
9月開幕のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会を盛り上げようと、
試合会場となる神戸市が商店街など約240団体に関連イベントの経費支援を呼びかけながら、
支援の申請や打診が2件にとどまっていることが分かった。関西でもう一つの会場となる
大阪府東大阪市も同様の支援事業を実施しているが、対象の60団体から20件の打診や申請があるといい、
街の熱気の差が浮き彫りになっている。
「一生に一度のビックイベントなのに…」。神戸市長田区の長田神社前商店街の理事長、吉岡利明さん(50)は声を落とす。
隣の兵庫区にある市御崎公園球技場(ノエビアスタジアム神戸)でのW杯開催を機に、同商店街は周辺にポスターを掲示。
8月には親子向けにラグビーボールを使ったミニゲームを企画し、市に経費支援の申請を打診した。
しかし、同商店街以外に市に打診し実際に申請したのは、すでに七夕イベントを開催した中央区の商業団体のみ。
吉岡さんは「他の商店街と連携するような動きはなかった。全体的に盛り上がりに欠ける」と話す。
神戸市の経費支援事業はW杯に合わせ、ラグビー関連イベントや英語案内板の掲示などを実施する団体に対し、
上限15万円で事業費の半額を市が補助する仕組みだ。ただ、市は2月に約240団体を対象に制度説明会を実施したが、
反応はほとんどなかった。申請はイベント準備を始める2週間前が目途で、
市の担当者は「夏祭りに合わせ、申請団体が増えることを期待したい」と話している。
■商店街競い合い
一方、東大阪市では、関連イベント経費を上限15万円(連合の場合は上限70万円)まで補助する事業を60団体に呼びかけたところ、20件の打診を受けた。
そのうち9団体がすでに申請を済ませた。
申請した小阪商店連合会では夏祭りに合わせ、地元チーム「近鉄ライナーズ」選手のトークショーや、ラグビーのミニゲームを企画。
スタッフ用に「ラグビーのまち 東大阪」とプリントしたTシャツも200枚発注し、来場者にはうちわも無料配布する予定だ。
同連合会長の倉橋一平さん(67)は「各商店街が連携してさまざまなイベントを企画している。他の商店街には負けられない」と闘争心を燃やす。
https://www.sankei.com/west/news/190712/wst1907120015-n1.html