
ロンドンの控訴院は1日、12歳の少年の生命維持装置停止を認めた判決を不服とし、両親が控訴していた裁判で、停止を認める判断を下した。
控訴院は、2日正午(日本時間午後8時)に王立ロンドン病院(Royal London Hospital)に入院しているアーチー・バターズビー(Archie Battersbee)君の生命維持装置を停止することができるとしている。
アーチー君は今年4月、自宅で意識を失った状態で母のホリー・ダンス(Hollie Dance)さんにより発見された。首にひもを巻いた跡があり、インターネットで流行している「窒息チャレンジ」をしていた可能性がある。
両親は、装置停止の中止を求め裁判所に訴えた。だが、裁判所はアーチー君が脳幹が機能を失った「脳幹死」の状態にあると医師が考えていることから、延命治療の停止が患者にとって最善の利益であると判断。
1日午後に装置が止められる予定だった。 両親は最後の手段として、国連(UN)とその障害者の権利委員会(UN Committee on the Rights of Persons with Disabilities)に訴えた。同委員会は先月29日、アーチー君の件について検討中のため、延命治療を続けるよう要請した。
一方、英政府は8月1日、控訴院にこの件について「早急に審理」するよう要請。控訴院は、国連の要請は法的根拠がないとしたものの、アーチー君の生命維持装置の停止を2日正午までに延期することを認めた。
母親のダンスさんはスカイニューズ(Sky News)とのインタビューで、装置停止は「演出された息子の処刑」だと非難。「裁判に引きずり込まれ、共感も同情も得られないという状況はトラウマになる」と語った。
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