米沢市の米沢工業高で11日、キャリア探究講演会が開かれ、三陽機械製作所(東京)の社長で「下町ボブスレー」プロジェクト委員長の黒坂浩太郎氏が、専門技術の結集によって、小さな工場でも世界と戦えることを伝えた。
地域を担う人材を育成するプログラムの一環で、1年生170人を対象に行った。ボブスレーで使われるそりは工業製品として高い安定性が求められることから、黒坂氏は「日本の町工場の技術力を生かせるのではないかと思い挑戦した」と説明した。約4千の工場があるという東京都大田区を中心に開発を進め「溶接や熱処理、表面処理、切削などの工程を各工場で分担した。この『仲間まわしの力』が大田区の強み」と力説した。
2014年のソチ五輪、18年の平昌(ピョンチャン)五輪へのそり提供はかなわなかったが、今月行われたワールドカップではイタリア代表選手が使用したという。「念願の五輪出場に手が届くところまで来ている。諦めない姿勢が結果につながるところを見せたい」と熱い思いを語った。
同製作所は2018年に米沢市の産業団地「米沢オフィス・アルカディア」で新工場を稼働させた。同校卒業生の就職先にもなっている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7e83c394b9d5abe35d53359d336dfebb081468d0