12/9(月) 14:10配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191209-00010001-yomidr-sctch
石井洋介 医師、日本うんこ学会会長 https://unkogakkai.jp/
うんこで救える命がある
寒い季節になると必ず話題になるのが、ウイルス界の“主役”インフルエンザですね。私の勤務する病院でも連日、ワクチン接種の希望者が多く、インフルエンザに関しては、かなり予防の意識が高まっていると感じます。一方で、同じころに流行期を迎える“うんこ系疾患”に、ノロウイルス感染症があります。インフルエンザに関してはワクチンや抗インフルエンザ薬による治療など、ある程度紹介するべき対処法があるのですが、ノロウイルスに関してはワクチンもなければ薬もないため、ちょっとメディアとして取り扱う要素が少なく、話題性としてインフルエンザに負けがちです。
そんなノロウイルスですが、激しい嘔吐(おうと)だけでなく、下痢や腹痛が起こり、周りの人への感染力も強力で、インフルエンザに負けないくらいあなどることができないウイルスです。そこで今回は、ノロウイルスに感染した場合に覚えておきたい重要なポイントをまとめてみます。周りに嘔吐や下痢をしている人がいたら、ぜひ伝えてあげてください。
ノロウイルスの症状と受診のポイント
ノロウイルスの感染ルートというと、牡蠣(かき)のような二枚貝を非加熱で食べた時が有名ですが、二次感染、つまり、すでにノロウイルスに感染した人からトイレや配膳を通して感染してしまう可能性も高く、「生の貝を食べたなど、何か思い当たる食べ物はありますか?」と聞いてもはっきりしないことの方が圧倒的に多いです。
ノロウイルスは、体内に取り込まれてから2日ほどで嘔吐が始まり、下痢や腹痛が3日程度起きることが一般的です。病院に来ていただければ10分で結果がわかる診断キットもありますが、インフルエンザが流行する11月から2月ごろの間で、介護施設や学校などの集団感染があるなどのエピソードがある場合は、その状況からノロウイルスであるという診断を下すことが多いです。ノロを疑うような症状になった場合には、外出して感染を拡大させないためにも、家で安静にするのがベストです。
自宅療養をする際に重要なことは、嘔吐をしているからといって水分摂取をやめるのではなく、脱水を予防するようしっかりとスポーツドリンクや「OS−1」などの電解質を含んだ水分をしっかり摂(と)ることです。幼児や高齢者など体力がない人は、激しい嘔吐や下痢が続くと脱水や体の中の成分のバランスが崩れやすく、意識障害などの重篤な症状につながる危険性もあります。水分を摂取しても嘔吐によってすぐに全て吐き出してしまう場合や、意識がぼーっとしてきたなどの症状が出た場合は、点滴をする必要があるため病院を受診してください。
ノロウイルスにはアルコール消毒が効かない!
ノロウイルスは脱水症状さえ予防できれば、それだけで命を奪われるようなことはありません。重要なことは、それ以上感染を拡大させない「予防の意識」です。ノロウイルスは不顕性感染と呼ばれる「症状が出ないけど感染している人がいる」状態があるため、人と触れる職業や配膳に関わる職業の人は流行期に症状がなくても、いつも以上に清潔を保つよう意識し、マスクやエプロンを装着するなどの予防策を徹底しましょう。ノロウイルスは症状が改善してからも1週間から2週間は体の外に菌を出し続けると言われているため、油断は禁物。感染後も、しばらくは予防策を徹底しましょう。
また、「ノロウイルスにはアルコール消毒が効かない」ことが知られています。嘔吐や下痢を起こした後の消毒には、「次亜塩素酸ナトリウム」の入った洗剤や消毒液を使う必要があります。嘔吐で汚れた可能性がある衣服は他の衣服とは一緒にせず、次亜塩素酸ナトリウム製剤を使って洗濯をしましょう。トイレも同様で、汚物がはねた場合などは一般的なトイレの洗剤では不十分なため、次亜塩素酸ナトリウムが入ったものを使用しましょう。さらに重要なポイントが、「うんこを流す時はトイレの蓋(ふた)をしよう」です。トイレで下痢や嘔吐をした場合は、トイレを流す際に飛沫(ひまつ)が飛び散り、ウイルスを飛散させてしまうことが知られています。飛散を防ぐためにトイレの蓋をしてから、うんこを流しましょう。ちなみに「トイレの蓋を閉める男性の方が女性からの好感度が高い」との情報を掴みましたので、男性諸君は普段からトイレの蓋を閉めて流す癖をつけておくのがいいでしょう。
(続きはソースで)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191209-00010001-yomidr-sctch
石井洋介 医師、日本うんこ学会会長 https://unkogakkai.jp/
うんこで救える命がある
寒い季節になると必ず話題になるのが、ウイルス界の“主役”インフルエンザですね。私の勤務する病院でも連日、ワクチン接種の希望者が多く、インフルエンザに関しては、かなり予防の意識が高まっていると感じます。一方で、同じころに流行期を迎える“うんこ系疾患”に、ノロウイルス感染症があります。インフルエンザに関してはワクチンや抗インフルエンザ薬による治療など、ある程度紹介するべき対処法があるのですが、ノロウイルスに関してはワクチンもなければ薬もないため、ちょっとメディアとして取り扱う要素が少なく、話題性としてインフルエンザに負けがちです。
そんなノロウイルスですが、激しい嘔吐(おうと)だけでなく、下痢や腹痛が起こり、周りの人への感染力も強力で、インフルエンザに負けないくらいあなどることができないウイルスです。そこで今回は、ノロウイルスに感染した場合に覚えておきたい重要なポイントをまとめてみます。周りに嘔吐や下痢をしている人がいたら、ぜひ伝えてあげてください。
ノロウイルスの症状と受診のポイント
ノロウイルスの感染ルートというと、牡蠣(かき)のような二枚貝を非加熱で食べた時が有名ですが、二次感染、つまり、すでにノロウイルスに感染した人からトイレや配膳を通して感染してしまう可能性も高く、「生の貝を食べたなど、何か思い当たる食べ物はありますか?」と聞いてもはっきりしないことの方が圧倒的に多いです。
ノロウイルスは、体内に取り込まれてから2日ほどで嘔吐が始まり、下痢や腹痛が3日程度起きることが一般的です。病院に来ていただければ10分で結果がわかる診断キットもありますが、インフルエンザが流行する11月から2月ごろの間で、介護施設や学校などの集団感染があるなどのエピソードがある場合は、その状況からノロウイルスであるという診断を下すことが多いです。ノロを疑うような症状になった場合には、外出して感染を拡大させないためにも、家で安静にするのがベストです。
自宅療養をする際に重要なことは、嘔吐をしているからといって水分摂取をやめるのではなく、脱水を予防するようしっかりとスポーツドリンクや「OS−1」などの電解質を含んだ水分をしっかり摂(と)ることです。幼児や高齢者など体力がない人は、激しい嘔吐や下痢が続くと脱水や体の中の成分のバランスが崩れやすく、意識障害などの重篤な症状につながる危険性もあります。水分を摂取しても嘔吐によってすぐに全て吐き出してしまう場合や、意識がぼーっとしてきたなどの症状が出た場合は、点滴をする必要があるため病院を受診してください。
ノロウイルスにはアルコール消毒が効かない!
ノロウイルスは脱水症状さえ予防できれば、それだけで命を奪われるようなことはありません。重要なことは、それ以上感染を拡大させない「予防の意識」です。ノロウイルスは不顕性感染と呼ばれる「症状が出ないけど感染している人がいる」状態があるため、人と触れる職業や配膳に関わる職業の人は流行期に症状がなくても、いつも以上に清潔を保つよう意識し、マスクやエプロンを装着するなどの予防策を徹底しましょう。ノロウイルスは症状が改善してからも1週間から2週間は体の外に菌を出し続けると言われているため、油断は禁物。感染後も、しばらくは予防策を徹底しましょう。
また、「ノロウイルスにはアルコール消毒が効かない」ことが知られています。嘔吐や下痢を起こした後の消毒には、「次亜塩素酸ナトリウム」の入った洗剤や消毒液を使う必要があります。嘔吐で汚れた可能性がある衣服は他の衣服とは一緒にせず、次亜塩素酸ナトリウム製剤を使って洗濯をしましょう。トイレも同様で、汚物がはねた場合などは一般的なトイレの洗剤では不十分なため、次亜塩素酸ナトリウムが入ったものを使用しましょう。さらに重要なポイントが、「うんこを流す時はトイレの蓋(ふた)をしよう」です。トイレで下痢や嘔吐をした場合は、トイレを流す際に飛沫(ひまつ)が飛び散り、ウイルスを飛散させてしまうことが知られています。飛散を防ぐためにトイレの蓋をしてから、うんこを流しましょう。ちなみに「トイレの蓋を閉める男性の方が女性からの好感度が高い」との情報を掴みましたので、男性諸君は普段からトイレの蓋を閉めて流す癖をつけておくのがいいでしょう。
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