人は一人じゃ生きていけない――。こうつづった埼玉県蕨市の中学2年の女子生徒(当時14)が、いじめを苦に亡くなってから3日で20年になる。いまもいじめはなくならず、自殺する子どもが絶えない。文部科学省のまとめでは、2004~22年度で少なくとも117人がいじめを受けて自ら命を絶ったとされる。両親は「娘の思いを子どもたちに知ってほしい」と願う。
■「告白ゲームいや」、ノートに書き残し
女子生徒は2004年6月3日の朝、亡くなった。学校側が同級生に聞き取りをしたところ、女子生徒が同級生から罰ゲームとして男子生徒5人に告白することを強要されていたことがわかった。亡くなる前日に1人に告白させられ、学校のトイレで泣いていたという。亡くなった日は、あと4人に告白させられることになっていた。ほかにも、仲がよかった友だち数人から突然無視されたり、うざい、きもいなどの言葉の暴力を受けたりしていた。
女子生徒は自宅のノートに「告白ゲームなんていやだ」などと書き残し、命を絶った。罰ゲームを主導した同級生を非難した一方で、ほかの生徒には「ありがとう」という言葉を残していた。
両親は最初、ありがとうという言葉が理解できなかった。ただ、時が経つにつれ、娘の優しさだったと思うようになった。
友だちも本当は自分のことをいじめたくていじめたのではない。今度は自分がターゲットになるのが怖くて加担させられていたのだ。友だちも本当はつらかったのだと思いやりを持ったのだ、と。
女子生徒が書いた作文は葬儀の後、両親の元に戻った。人権を考える授業で書かれ、女子生徒が亡くなる前日に担任に提出したものだった。
「誰だって自分を否定されるのは嫌だと思うし、つらく悲しいと思います」
「イジメは自分をどん底まで沈めます」
「人は一人じゃ生きていけない。だから友達をつくる。一人のさみしさが複数でいることの楽しさへ変わる」
作文には、いじめに向き合った思いがつづられていた。
ノートに書いて自殺することで「そういう酷いこともあったんだね」ってことがつたわる
そういうこともだいじ
男子生徒がかわいそうすぎる。告白するくらいなら死んだほうがマシとか。
どうせ告白させられた相手もケンモメンみたいな5人だったんだろうな
俺も罰ゲームで無理やり告白させられたけど
そのうちの一人と付き合ったぞ、元々可愛いと思ってた相手だったし
結局は気持ちの持ちようだよ