宅浪生、多浪。
今はバイトをしつつ勉強するという生活を送っている。
5月の終わり、死のうと思った。
何をしていても、生きていてごめんなさいとしか考えられなくなった。
勉強をしていても、バイト先で書類をチェックしていても泣いてしまう。
憂鬱な気分が続く。それまで一日10時間くらいできていた勉強が手につかなくなる。問題が解けずイライラする。親の前ではほとんど泣かなかったと思うが、見られていたかもしれない。
俺には、ネットでしか知らない恋人がいる。2次元ではないが未だ会ったことがない。会えないのは、俺が大学に落ちたせいだが。相手は会社員である。
昔から死にたいという気持ちをぼんやりと抱いていた俺だが、この恋人に出会ってから、生きようと思うようになった。少なくともこの人に会うまでは生きようと思った。希望の光だ。
その人に、死にたいと話した。当然止められた。理由はよくわからないが、俺はこの人と話している間は頭がふわふわして言うことを素直に聞くようになる。じゃあ死なない、と言って、俺ははじめて薬を買った。奥田脳神経薬。憂鬱、不安に薬で対抗しようと思った。
プラシーボ効果かもしれないが、自分が活発さというか力を得たような気がした。薬を飲んでいた期間は、不安があったものの、軽減した気がした。
6月になった。新しい職場に行ったり、模試を受けたりした。精神状態は、低空飛行という感じだった。だが、少しずつ勉強時間も元のペースを取り戻していっている気がした。7時間、8時間、と勉強時間が増えていった。薬を飲むことはほぼなかった。ただ、この時期に、高校時代の友人のインスタを見てつい涙ぐんだときに母親に「精神科に相談してみたら?」と言われた。ちなみに俺は今までに2回、精神科医に相談したことがある。最初は高校の頃の無料健康相談、次は一浪のときの6月。どちらも「漠然とした不安」を訴えたが特に治療はされなかった。2回目に至っては「失礼ですが、辛くなさそうですね」と言われた。そうか、つらくないのか……とそのときは納得し、そのうち元気になった。