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愛媛県今治市の松山刑務所大井造船作業場から4月に逃走し、3週間にわたる逃亡中に車や現金を盗んだなどとして、
単純逃走や窃盗などの罪に問われた平尾龍磨被告(27)に対し、松山地裁(末弘陽一裁判長)は28日、懲役4年(求刑・懲役6年)の実刑判決を言い渡した。
末弘裁判長は「逃げるのではなく、もう一度一から更生の道を歩むよう努力するように」と説諭した。
【容疑者の身柄確保の瞬間】
公判では冒頭、平尾被告が「深い反省、償いの気持ちを常に持ち、更生に努めていきたい」と反省文を朗読。
窃盗被害者のほか、逃走中に潜伏した広島県尾道市の向島の住民に対しても「平穏な日々を長期間にわたり奪ってしまい、深い反省の気持ちがある」と述べた。
判決は動機について「2度の規律違反などで、受刑者で構成される自治会の委員から外されたと思い、作業場内の人間関係から逃れたいなどの理由」と指摘。
平尾被告が「作業場の問題点を世間に知らしめ、改善したかった」と釈明した点は「動機が身勝手という評価は動かない」と一蹴した。
同作業場は「塀のない刑務所」として知られるが、「開放処遇の趣旨をないがしろにし悪質」と断じた。
判決によると、平尾被告は4月8日午後6時5分ごろ、作業場の寮舎1階にある窓から逃走し、近くの民家から乗用車などを盗んで向島へ。
無人家屋の屋根裏に潜伏後、海を渡って本州側でも窃盗を繰り返した。窃盗や住居侵入など14件の犯行で被害額は約109万円に及んだ。
平尾被告は4月30日、広島市内で身柄を確保された。2020年2月まで窃盗などの前の罪で服役した後、今回の判決で科された刑期を受刑する。【中川祐一、遠藤龍】
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