談合などの汚職に絡んだからではなかった。当時の地元紙報道によれば、
下請け会社B社が県発注工事で人身事故を起こしていたのに労働基準監督署への届け出を行わず、
元請けのA社も県に事故を報告しなかったため、処分を受けたというものだった。
もちろん、A社の違反ではあるが、それにしても、この内容で「指名停止の業者から120万円」と大きく見出しに掲げ、
献金の不適切性を批判しようというのは、普通のメディアならまず考えられない。繰り返しになるが、マスコミが
指名停止企業からの献金を大きな問題として報じるときは、談合等の汚職事件で指名停止になった企業が献金を
していた事実が浮上したケースというのがもっぱらである。その常識を考えても、産経報道は明らかにフレームアップの手法をつかった印象操作だろう。
いや、言っておくが、この産経記事がおかしいのは、こうした指名停止をめぐる実情の"ショボさ"だけではない。
この記事が新潟知事選を見据えた露骨なネガキャン記事であることを決定づける最大の理由は別にある。
実は、この「指名停止の業者」であるA社は、同じく新潟県にある自民党の支部にも、同時期に同額の献金をしていたのである。
ところが、産経記事ではその事実については一文字も触れていないのだ。
●"新潟県議会のドン"が代表を務める自民党支部への同額献金をネグった産経
事実、新潟県が公表している政治資金規正法に係る文書によれば、2015(平成27)年分の定期公表において、
A社は「長岡支店」の名称で、自由民主党新潟県長岡市・古志郡第1支部に24万円の献金をしていることがわかる。
それだけではない。産経が問題視している菊田議員の選挙支部が献金を受けた「平成23〜27年」の5年間を調べてみたが、やはり、
自民党新潟県長岡市・古志郡第1支部はA社から毎年24万円の計120万円、つまり同時期に同額の献金をもらっていたのだ。
なお、この自民党新潟県長岡市・古志郡第1支部の当時の代表は星野伊佐夫県議(自民党)で、一昨年まで新潟県連会長
も務めていた"新潟県議会のドン"とも呼ばれている政治家。先の衆院選で自民党が泉田裕彦元知事を新潟5区に擁立した際、
二階俊博幹事長とともに糸を引いた重鎮である。
何度でも繰り返すが、産経の記事がA社からの献金を問題視するのは2015年の10月に指名停止処分を受けていた事実に立脚している。
にもかかわらず、菊田議員の選挙区支部と同時期に同額、自民党の選挙区支部も同じ「指名停止の業者」から献金を受けていた事実は、一切ねぐっているのだ。
もはや完全にタメにする記事としか言いようがないだろう。安倍政権の"政敵"だけは羊頭狗肉のネガキャン記事をぶちあげて、
一方で自民党のことは見て見ぬ振り。産経新聞は仮にも全国紙、公器たるマスメディアとして恥ずかしくないのか。
https://news.nifty.com/article/domestic/12218/12218-7975/