埼玉県の吉川警察署の58歳の警部補が去年11月、「自転車を盗んだ」と申告した容疑者に対し、「元の場所に戻しておけ」と指示して必要な捜査を怠ったとして、停職の懲戒処分を受けました。
懲戒処分を受けたのは、埼玉県三郷市にある吉川警察署の地域課に所属していた58歳の男性の警部補です。
警察によりますと、この警部補は去年11月、吉川市内の店舗から商品を万引きした疑いがある男から事情を聴いた際に、「乗っている自転車は盗んだものだ」と申告を受けたにもかかわらず、「元の場所に戻しておけ」と指示したということです。
万引きについては店が被害届を出さず、男は8日後、同じ自転車に乗っていたところを別の警察官に見つかり、窃盗の疑いで逮捕されました。
その際に警部補とのやり取りを明かしたということで、埼玉県警察本部は警察官の信用を失墜させる行為だとして、24日付けで、停職3か月の懲戒処分にしました。警部補は依願退職したということです。
埼玉県警察本部の近藤勝彦首席監察官は「県民の信頼を損ねる行為で皆様におわび申し上げます。職員に対する指導を徹底し再発防止に努めます」と話しています。
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