社員よりバイト
高知県東部の機械メーカーでは2015年春入社の4人のうち3人が半年ほどで辞めた。
「社内に衝撃が走った」と幹部が打ち明ける。
公務員志望、県外で働きたい―。そんな理由の中で、1人が「お金のいいところで働きたいから」と
説明し、幹部を驚かせた。県外の製造業で「季節工」をやると言う。
「社会保障を含めた正社員の仕組みを説明してもだめ。正社員の身分を捨て、(一見収入が良く映る)
非正規を選んだんです」
アルバイトの方が給料がいいから、との相談はジョブカフェにも届く。先輩社員の給料が上がらない
様子を見て、「自分の将来が見えない」と相談に来る若者もいる。
それでもコンサルタントは「今はいいかもしれない。50歳、60歳になって時給でいいのか」
と若者に投げ掛ける。
高知労働局職業安定課の担当者は言う。
「新卒で1回転ぶと、経験のある一般求人との競争になる。新卒だから就職しやすいということは、
知っておいた方がいい」