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拡大を続ける新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を抑え込もうと奮闘する世界をよそに、このウイルスに関する情報を封じ込めることに躍起の指導者がいる。
中央アジア南西部に位置するトルクメニスタンの政府は、「コロナウイルス」という言葉を使用禁止にした。
マスクをつけたり、公衆の面前でこのパンデミック(世界的大流行)について話をしたりした人は逮捕されていると、国境なき記者団が報告している。
同国の国営メディアは、コロナウイルスという言葉を放送したり出版することを禁じられている。
職場や病院、学校に配布される政府の保健に関するパンフレットからも、コロナウイルスの情報は削除されている。
「トルクメニスタン政府は、コロナウイルスに関する情報を根こそぎ排除するという過激な政策を採っている。独裁的と言われるがここまでとは」と、国境なき記者団の東欧および中央アジア部会の責任者を務めるジャンヌ・キャブリエは3月31日付の声明で述べた。
「グルバングルィ・ベルディムハメドフ大統領によるこの情報統制は、(感染の)リスクが高いトルクメニスタン市民の命を危険にさらしている」
独立系のニュースサイトで、トルクメニスタン国内では閲覧を禁止されている「クロニクルズ・オブ・トルクメニスタン」によれば、同国政府は公式見解として、国内にコロナウイルスの感染例はないと主張している。
ラジオ・フリー・ヨーロッパなど海外のトルクメン語版サービス「ラジオ・アザトルク」が、トルクメニスタンで複数の感染例を伝えているにも関わらずだ。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/04/post-92959.php