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大東社長を殺害したのは、中国籍の女性ヒットマンである可能性が極めて高いという。
殺害前日の18日に日本に入国し、殺害した19日の当日に出国している中国人女性の記録が入管管理局で
見つかったそうだ。
本書に登場する暴力団関係者によれば通称、「抱きつきのリン」との異名を持つ、至近距離からの連射を得意と
する中国人女性ヒットマンがいて、本件はその人物の犯行に手口が似ているという。
また暗殺の場合、まず頭部を撃って確実に殺すのに対して、本件では体のみを狙う「苦しませて殺すやり方」で、
これは中国マフィアが裏切り者に対して行う方法だと指摘する声もある。
なぜ、大東社長が中国マフィアの恨みを買ったのか? その理由はどうやら、大東社長の肝いりプロジェクトだった
「餃子の王将 中国進出」にあったようだ。
その際、現地マフィアとの間でいくつものトラブルが発生していたことを、本書は詳細に明かしている。
ただし本件は現在も未解決であり、「中国マフィアによる暗殺説」はあくまでも一つの推理に過ぎない。
他にも創業者の闇社会とのトラブルも根深く、いったいだれが何の目的でたたき上げの大東社長を殺害したのか、
それを明白にするために結ぶべき点はあまりに多く、一本の線にすることは至難の業のようだ。
本書には他にも、企業テロの背景にある裏社会で、昼夜、不気味にうごめく集団や人々がさまざまに登場する
まるで映画を観ているかのような現実を垣間見ることができるが、現実なだけに「スリリングで楽しかった」などと言える世界ではない。
本書を読む限り、大東社長は真面目一貫で、創業者一族の遺した負の遺産である反社会組織との決別を目指し、先導した人だったという。
裏社会とのなれ合いを潔よしとしない、正義の人が生きられない社会はあまりにいびつだ。
平成の時代から新しい時代へと移り、人々が正しいままで生きられる社会へと転換してくれることを願ってやまない。
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