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隊付将校が政治的な思想を持つに至った背景の一つには、当時の農村漁村の窮状がある。隊付将校は、徴兵によって農村漁村から入営してくる兵たちと直に接する立場であるがゆえに、兵たちの実家の農村漁村の窮状を知り憂国の念を抱いた。
たとえば、2.26事件に参加した高橋太郎(事件当時少尉)の事件後の獄中手記に、高橋が歩兵第3連隊で第一中隊の初年兵教育係であったときを回想するくだりがある。高橋が初年兵身上調査の面談で家庭事情を聞くと、兵が「姉は…」といって口をつぐみ、下を向いて涙を浮かべる。
高橋は、兵の姉が身売りされたことを察して、それ以上は聞かず、初年兵調査でこうした情景が繰り返されることに暗然として嘆息する。高橋は「食うや食わずの家族を後に、国防の第一線に命を致すつわもの、
その心中は如何ばかりか。この心情に泣く人幾人かある。この人々に注ぐ涙があったならば、国家の現状をこのままにはして置けない筈だ。殊に為政の重職に立つ人は」と書き残している。[14]
https://ja.wikipedia.org/wiki/二・二六事件